大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えた亜人。
物理学を専攻している助教の相馬や文化人類学の教授・紙村あきらの協力も得ながら様々なオカルト騒動解決の手助けをすることとなる。
1巻では隙間女、メリーさん、ぬりかべの騒動を解決し、メリーさんの正体である「やまびこ」も同居することに。
そして小学生の知り合いであるメグミという少女やざしこが「トイレの花子さん」に拉致されかけているところに出くわした陽子。
ちょうど亜人課の刑事である宇垣とクルツが謎の連続失踪事件を捜査中で、陽子にも話を聞きに来るのであった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
花子たちを引き連れていたビッグママ
花子たちに連れ去られようとしているざしこを慌てて助けた陽子とやまびこ。
すると花子達からビッグママと呼ばれる車いすの老婆が姿を現し、花子たちを引き連れて退散していった。
そこに連続失踪事件を追っている宇垣刑事とクルツが現れ、陽子は捜査への情報提供として花子たちによって異空間に連れ去られている可能性を示唆する。
事件の解決は警察の仕事であり、抱え込んだり首を突っ込みすぎたりしないようにアドバイスされたものの、メグミのことが心配だった陽子は自らメグミに声をかけ、友達になることにした。
そして改めて2人で学校のトイレへと出向き、安心して暮らすためには相手ときちんと話し合うべきと、花子さんを呼び出すのであった。
亜人たちを保護する同盟を組む
学校のトイレにはビッグママも姿を現し、陽子と話し合うことに。
ビッグママによれば、異空間にいる子供たちはもともとの成長の過程で普通の人間から亜人となり、孤独や不安を抱えていたが、心の整理がつくまで異空間で「保護」しているのだという。
異空間ならば誰からも非難されることもなく、同じ亜人であるビッグママに相談することもできる。
緊急時を除いては基本的には親と話を付けた上で保護しており、トイレの花子さんと噂がたったのは元の世界に帰った後も異空間に遊びに来た子がトイレに入って姿を消したことによるもの。
そして異空間とのゲートは狭い空間でしかつなげることができず、どこにでもあるトイレという空間がゲートに最適なのだという。
ざしこを連れ去ろうとしたのはざしこが部屋でひとりぼっちで孤独を抱えていると勘違いしたからであり、メグミについては陽子の亜人の匂いが移って亜人と勘違いしたからだった。
性質が特に濃いバンパイアの少年もビッグママのもとで暮らしており、ビッグママたちへの誤解が解けたことで一件落着。
ビッグママは逆に陽子がその身一つで異空間に移動する特別な能力を持っていることを自覚するように忠告し、亜人を助ける同志として協力することに。
陽子とざしこも無事に仲直りするのであった。
狐火の亜人からの相談
ある雷雨の日、陽子の友人のカスミは自宅の窓から見えた謎の発行体について陽子に相談し、陽子もそれを目の当たりにした。
翌日、陽子は街中で狐火の亜人に話しかけられる。
彼女は普通の人には見えないらしく、雷などで電気がある程度蓄積されると火球化する性質を持っているらしい。
そして彼女は火球となって散歩している際にあるマンションの窓に自分の体が普段の姿で映ることに気づき、その部屋の住人と仲良くなった結果、言葉は聞こえないが口の動きだけで会話するうちにお互いに好きになった。
そのうち結婚したいと願うようになり、こちらの空間に移動することが夢だという彼女。
話を聞いた陽子は相馬に相談し、相馬はプラズマを例示したうえで実際に姿が移ったというマンションの部屋を見てみることになるのだった。
次元を超えて夫婦に
1週間後、雨の日にその部屋をお邪魔すると、部屋の住人は人とのコミュニケーションが苦手そうな鈴木という根暗の青年がいた。
部屋も汚く、窓ガラスにも大量の埃がついていたことで逆に狐火の火球が近づいた際にプラズマテレビのように姿が映ったのだろう。
となれば、彼女がこちらの空間に出てくることもできるかもしれない―。
しかしそんなとき、鈴木は「自分は彼女と釣り合わないから彼女には出てきてほしくない」と口にし、ひとりで結婚を目指して舞い上がっていた彼女はショックを受けてしまう。
そして気を取り直した彼女が鈴木に最後の別れを告げた際、マンションの近くに落雷が。
その結果、雷の影響で偶然にも彼女がこちらの空間に移動することに成功し、2人は直接声を聞くことができた。
目が覚めた鈴木は改めて彼女に告白し、「結婚しよう」といって抱き着きながらキス。
彼女に触れたことで鈴木もプラズマ化し、同じ狐火の亜人となって2人で異空間へと舞い上がっていくのだった。
口裂け女の正体は亜人?
夏祭りの会場に来た陽子は、「口裂け女」が出たことでパニックとなったところに出食わす。
口裂け女が何かの亜人ではないかと考えた陽子は、見慣れないというだけで「怪物」呼ばわりされた彼女を心配して思い悩む。
するとその様子を見たやまびこは、周囲の半径300メートルの音を集めて彼女の居場所を探り当て、翌日に陽子は彼女の元を訪ねることに。
彼女の名は天倉花凛といい、姉の有花は普通の人間。
花凛はうまれつき体温が極端に低いものの雪女ではなく、自分が何の亜人かもわからないまま育ち、小学校の時にも口裂け女と怖がられた結果、マスクを付けていないと不安で過ごせないという。
しかし有花は過去に火事に巻き込まれたときに妹のおかげで火傷もなく生き残ることができたことを明かし、「妹は絶対に危険な亜人なんかじゃない」と断言。
話を聞いた陽子は紙村に相談し、その正体が「サラマンダー」という精霊の亜人である可能性を突き止めた。
相馬の力も借りて「口裂け女」と怖がられる現象についても分析すると、空気の温度差や密度によって発生する蜃気楼を例にしながら、花凛の呼気に含まれる冷たい水分に光があたって屈折した結果だという仮説が浮上。
それを聞いて閃いた陽子は、花凛たちを再び夏祭りに連れ出し、祭りの最終日の打ち上げ花火で名誉挽回する策に出る。
花凛がシャボン玉で冷気を上空の広範囲にばらまき、同様にぬりかべの亜人にも協力してもらってUVレジンを暗幕として展開。
そして地上から花束を大きな蜃気楼として夜空に浮かび上がらせ、花火と共に華を添えて見せた。
イリュージョンは大成功を収め、花凛は祭を華やかにした功労者として陽子と共にネット記事にも載るのであった。
ざしこのお留守番でトラブル発生?
夏休み、陽子は紙村から民族伝承の現地調査の助手に急に駆り出されることとなり、遊ぶ約束をしていたメグミは陽子の家の前で待ちぼうけをくらう。
そこに偶然クラスメイトの男女2人が姿を現し、誤って陽子の家の窓から中に入ってしまったサッカーボールを取りにお邪魔したいと言い出した。
中にいたざしこは鍵を開け、サッカーボールを置いて取ってもらうことでやり過ごそうとするが、残念ながらクラスメイトたちはひとりでに鍵が開いたことや誰もいない部屋の中から音がすることに気付いてしまう。
男の子が正体を確かめようと興奮する一方、怖くて泣き出してしまう女の子。
陽子がいないなかで勝手に部屋に入ることをためらっていたメグミは勇気を出して「もう出ようよ」と声をかけ、クラスメイトたちとの距離を縮めつつ事態を収拾。
ざしこも事なきを得るのであった。
【2巻のまとめ】
トイレの花子さんたちのボスであるビッグママと話し合いの場を持った陽子は、彼女たちが人間社会に上手く馴染めない亜人の子たちを異空間で保護していたことを知り、共に亜人を助ける同盟を組むこととなった。
そして陽子は狐火の亜人の女性の相談に乗り、彼女が想いを寄せている人間との次元を超えた恋を手助け、2人は共にプラズマ化した狐火の夫婦となって異空間へと舞い上がっていった。
さらに口裂け女として恐れられていた花凛という少女が害のないサラマンダーの亜人であることを突き止め、その汚名を晴らすことにも成功するのであった。
次巻へ続きます。
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