この世は不思議なものばかり!! 心霊、妖怪、超科学、都市伝説など、あらゆる"オカルト"の裏には、どうやら「亜人」の存在が…!?
語りたくても語れないオカルトちゃんたちの声が陽子とざしこに届く時、未知なる世界のトビラが開く。
日々の高校生活の中で繰り広げられる、個性的な亜人たちとの交流で織り成される学園サイエンスコメディー「亜人ちゃんは語りたい」のスピンオフ作品。
原作の主人公の姪で座敷童子のざしこと同居する大学生の高橋陽子と、物理学の助教授で変人の相馬を主人公として様々なオカルト的事象に巻き込まれながら考察・解決を図っていく物語である。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
妖怪・隙間女に悩む友人を救え
この世には語りたくても語ることのできない、オカルトがある。
大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えている。
ある日、陽子は大学の友人から「たとえ部屋の中であっても、四六時中誰かから監視されているような気がする」という悩み相談を受け、その部屋を見に行くことに。
するとゴミ箱のゴミの隙間から得体のしれない顔がこちらを向いているのを見つけ、ギョッとした。
怖がる友人を自宅に泊めることにすると、ざしこも何かに警戒している様子。
物理学を専攻している助教の相馬に相談してもオカルト的な事象へのヒントは掴めなかったが、相馬が紹介した文化人類学の教授・紙村あきらはその話を聞いて「隙間女」という都市伝説を挙げた。
隙間女はその名の通り、狭い隙間に入り込んでじっとこちらに視線を向けてくるというもの。
話を聞いた相馬は、隙間女は存在自体が別の空間にいる亜人の一人で、身体が粒子体で構成されているために空中では霧散するが、狭い場所では密集して姿を観測できるようになるのではと推理。
正体のヒントを得た陽子は、その隙間女がこちらに何かを訴えかけようとしているのではと考え、ボウルを手に実験することに。
するとボウルの湾曲した表面に隙間女の本来の顔が現れ、ボウルを振動させることでその声も聴くことができた。
隙間女の正体は中学までの大親友だった波江という女性であり、友人はその死を知って落胆しながらも笑顔で旧交を温める。
伝えたいことを伝えられない隙間女のような亜人の手助けをできたことに喜びを感じる陽子。
陽子もまた亜人であり、異空間にいる亜人やこの世の中のかたちに触れることができるという能力を持っているのであった。
怪談メリーさんの正体は…?
座敷童子であるざしこは陽子以外の人間には見ることはできず、陽子の部屋から外に出ることもできない。
ざしこを置いて外出した陽子は、ある少女から「メリーさん」という昔の怪談話が最近流行っていることを知る。
メリーさんはある日突然電話をかけてきて、だんだんとその居場所が自分に近づき、最後に自分の背後に辿り着かれて殺されてしまうというもの。
そして陽子が帰宅すると、2年以上充電していないスマホに謎の電話があり、謎の人物から近所にいることを告げられてしまう。
そのスマホを持って相馬に相談しに行くと、相馬の目の前で再び謎の人物から電話が入った。
充電が無くてもおかまいなしで、電話の履歴もなく通話が始まったことから、相馬は指向性音響のような技術で相手が音をぶつけてきているのではと推理。
しかしその説の場合は着信があるというメリーさんの伝承とは異なることとなる。
相手の正体がメリーさんなのかどうかもわからないまま、帰り道ではその電話の主はどんどん近づいてくる。
偶然そこを通りがかった紙村に助けを求めると、陽子はその正体を見事にいい当てた。
その正体はメリーさんではなく、「やまびこ」。
敵意はなく、台風ラッシュで住処だった山が崩れて都市部に出てきて、コミュニケーションを取ろうとしていたらしいのである。
世の中の音や声を蓄積することでしか話すことができず、できるだけ積極的かつ自然に人間に話しかけようとした結果、スマホに無理やり電話を入れる行為に至り、それがメリーさんという誤解を生んでいた。
陽子に接触したのは、陽子がざしこと暮らしているのを見て自分にも耳を傾けてくれるのではないかと思ったからとのこと。
話を聞いた陽子は自分の部屋にざしこの話し相手としてやまびこが住むことを許可し、同居人が1人増えたのであった。
妖怪ぬりかべ
大学の友人たちに誘われて夜の公園に花見に来た陽子。
しかしトイレに行った1人の友人がなかなか帰ってこず、男子たちが捜索に行ったところで解散に。
翌日、その男子は無事に見つかっていたが、「真っ黒くてブニブニしたものに覆われて出られなくなっていた」という奇妙な話を語る。
その奇妙な話は他の男子も経験したことがあるらしく、紙村に相談した陽子は「ぬりかべ」という九州に伝わる妖怪の可能性に行き着いた。
早速紙村と一緒にその公園へ出向くと、陽子にしか認識できていない少女が「ごめんなさい」と言いながら真っ黒いものに包まれて姿を消す。
陽子から隅々まで話を聞いた相馬は、UVレジン(光硬化樹脂)という、紫外線のA波で急速に固まる素材を例に出し、その少女の亜人の呼気で水溶性のUVレジンが排出され、月光による紫外線のA波で固まったことで硬化したのではと推理。
話を聞いた陽子はぬりかべの少女が消える前に「私も仲間に入れたらいいのに」と言っていたことが気になり、紙村と相馬も招いて再び夜桜の花見を企画。
UVレジンが硬化する性質を利用して器具を揃え、陽子がスイッチを入れると、その少女の姿が硬化して皆にも観測できるようになった。
その声を陽子が代弁し、皆と一緒に花見と言う少女の願いを叶えたのであった。
トイレの花子さんが小学生を拉致?
ある日、両親が共働きの福坂メグミと言う小学生の少女に巻き込まれる形で従姉妹という設定で授業参観に行くこととなった陽子。
しかしメグミがトイレに行った際、トイレの花子さんにメグミが連れ去られようとしているのを目撃してしまう。
花子さんはそのままメグミを放して消えていったが、相馬に相談すると異空間を出入りできる能力を有しているという推理を得た。
ちょうど実験と称してざしこを部屋の外に引っ張り出そうとしてざしこと喧嘩していた陽子は、同じ異空間系であるデュラハンの亜人・町京子にも話を聞いてもらいながら、まずはざしこと仲直りをするべきと考えて帰宅。
するとざしこが数人の花子さんたちに襲われているところに出くわす。
そして亜人課の刑事である宇垣とクルツ(インキュバスの亜人)も連続失踪事件を追って陽子に話を聞くべく、その自宅に張り込んでいるのであった。
【1巻のまとめ】
大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えた亜人。
物理学を専攻している助教の相馬や文化人類学の教授・紙村あきらの協力も得ながら様々なオカルト騒動解決の手助けをすることとなる。
この巻では隙間女、メリーさん、ぬりかべの騒動を解決し、メリーさんの正体である「やまびこ」も同居することに。
そして小学生の知り合いであるメグミという少女やざしこが「トイレの花子さん」に拉致されかけているところに出くわした陽子。
ちょうど亜人課の刑事である宇垣とクルツが謎の連続失踪事件を捜査中で、陽子にも話を聞きに来るのであった。
次巻へ続きます。
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