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バトルシップ勝負に幕、記憶を失った蜂名と貘の過去に迫る『嘘喰い』29巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。

さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知り、廃ビルでの命懸けの脱出勝負に勝った貘は、全てを凌駕する暴力を持つ別人格の怪物・ロデムを宿すマルコを仲間に加え、賭郎の会員権や大金を得た。

賭郎の会員権を梶に譲った貘はさらに賭郎の能輪立会人の手配で新たな賭郎勝負の場を設定してもらうこととなり、貘と顔なじみである立会人の夜行妃古壱が梶の専属につくなか、富士山中のトンネルでテロリストの佐田国との賭郎勝負に勝ち、お屋形様との取引で再び賭郎会員に復帰。

しかしその裏ではお屋形様の思惑通り警察以上の力を持つ新組織成立へと動き始めており、さらに賭郎の乗っ取りを企む米国の犯罪組織「アイデアル」も実行部隊リーダーである暗殺者カラカルが暗躍する。

貘は警察とグルになって未解決事件の犯人をでっち上げるための迷宮ギャンブルを利用して自分が屋形越えに失敗した事実を無かったことにし、さらにイカサマを読み切って勝利を手繰り寄せ、合計11億円とこの迷宮ギャンブルに関与していた警察関係者の名前として天真という男の名前を得た。

貘の命を狙ってその天真とその部下である密葬課の箕輪が現れ、この迷宮ギャンブルの関係者のデータが入ったLファイルを賭けて門倉が仕切る勝負が行われるが、これにも勝利して天真からLファイルを獲得する。

他方、梶は自らの力で無実を証明すべく立ち上がり、貘から得た情報で殺人事件の真犯人である羽山邸へと潜入、羽山家に取り入るヤクザの鞍馬と滑骨の代理戦争に巻き込まれる形で完全な証拠を賭け、梶・カール・郁斗の3人で「ファラリスの雄牛」の勝負。

焼かれたカールが瀕死の重傷を負うが、カールとの協力もあり梶が最終的に勝利して事件の証拠を獲得、負けを認めようとしなかった滑骨は屋敷の外で伽羅によって葬られるが、伽羅は滑骨が契約していた伝説的ボディーガードのキョンホ・ジョンリョに狙われることとなり、姿を消した。

貘は梶が獲得した証拠と犯罪者が載るLファイルを使い、テレビ局を乗っ取って生放送での暴露番組を企画、賭郎勝負としてスタジオには弥鱈立会人が目を光らせるなか、番組ではゲストたちがパネルと共に事件の犯人として暴かれていき、貘はゲストの中に潜ませていた梶と共謀して500億もの大金をゲストから巻き上げることに成功。

放送市場類を見ない番組を終えた貘はさらに電波ジャックを継続し、Lファイルを利用して賭郎が用意した搦手の人員を各所に受け入れさせ、500億と合わせて屋形越えの権利に手をかける。

搦手が成立するまでの時間稼ぎとして旧電波塔である帝国タワーで賭郎勝負を始めたが、相手として現れたのは零號立会人の切間撻器を連れた謎の男・捨隈。

2人の戦いはアイデアルのカラカルとマーティンや鞍馬組も割り込み混沌とした戦いとなるが、アイデアルの工作員だった捨隈の思考をも看破した貘が勝負を制した。

他方、タワーの外では賭郎と警察が互いの代表による激しいバトルが繰り広げ、搦手の成立と笹岡副総監の死によって決着し、密葬課は解体、真鍋と三鷹の2人は賭郎に吸収されることとなる。

零號の称号を賭けた號奪戦でも死力を尽くした妃古壱が撻器から勝利を挙げ、貘が賭けに勝ったものの、その勝負の裏で貘の500億がアイデアルに横取りされてしまう。

さらに持病の記憶喪失を起こしたお屋形様がかつてお守役だった栄羽と合流すべく、賭郎の追っ手を振り切って行方をくらませた。

お屋形様の表の顔である内閣調査室の蜂名直器と面識のあった防衛省の大船額人が逃走を助け、額人が追う武器密輸事件の捜査に協力することとなった蜂名は、密輸の受渡場所であるジャルード号を特定し、額人と共に潜入。

一足先に兵器入りのコンテナの場所がわからなくなるよう蜂名は妨害工作を開始する一方、乗船した額人はブリッジで協力者で新聞記者の横井と、偶然巻き込まれた梶が拘束されているのを発見。

そして梶は額人とレーシィ船長の勝負に賭郎による立ち会いを提案し、防衛省からの応援が期待できないなか、額人とレーシィによる賭郎勝負「バトルシップ」が始まった。

序盤はリードする額人だったものの、レーシィの巧妙なイカサマによって追い詰められる額人だったが、強運や蜂名・梶のサポートに助けられて何とか踏みとどまる。

バトルシップ勝負はついに大詰め。

冷静さを取り戻し、全てを読み切った額人の運命のラストターンが始まるのであった。

 

29巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

モニターの高さすらもトリックの1つだった

後がない額人が狙ったのは、既に一度ミスしている最上段左隅のマス。

そして今度はヒットし、潜水艦を沈めることに成功する。

レーシィはボディチェックで額人が手をあげたときの高さを測り、ギリギリ手が届くか届かないかの高さにモニターを調整していた。

さらにルールではヒットかどうかはマスが当たったかではなく、正確にはマスに配置された船に当たったかどうか。

レーシィはマスの上側に潜水艦を配置しており、額人は初め何気なくマスの下寄りにタッチしたことでミスとなっていたのである。

このカラクリに気づかせないために梶や横井を遠ざけ、巧妙かつ堂々とルールを説明していたが、ついに辿り着いた額人。

最後の潜水艦の場所も同じように上段右隅だと推理し、そこをタッチ。

その推理は当たっていたものの、レーシィは寸前でモニター自体の高さを操作し、結果として額人のタッチはミスとなってしまうのだった。

額人が力ずくでレーシィ制圧へ

最上立会人の判断は、レーシィの行動は暴力禁止というルールには抵触せずOK。

最後に足をすくわれる形で額人はバトルシップに敗れ、取り決め通りに船の出港が決まる。

しかし賭郎勝負が終わったことで暴力禁止のルールも無くなった今、額人は力ずくでレーシィに攻撃。

額人、横井、梶の安全は保証せず船の出港だけが約束であり、侵入者の捜索に部下を出してしまっていたレーシィは、呼び寄せようにも通信手段は自分で破壊してしまっている―。

船内ではボヤ騒ぎが起こるなか、額人とレーシィがブリッジで戦闘に入るのだった。

船からの撤収

梶と横井は船から海へ飛び降りて逃走。

梶は黒服の1人である相馬千聖に気に入られたらしく、個人的にケータイを借りることができた。

他方、ブリッジでは額人がレーシィを絞め落とすが、そのまま出港を阻止しようとしたところで最上立会人に気絶させられてしまう。

気絶した額人は船倉に入れられ、賭郎が撤収。

蜂名も脱出したのであった。

悪夢から解放されたレーシィ

目を覚ましたレーシィの脳裏には悪夢が甦っていた。

かつて妻が海に沈めかけ、その後養父からも捨てられた娘のヴォジャが、男に連れられて家を訪ねてきた日から始まった悪夢。

レーシィとその妻がダイヤモンドを身に付けていることに怒った男は、ヴォジャが妻を指差すと妻を殺害し、レーシィの喉も裂いた。

そして生かされたレーシィはヴォジャと家族として共に生きながら、ヴォジャの欲望を満たすために裏の世界に身を置くこととなる。

ヴォジャの死によって、レーシィは殺し続ける悪夢から解放されたのであった。

蜂名とアイデアルのボスが面会へ

出港後、ジャルード号が転覆したことが報道される。

バラスト水を操作して転覆を仕組んでいたのは蜂名。

さらに蜂名は額人の身柄を救出していた。

額人はこのあと行方不明、死亡として処理され、揉み消された機密漏洩事件の黒幕として利用されることになるだろうが、横井の協力や城道の電話相手などから防衛省内に潜む真の黒幕を暴くことができる。

ヴォジャのケータイを使ってバラストポンプ室への入室を禁止していた蜂名だが、そこにヴォジャの面倒を見てきた男から連絡が入った。

その男はアイデアルのボスであり、富士での勝負の後にもミサイル発射をもちかけてきた人物だった。

蜂名は記憶を失っているが、レーシィたちの敗北を知った男は、貘と梶の名前を出しつつ、貘と梶が奪われた500億の代わりに自分がレーシィに預けていたダイヤを狙っていたのではないかと推測する。

蜂名は断片的に情報を繋ぎ合わせながら、ダイヤは今自分が持っていることを明かすと、男は直接面会を申し入れる。

その申し出を受けた蜂名は、まず自分の記憶を取り戻すためにある場所へと向かうのであった。

蜂名の記憶探しが始まる

蜂名が向かったのは和向奴書房という書店。

そこで栄羽が自ら書いた「はちの王子さま」という絵本を蜂名として注文するのが、記憶を失った際に栄羽と会うための合図であり、数日前に注文していたのを取りに行くところである。

蜂名自身は覚えていないが、このやり取りは以前にもあった。

当時蜂名は同じように注文した「はちの王子さま」を受け取りに行ったところで、ある男が絵本の横取りに入る。

そして今回も同じように、蜂名の手に絵本が渡る前に横取りが入った。

そのどちらも、邪魔しにきたのは貘なのであった。

貘と蜂名の個人的な勝負

以前貘が横取りを試みた際には、蜂名は手っ取り早く追い払うために「今すぐここで100万払ってくれるなら譲ってもいい」と吹っ掛けるが、その場で本当に貘が100万を支払いつつ、ある賭けを申し出た。

勝負の内容は、書店の中から順番に5分以内に本を選び、店主がより価値が高いと判断した本を選んだ方が勝ちというもの。

先攻後攻を決めるために本のページめくりでミニゲームをするが、互角の勝負を繰り広げ、僅差で上回った貘が先攻を取った。

貘は蜂名も狙っていた希少価値の著しく高い古書「愚匿」を選択。

対する蜂名は病死した人気女優が別名で出していた幻のセミヌード写真集にプレミア値がついていることをラジオで聞き、その写真集を手に取る。

店主は悩みつつセミヌード写真集のプレミア値が愚匿よりも高くなったことを知るが、本屋を営むプライドから自分の目利きを信じ、愚匿をより価値のある本として判定。

セミヌード写真集の帯の裏には謎の落書きがあったことも影響し、ゲームは貘の勝ちとなった。

貘が帯に落書きしたことを見抜いていた蜂名は、「はちの王子さま」を見せてくれるまで貘に付きまとうことを宣言した。

そして時は今に戻り、店主は変わったもののまた貘は大金を餌に「はちの王子さま」の絵本を横取りしていた。

ここでまた貘は、何も覚えていない様子の蜂名に賭けをもちかける。

貘はこの書店の店主が変わった際に店ごと買い取って営業を続けており、注文書から「はちの王子さま」が注文されたらわかるようにアンテナを張っていた。

蜂名は目の前の男がアイデアルのボスから名前が上がった相手であることを知り、警戒を強める。

貘がかつて相手し行動をともにした時とはまるで別人となった蜂名との勝負が始まるのだった。

かつて貘と行動を共にしていた「ハル」

時は遡り、貘は付きまとう蜂名にコンピューターみたいに優秀な頭脳を持っているという理由から小説にちなんで「ハル」というあだ名をつけた。

当時賭郎会員として零號の伽羅と共に連勝街道まっしぐらだった貘は、カジノでの賭郎勝負である企業オーナーの息子をカモにする。

有り金も会社の金も、会社の支配権まで奪い取った貘にいつしかハルも惹かれて自ら行動を共にするように。

一方、ハルが記憶をなくし行方をくらませたことを知った栄羽は、「はちの王子さま」を注文しながらも姿を見せない蜂名(ハル)を待つのであった。

【29巻のまとめ】

レーシィのイカサマを見抜いた額人だったが、勝負はレーシィが勝利する。

敗れた額人は蜂名に救出され、梶や賭郎たちが脱出した後に蜂名の工作によって船は沈没した。

その蜂名とアイデアルのボスが接触し、直接対峙することが決まる。

その前に蜂名は失った記憶を取り戻すべく、栄羽が描いた絵本を求めてとある古本屋を訪れた。

しかしその絵本を巡って貘とゲームをすることに。

過去にも同じ場所で絵本を巡った勝負を繰り広げられていた貘と蜂名。

共に行動したこともある2人の過去がいま明かされるのであった。

次巻へ続きます。

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