中学校ではいじめられっ子だった柄本つくしは、入学した聖蹟高校のクラスメイトにしてサッカーの天才・風間陣と偶然知り合い、仲間とサッカーすることの楽しさを知ったことで一緒にサッカー部に入部する。
初心者のつくしは全く練習についていけないが、仲間と一緒にサッカーがしたいという想いと根性がいつしか同級生たちにも伝播していき、練習は全然でも不思議とつくしに人望が集まり始めていった。
つくし自身もいつしか自分の無力さ、「レギュラーとして試合に出たい」という欲、仲間と競争することへの抵抗など悩みを抱え、試行錯誤の末に自分を殺してひたすらに走り回ってボールを繋ぐ献身的なサッカースタイルにたどり着く。
そして3年生にとって最後の公式戦である選手権が開幕し、聖蹟は東京の絶対王者・東院を破って劇的な勝利を挙げ、全国大会への出場を勝ち取った。
トーナメント抽選の結果、聖蹟は今年のインターハイを制しプロ入り内定者（通称「十傑」）を3人も擁する梁山高校やU-18日本代表の正GK砂山擁する音羽高校、さらにライバルの桜高と同じ死のブロックに入る。
そして部内の紅白戦を経て全国大会が開幕、聖蹟は初戦で風間が過去に因縁を抱える由比ヶ浜を完璧な試合運びで撃破。
2回戦の相手は2年生ながら十傑の1人である相庭未蘭を筆頭に攻撃面だけなら梁山にも匹敵する一星学園。
互いに攻撃力抜群のチーム同士の攻め合いとなり、聖蹟が大柴の個人技で先制点を奪うも、一星は相庭が圧巻のプレーで臼井を抜き個人技で同点ゴール。
1対1で絶対の自信を持っていた臼井がまさかの大乱調に陥るなか、聖蹟は守護神猪原がビッグセーブを連発し、チーム一丸となって粘りの守備を見せる。
ところがその猪原までもアクシデントで負傷交代、この大ピンチについに臼井が復活した。
前半終了間際に聖蹟が君下のゴールで勝ち越しに成功するも、広範囲に走り回ったつくしは既に体力の限界が近い状態。
果たして聖蹟は試合を制することができるのか―。
18巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
献身的に走り回ったつくしが交代
ハーフタイム、一星はリードを許しながらも点の取り合いを楽しんでいる様子。
将来プロになって日の丸を背負うであろう相庭のためにも、この試合で躓くわけにはいかない。
一方の聖蹟は消耗しながらも後半も走り続ける覚悟を固め、つくしも限界まで走る為に再び後半のピッチに立つ。
後半も相庭を徹底的にマークする臼井、それでも一星は知念や奥・神村らが攻める。
対する聖蹟は野性の勘で危険を察知したGK今帰仁が渾身のセーブで悪い流れを絶った。
そして今度は聖蹟の反撃。
相手のマークを剥がしてフリーになったつくしに君下のスルーパスが渡り、GKと1対1のビッグチャンスに。
残念ながら体力の限界を迎えていたのかシュートは弱々しくキャッチされてしまうが、そこからすぐにディフェンスへと走って戻っていくつくし。
不屈の根性で走り続けるつくしが鬼気迫る姿でチームを鼓舞し、最後にはつくしからパスを受けた風間がゴール正面でフリーとなった。
ここは相庭が後ろからタックルしてイエローカードをもらいながらも阻止するが、つくしのチャンスメイクでフリーキックを獲得。
つくしはここで交代となり、来栖が代わって投入されるのだった。
一星が同点に追いつく
後半10分、絶好の位置で得たフリーキックを蹴るのは君下。
対する一星は相庭がGKの隣に入って守備に回り、絶対に点を許さない構えを見せる。
笛がなると同時に蹴った君下のフリーキックは惜しくもGKの好セーブに阻まれ、ここから相庭がチームのためのプレーを見せて反撃に。
相庭が聖蹟ディフェンスを引きつけて奥へのスルーパスを誘い、奥が放ったシュートのこぼれ球を拾った相庭からが折り返す。
完全フリーでパスを受けた新納のゴールで同点に追いついた。（後半24分 聖蹟2-2一星）
水樹の個人技で聖蹟が勝ち越し、試合終了まであと僅か
試合は振り出しに戻るが、この試合でも成長を続ける水樹が仕掛ける。
相庭を抜いて自ら切り込み、鋭いキックフェイントで切り返して強烈な右足でのシュート。
ボールは正面にいたGKの手を吹き飛ばしてネットを揺らし、水樹の圧倒的な個人技で再び聖蹟がリードを奪った。（後半 聖蹟3-2一星）
あとは水樹もディフェンスに参加して聖蹟が逃げ切りを図る。
両校の攻防が熱を帯び膠着するなか、本能であえてゴールから離れることで自らの存在を消していた相庭が前を向いた状態でボールを受けた。
1対1で臼井を抜き、来栖を躱してゴールへと迫る相庭。
このピンチを今帰仁が飛び出して止め、逆に相庭を追わずに残っていたままの臼井へ、その意図を察知した今帰仁が素早くボールを渡した。
臼井は逃げ切りではなくここからのカウンターで更なる追加点を狙っていたのであった。
【18巻のまとめ】
献身的にチームを支えたつくしが交代。
一星が同点に追いつくも、聖蹟は水樹の個人技で再び勝ち越しに成功。
試合終了間際には迫り来る相庭を止めたGK今帰仁から一転して聖蹟のカウンターが発動。
聖蹟は勝ち切る事ができるのか―。
次巻へ続きます。
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