前作で「人喰い沼」攻略の協力者となった坂崎の家で居候していたカイジは、その自堕落的な生活によって勘当され家を追い出されてしまう。
ちょうど時を同じくして地下の強制労働場で苦楽を共にした三好と前田と再会を果たし、カイジは一攫千金を狙うことに。
裏カジノの社長がいつも行うギャンブルのイカサマを逆手に取り、3人で社長をハメるという必勝の作戦。
社長が考案した変則麻雀「17歩」は互いに手牌を揃えたうえで交互に捨て牌を切っていき、相手にロンされたら負けという対等な勝負。
そして社長が使うイカサマは絶妙な角度に配置した部下の前田がカイジの手を盗み見て社長にサインを送るという単純なもの。
途中で帝愛の兵藤会長の息子・和也が現れるなか、カイジに興味を持った和也が命のリスクの代わりに青天井でカイジに融資をし始め、レートが跳ね上がっていく。
負けられないカイジはゲームの途中で三好と前田の裏切りに気づき、孤立無援の状況から逆転の策を閃いた。
カイジは何度も危険な状況を凌ぎ、そして1億6000万円という未曽有の大勝負に臨むことに。
ラストの勝負、途中でカイジは手牌を持って再びトイレ休憩に立ち、その千載一遇のチャンスに社長たちは全てのヤマを開けてカイジの手牌を消去法で特定しにかかる。
それを読んでいたカイジがダッシュで戻ろうとするが、部下による身体を張った時間稼ぎで不正の現場を抑えることはできず。
逆に全ての牌をデジカメで撮影した社長がカイジの手牌を特定することに成功し、圧倒的な優位に立つのだった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
心理的に優位に立った社長
カイジの手牌を丸裸にし圧倒的優位に立った社長、あとはカイジに自分のロン牌を切らせるために心理戦を仕掛けてくる。
〈デジカメで圧倒的優位に立つ社長 [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
対するカイジも並外れた洞察力と度胸で社長の誘導を躱す。
それでもカイジは社長のロン牌を読み切ったわけではなく、待ち続ければそのうち勝利が転がり込んでくると確信する社長。
自分の直感にか細いほどの理由を手繰り寄せ、粘り続けるカイジ。
〈粘るカイジ [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そして2人の決着の時が来るのだった。
カイジのトリックで大逆転
カイジに自分のロン牌のヒントを与えないため、字牌を優先して切る社長。
社長が「白」を切った際、カイジがロンを宣言した。
〈カイジが値千金のロン [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
すべての牌をデジカメで確認した社長にとっては、何が起きたかさっぱり理解できない展開。
その場で山の牌をすべて確認すると、カイジの手牌にあるものも含めて「白」が5枚あることを突き止め、イカサマを確信する。
〈イカサマを主張する社長 [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ところが、和也がこのトリックをいち早く見破った。
カイジは2つ前の勝負、自分の捨て牌候補を持ってトイレに立ったとき(※9巻参照)から既にこの状況を見越して動き始めていた。
牌の一枚に真っ白な紙を貼りつけ、デジカメで撮っただけでは「白」に見えるように偽装したものを混ぜ入れていたのである。
〈白を偽装するトリック [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
紙を貼るのに使ったのは、トイレの貼り紙に使われていた両面テープ。
2つ前の勝負が流局になった際に偽装した「白」を穴に流し込み、あとはそれが互いに使わないヤマに配置されることを祈りながら再試合も流局に持ち込んだ結果、いまその罠が芽吹いたのだった。
不正を主張する社長だが、偽装した「白」はただヤマにあっただけであり、ヤマを開けた社長だからこそかかった罠。
和也はカイジの勝利を認め、カイジの成立した役、3倍付けの4億8000万の支払いを社長に命じるのだった。
〈4億8000万円の清算 [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
全てを失い破滅する社長
あまりの大損に失禁する社長。
和也は社長の現金不足分の補填として社長の家や土地の証書を担保に抑えた。
〈見苦しい抵抗 [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
動転した社長は和也のこれまでの非道を警察に密告することをネタに和也を丸め込もうとするが、これが和也の逆鱗に触れてしまう。
通報されるリスクをゼロにするなら、身柄を攫うしかないな―。
部下にも見放された社長は、和也の指示で駆け付けた屈強な黒服たちに抑え込まれ、拉致されていくのだった。
〈拘束される社長 [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
次の相手は和也
勝負を終え、和也と共に店を後にするカイジ。
まだ命を賭けたギリギリの恐怖が身体から抜けきらず、手放しで喜べるような気分ではない。
〈和也からの誘い [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジの勝利が純粋な運だけでなくいくつもの洞察と論理の上に得られたことを知った和也は、カイジのギャンブラーとしての腕を認めその日中に自分との勝負に誘う。
カイジは意を決し、和也の誘いを受け新たな勝負に臨むこととなるのだった。
〈誘いを受けるカイジ [賭博堕天録カイジ 13巻(完)](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【13巻(完)のまとめ】
2回前の勝負で牌を偽装するトリックを仕込んでいたカイジ。
その仕掛けが最後の最後で芽吹き、見事に社長をハメて4億8000万円もの大勝を収めた。
そして文字通り命を賭けた恐怖と緊張が抜けきらないうちに、カイジの腕を認めた和也が勝負の誘いを申し入れる。
この展開も想定していたカイジは意を決し、和也との新たな戦いに臨むこととなるのだった。
次シリーズへ続きます。
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参考変則麻雀で大金を掴め『賭博堕天録カイジ』全13巻【ネタバレ注意】
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