中学校ではいじめられっ子だった柄本つくしは、入学した聖蹟高校のクラスメイトにしてサッカーの天才・風間陣と偶然知り合い、仲間とサッカーすることの楽しさを知ったことで一緒にサッカー部に入部する。
初心者のつくしは全く練習についていけないが、仲間と一緒にサッカーがしたいという想いと根性がいつしか同級生たちにも伝播していき、練習は全然でも不思議とつくしに人望が集まり始めていった。
つくし自身もいつしか自分の無力さ、「レギュラーとして試合に出たい」という欲、仲間と競争することへの抵抗など悩みを抱え、試行錯誤の末に自分を殺してひたすらに走り回ってボールを繋ぐ献身的なサッカースタイルにたどり着く。
そして3年生にとって最後の公式戦である選手権が開幕し、聖蹟は東京の絶対王者・東院を破って劇的な勝利を挙げ、全国大会への出場を勝ち取った。
トーナメント抽選の結果、聖蹟は今年のインターハイを制しプロ入り内定者（通称「十傑」）を3人も擁する梁山高校やU-18日本代表の正GK砂山擁する音羽高校、さらにライバルの桜高と同じ死のブロックに入る。
そして部内の紅白戦を経て全国大会が開幕、聖蹟は初戦で風間が過去に因縁を抱える由比ヶ浜を完璧な試合運びで撃破。
2回戦の相手は2年生ながら十傑の1人である相庭未蘭を筆頭に攻撃面だけなら梁山にも匹敵する一星学園。
互いに攻撃力抜群のチーム同士の攻め合いとなり、聖蹟が大柴の個人技で先制点を奪うも、一星は相庭が圧巻のプレーで臼井を抜き個人技で同点ゴール。
1対1で絶対の自信を持っていた臼井ですらも止められない相庭、果たして聖蹟は攻め合いを制することができるか―。
17巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
臼井の大乱調、守護神猪原が粘りの守備で持ちこたえる
臼井がやられたことで気負い過ぎた水樹を君下がクールダウンさせる。
対する一星は徹底的に相庭にボールを預け、再び臼井がマークする。
本来なら臼井は攻撃的な守備で飛び込んでいくが、相庭を警戒してか引き気味に。
ミドルシュートも織り交ぜながら怒涛の攻撃を見せる一星に対し、聖蹟は猪原とつくしが懸命のディフェンスで粘る。
風間とマッチアップする一星の新納も積極的に個人技で仕掛けてくる。
負けじと風間も新納を抜いてクロスを上げるが、ビッグチャンスに大柴が空振りして得点ならず。
君下や水樹も強烈なシュートでゴールを脅かすがゴールネットを揺らすことができず、一星も相庭が個人技で攻めるが猪原がビッグセーブを連発。
まだ臼井が精神的に立ち直っていないのか絶不調のなか、聖蹟はセンターバック新渡戸を投入する準備を始めた。
臼井の乱調を受けて君下は珍しくディフェンスラインを気にし始め、水樹は自分が攻撃の脅威であり続けることを選択。
その一方で猪原は「自分が負けなければチームは負けない」と、不動の信念で臼井の復活を信じて粘り続けるのだった。
猪原が負傷交代するアクシデント、ついに臼井が復活
ところが前半32分、成績にアクシデントが襲う。
この試合ビッグセーブを連発していた猪原が相手と交錯した際にゴールポストに頭を打って脳震盪により負傷交代。
ここで聖蹟は猪原に代えて1年生GKの今帰仁を、ボランチの佐藤に代えて新渡戸を投入する賭けに出る。
ディフェンスラインの統率と連携を新渡戸が担い、絶不調の臼井には「相庭を止めろ」というシンプルな伝言のみ。
仲間からの絶大な信頼を背に吹っ切れた臼井は相庭に密着マンマークにつき、ついに1対1で相庭を止めて見せるのだった。
聖蹟が貴重な勝ち越しゴールを奪うが、つくしが既に体力の限界…？
臼井が相庭のマンマークについたことで中盤とディフェンスラインの間に大きなスペースが空いてしまうが、聖蹟はつくしをボランチに下げて豊富な運動量でカバーする。
そしていち早く危険を察知したつくしが相手のパスを奪い、一気にカウンターのチャンスが到来。
速攻からゴール前に走り込んだ君下が大柴を囮に自ら切り込み、ゴールをこじ開けた。（前半終了間際 聖蹟2-1一星）
ここで前半終了となるが、このときつくしの身体に異変が。
広範囲に走り回ったつくしは、既に体力の限界が近いのであった。
【17巻のまとめ】
相庭を止められなかったことで臼井がまさかの大乱調に陥るなか、聖蹟は守護神猪原がビッグセーブを連発し、チーム一丸となって粘りの守備を見せる。
ところがその猪原までもアクシデントで負傷交代、この大ピンチについに臼井が復活した。
前半終了間際に聖蹟が君下のゴールで勝ち越しに成功するも、広範囲に走り回ったつくしは既に体力の限界が近い状態。
果たして聖蹟は試合を制することができるのか―。
次巻へ続きます。
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