職場でも家庭内でも立場がない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎は、ある日犬の散歩中に高校生・獅子神皓と共に宇宙人の事故に巻き込まれ、機械の身体となって蘇った。
記憶と意識はそのままに、身体のなかが勝手に機械に置き換わったことで超次元の能力を手に入れた犬屋敷だが、自分が自分ではなくなったような感覚に襲われ、自分の存在意義について悩みを持つ。
そんななか、とあるホームレスの男を暴行から助けたことで「一人でも多くの人を救う」という行為に自分の生きる意味を見出した。
一方、同じく機械の身体となった獅子神はイジメられて不登校になった親友の安堂を気遣い、自分の身体の秘密を打ち明けるのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
獅子神に恐怖を覚える安堂
安堂に自分が手に入れた能力を披露する獅子神。
遠くにいるカラスを撃ったり、電気屋のTVのデモ映像を勝手に変えたり、街で大規模な交通事故を起こしたり…。
〈交通事故を引き起こす獅子神 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
獅子神はただ安藤のことを気にかけ、不登校から立ち直ってほしいがためだけの行動だったが、あまりの力の強大さに安堂は恐怖を感じてしまう。
「イジメた奴らを教えてくれたら殺してやる」との言葉を受け、安堂は内心動揺するのだった。
〈獅子神の提案 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
人を殺すことで生を実感する獅子神
次は何をしようか考えながら帰路につく獅子神は、ある家に押し入る。
食卓で夕飯の準備をする母親、そして風呂に入っていた父親と幼い子を惨殺。
〈民家を襲う獅子神 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
さらにタイミング悪く帰ってきた女子校生の娘も脅迫しはじめた。
獅子神は他人の命を奪うことで生きていることを実感していた。
泣きながら助けを求める女子校生の悲鳴を、遠くから犬屋敷が聞き取った。
助けを求める少女と謎の男の会話を聞きながら急いで車で向かう犬屋敷だが、救出には間に合わず。
惨殺された一家の姿を見て怒りに震える犬屋敷。
〈犬屋敷は間に合わず [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
そこに、まだ家に残っていた獅子神が対峙する。
獅子神は問答無用で犬屋敷を撃つが、衝撃で倒れただけで死なない。
獅子神は思い通りにいかない初めての相手に脅威を感じながら、飛び去って退散するのだった。
〈2人が対峙 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
人の命を救いたい犬屋敷
少女を救えなかったことを心に刻みながら、男を止めることと街の平和にアンテナを張る犬屋敷。
と、サラリーマンが半グレの若者たちに絡まれているところを目撃する。
犬屋敷が見かけによらないパワーで若者たちを成敗すると、さらに遠方で火事が起きていることが聞こえてくる。
老婆が2階に取り残されているようだ。
犬屋敷は手探りで自分の身体のスイッチを見つけ、飛び方を学びながら現場へ急行する。
〈空を飛んで人命救助へ [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
消防隊もまだつかないうちに燃え盛る家の中から2人を救出し、犬屋敷は今度こそ人の命を救えたことに涙を流すのだった。
行き違いが生まれる獅子神と安堂
他方、獅子神は安堂を学校へ引っ張り出してイジメている生徒たちを特定する。
獅子神は安堂が見ている前でいじめっ子たちを狙撃し、安堂に「守ってやる」と告げた。
〈安堂の敵討ちを始める獅子神 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
しかし他人の命を何とも思っていない獅子神の言動に恐怖した安堂は、獅子神の意図に反して「距離を置きたい」と恐る恐る返す。
幼馴染からの申し出に、人の心を失った獅子神は何を想うのか―。
〈距離を置きたい安堂 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
授かった治癒能力
犬屋敷は、道路で倒れている猫を助けたことで、自分が授かった力には生き物への治癒もあることを知る。
〈授かっていた治癒能力 [いぬやしき 2巻](c)講談社/奥浩哉〉
この力を使えば、ガンや心臓病、そして身体に障害を負った人たちも助けることができる―。
人助けの幅が広がったことをさおり、犬屋敷はさっそく病院に足を運ぶのだった。
【2巻のまとめ】
手に入れた超能力を使って他人を殺すことで生を実感する獅子神は、連続民家襲撃事件を起こす一方で安堂をイジメていた奴らへの復讐を提案するが、あまりの強さと冷徹さに恐怖を覚えた安堂は獅子神と距離を置きたがるように。
他方、人の命を救うことに自分の生きる意味を見出した犬屋敷は、連続民家襲撃事件の犯人に怒りを覚える一方で火事から人命を救助。
さらに自分に治癒能力が備わっていることに気づき、重い病に苦しむ人を救うために病院へ足を運ぶのだった。
次巻へ続きます。
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