多額の借金を背負わされたカイジは逃亡生活の末、一発逆転のギャンブルを期待して自ら遠藤に接触する。
しかし多重債務者からの取り立てを生業とする遠藤はカイジの身柄を確保し、地下の強制労働場へと送った。
劣悪な環境で集団生活をしなが強制労働と借金返済に終われる悪夢のような生活を送ることとなったカイジ。
この状況から抜け出すには必要な通貨であるペリカを貯めて「1日外出券」を買い、さらに地上で借金を完済するしかない―。
ところが所属するE班の班長・大槻の巧みな話術の前に誘惑の沼に引き込まれてしまう。
貴重なペリカをビールなど嗜好品で散財してしまったことを猛省するカイジに大槻は給料の前借りを申し出、さらに返済のためのチャンスとして賭場に招待した。
カイジと同様新人の青年・三好と共に参加することとなったのは、特殊ルールが存在する地下チンチロ。
カイジの脱出を賭けた大槻たちとの戦いの火ぶたが切って落とされるのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
緊張感をもって勝負へ
全くのド素人のため、それぞれの出した目をメモすることにした三好。
手探り状態で様子を見ながら参加するカイジは、少額を賭けつつ自分が親となって大勝できそうなタイミングを辛抱強く待つ。
〈緊張してこそ集中できる [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
しかし賭け金を上げなければ勝負への緊張感が薄れてしまうことに気づき、方針を変更。
三好が親のタイミングで3000ペリカを賭ける。
三好の出目は「1」と、子たちは普通の出目さえ出れば勝てる状況。
しかし運悪くカイジの出目は「1・2・3」の2倍払い。
〈運悪く大敗 [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
運という荒波にもまれながら、カイジは再び流れを読もうとするのだった。
負けたら抜け出せない借金地獄
賭け金を上げたカイジは上昇と下降を繰り返しながら、5000ペリカを張ったときに「4・5・6」の2倍付けを出し、流れを掴む。
〈流れが来た [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ここでカイジは親の手番を引き受けるが、他の子たちはカイジに運が向いているのを見て少額しか賭けたがらない。
すると、ここぞとばかりに大槻とその側近である石和が上限である2万ペリカを賭ける。
〈大槻が大きく賭ける [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻たちにとっては痛くも痒くもない額だが、カイジにとっては負ければさらに多額の借金を被ることとなる状況。
「既に1か月分前借りしているカイジは、負けた際のペリカを返すために2か月分まで前借りせざるを得ず、その場合は正規の半分ほどの4万5千ペリカになる」というのである。
〈負ければ借金地獄に [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
前借り状態から抜け出すには2か月間何も使わずに堪えなければならないが、一度ビールやおつまみの旨味を知った者には到底不可能。
すなわち一度手を出してしまえばほぼ永久に抜け出すことはできず、大槻に正規の給料の半額を搾取され続ける構造だった。
カイジを借金地獄に突き落とすためにしかけてきた大槻たちとの大一番が始まる。
〈大一番へ [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
運に助けられるカイジだが…
勝負の大一番、親として最初の手番でカイジは「5の目」と、運に助けられて相当強い目が出る。
対して石和が出したのは「6・6・4」(4の目)、大槻は「5・5・4」(4の目)となり、カイジが2連勝を飾った。
〈運がカイジに味方する [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻のもう1人の側近である沼川もカイジの出目を上回ることができず、大事な勝負で完勝を収めたカイジは、一挙に4万2200ペリカを手に入れた。
しかし大槻たちはこのままでは終わらない。
「親としての手番は2度やりきる義務がある」と指摘し、カイジはもう1回、親として勝負することとなる。
大槻と石和は再び2万ペリカを賭け、あくまでカイジを潰しにかかるのだった。
〈あくまでカイジを潰しにかかる [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
まさかの大逆転で借金地獄に転落
2度目の手番、カイジはさっきを上回る「6の目」を出す。
確実にカイジに運が向いている―。
〈ここぞという時に強い大槻たち [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
誰もがそう思ったが、ここから大一番にめっぽう強いと評判の大槻たちがその本領を発揮。
石和が「4・5・6」の2倍付け、大槻が5のゾロ目で3倍付けを出し、奇跡のような大逆転でカイジは一気に借金の2か月前借り生活に転落するのだった。
〈神がかった強運の前に大敗 [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
再起のきっかけは三好のノート
2か月何も使わずに堪えればこの搾取から脱することができるが、大敗して以来カイジにそんな気力は残っていなかった。
〈心折れかけのカイジ [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
半ば脱出も諦め、無気力に労働を続けながらもともとの借金を完済するまで大人しくしようとまで考えるカイジ。
ところがある日、体調を崩した仲間が医務室に運ばれたことでその考えを改める。
〈待ち受けるのは悲惨な将来 [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
運ばれた先は医務室とは名ばかりの、簡素な空間。
地下の土埃などで肺を悪くした多くの患者たちが、薬を買う金もなくただ苦しみながら寝ころんでいる様子を見て、死に向かっている恐怖を目の当たりにする。
その日以来カイジは土埃をできるだけ吸わないように対策し、欲望を断ち切って我慢の生活を始める。
1週間程度で欲望に負けそうになるが、同じく2か月前借り生活に陥っていた三好がカイジを支えた。
〈三好がカイジを支える [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
三好は三好で賭場が開かれるたびに参加してはズルズルと負け、それでもチンチロでの大逆転を夢見て諦めない大馬鹿者だった。
チンチロには参加せず我慢する決意だったカイジは三好の執拗な誘いに聞く耳を持たなかったが、三好がつけ続けていたノートを目にしてある異変に気付く。
〈三好のノートであることに気づく [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
過去の出目を遡ることで、大槻・石和・沼川の3人がイカサマをしていることを確信するのだった。
負け組を集めて徒党を組む
イカサマを暴露したいが、その場限りで怒りを発散しても意味はない。
もっと壊滅的なダメージを与えるために考えをめぐらせるカイジは、地下チンチロのルールを利用した策を閃いた。
〈大槻を倒す策を考える [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そして大槻たちに反逆する同志を集めるため、同じく給料を2か月前借りしている通称「45(ヨンゴー)組」の仲間たちに声をかける。
カイジは大槻の悪事を内々に暴露し、一発大逆転のために同盟を組むことを提案。
〈徒党を組み逆襲へ [賭博破戒録カイジ 2巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻を倒す一度きりのチャンスに全員の全力をぶつけるため、手持ちの金を出し合って運命共同体となることをぶち上げるのだった。
【2巻のまとめ】
地下チンチロに多額を賭け一度は流れを掴んだカイジだったが、大槻とその側近である石和が勝負どころで神がかった運の強さを見せ、一気に借金地獄に突き落とされた。
給料2か月分の前借りは正規の給料の半分程度しか得ることができず、よほど我慢しなければその状態からも脱出できない沼。
敗北を喫し気力の折れたカイジ、しかし劣悪な環境に長く生活すれば文字通り身体を壊し命が危ぶまれることを察知し、再起を決意する。
そのカイジを後押しするかのように、三好が地下チンチロの出目を記録していたノートからカイジは大槻と石和、そしてもう1人の側近の沼川があるイカサマをしていることに気づいた。
単にイカサマを暴露するだけではなく、より致命的なダメージを与える策を閃いたカイジは、同じく給料を2か月前借りしている負け犬集団「45組」に声をかけ、徒党を組むのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら