大きく重い者が絶対的に有利という相撲界の常識を覆すため、小さな力士の潮 火ノ丸が弱小の大太刀高校(ダチ高)相撲部に入部し、日本一と横綱を目指し歩み始めた。
部長の小関と元番長の五條、レスリング国体王者の國崎と、見るからにひ弱な三ツ橋を新たに加え、5人で歩み出した相撲部。
関東新人大会の個人戦では元横綱の息子・久世の前に越えられない体格差の壁を痛感し悔しさをにじませる火ノ丸、その前に親友の辻 桐仁が姿を見せ、ダチ高相撲部の監督として指揮を執ることに。
そしてインターハイでは前年の高校相撲と全日本選手権の優勝者である天王寺に個人戦では敗北しながらも団体戦ではリベンジを果たし、決勝では久世をも倒して団体戦優勝、火ノ丸は全日本選手権大会でも敢闘し、念願の角界入りの資格を掴み取った。
後に国宝世代のライバルたちも続々と角界入りする一方、一足先に柴木山部屋に入門した火ノ丸は新たな四股名を「鬼丸」とし、順調なプロデビューを飾るが、右腕を負傷し長期休業を余儀なくされてしまう。
そして二年後、国宝世代らが集う本場所にリハビリを乗り越えた鬼丸も復帰。
しかし歴代一位の優勝回数を更新した最強横綱の刃皇はライバル不在の状況を嘆き、「次の本場所で優勝したら引退する」と突如宣言。
鬼丸とダチ高相撲部のマネージャーで五條の妹であるレイナが交際をはじめた一方、打倒刃皇に向けて部屋の垣根を越えた合同合宿で、ライバルたちと共に実力を高め合っていくが、合宿中に柴木山部屋の薫丸が天下三名槍の1人・蜻蛉切との稽古中に重傷を負う事件が発生。
全く悪びれる様子を見せない蜻蛉切に怒りに燃やす鬼丸は、地方巡業での花相撲で蜻蛉切との取組を制し敵討ちを果たし、刃皇の引退がかかった本場所を迎えた。
鬼丸は上位陣と総当たりすることとなった鬼丸は初日から国宝・大典太と激突し壮絶な打撃戦を繰り広げることとなる。
自らの命を顧みず勝利への執念と殺気を高める鬼丸は勝利を挙げることができるのか―。
23巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
大典太を下し、2日目に早くも刃皇に挑戦することに
鬼丸が捨て身で右腕を使った投げを仕掛け、危ない落ち方をしながらも大典太に勝利。
大典太がまだ1敗と前を向くのとは対照的に、鬼丸は初日にもかかわらずボロボロに消耗している。
鬼丸は命をすり減らしながら本場所の15日間を戦い抜く覚悟のようだ。
初日はその後ほぼ順当に勝敗がついていき、横綱・刃皇もハワイ出身の巨漢力士・大兜をを難なく押し出し。
そして鬼丸は2日目に早くも刃皇に挑戦することになるのであった。
鬼丸vs刃皇
身を滅ぼしそうな鬼丸のために何ができるか悩むレイナは、由美を頼って本場所中にも関わらず刃皇のいる朝陽川部屋を見学に訪れる。
そこで悩みを打ち明けると、刃皇は鬼丸に心の余裕が全く無くなってしまっていることを理解し、「女の子を泣かせる鬼丸が間違っている」と、自ら鬼丸を懲らしめて改心させると決意。
鬼丸にとっては恩師である駿海が存命であるうちに打倒・刃皇を果たすためいっそう気合が入っていたが、刃皇はあえて胸を貸しながら鬼丸と対話するかのように身体をぶつけ合う。
これまで自分を支えてきたことを自覚し、プロならば相撲で周りの人間を笑顔にして見せろ。人を幸せにするにはまず自分が幸せになること。
刃皇は「全力士の頂点である大横綱と結びの一番で相撲を取るという力士にとって最高の誉れこそ幸せだろう」と説き、自分をいつも応援してくれていた亡き母をはじめ周囲の支えを思い出した鬼丸の表情が和らいでいく。
殺気も薄まって集中力が研ぎ澄まされ、使えないはずの右手を刃皇の廻しに伸ばす。
鬼丸が改心したことを悟った刃皇は満足し、鬼丸は粘りを見せようとするも為すすべなく土を付けられた。
この敗戦を糧にできるかどうかは鬼丸次第。
しかしその表情は重く、調子を崩した鬼丸は翌日も数珠丸に一気に寄り切られて痛い2敗目を喫してしまうのだった。
レイナたちが鬼丸を支える
2敗目で早くも優勝争いからの脱落が濃厚となった鬼丸は塞ぎこんでしまうが、見かねたレイナが力ずくで鬼丸を外に連れ出す。
向かった先はラブホテル。
勇気を出して鬼丸に本心を打ち明け、鬼丸もレイナへの愛を改めて認識。
そこでレイナが鬼丸の実家からもらっていた母親からのビデオレターがきっかけとなり、辛いことを隠して強がっていた鬼丸をレイナが包み込んでいく。
鬼丸はレイナのおかげで心が少し軽くなった。
五條やアメリカのマイナーな格闘技団体でチャンピオンとなった國崎ら、かつてのダチ高の仲間らも翌朝には鬼丸とレイナのもとに集結し、鬼丸はみなに支えられながら全力で戦い抜く覚悟を固める。
まだ2敗、崖っぷちではあるが他のライバルたち総出で刃皇が2敗すれば優勝決定戦にもつれ込む可能性もまだ残されているのであった。
【23巻のまとめ】
捨て身の相撲で国宝・大典太を破った火ノ丸は、2日目に早くも刃皇に挑戦することに。
悲壮な覚悟と裏腹に公開稽古のような相撲で為すすべなく敗れた鬼丸は敗戦のショックを引きずり翌日も連敗してしまう。
優勝争いからも遠ざかる絶望と孤独のなか、鬼丸を救ったのはレイナとダチ高時代からの仲間たちだった。
再び前を向く鬼丸、崖っぷちではあるが他のライバルたち総出で刃皇が2敗すれば優勝決定戦にもつれ込む可能性もまだ残されているのであった。
次巻へ続きます。
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