ある日、高校1年生の玄野計は小学生時代の親友だった加藤勝と共に地下鉄のホームで線路に落ちた酔っ払いを助けようとして電車に轢かれ命を落としてしまった。
目を覚ました次の瞬間、2人がいたのはとあるマンションの一室。そこには同じように死んだはずの人々が集められていた。
部屋の中央には「ガンツ」と呼ばれる謎の大きな黒い球。
同じ部屋に集められたメンバーとともに、玄野たちは理由もわからないまま星人を「やっつける」ように指示され、別の場所へと強制的に転送されていく。
ゲームを繰り返して100点を取れば記憶を消されて解放か、強い武器か、誰かを生き返らせることができる。
玄野は仲間たちや自分の死と再生を何度も経ながらGANTZのメンバー達をまとめ上げてきたが、人類が滅亡の危機に瀕するカタストロフィまで残された時間はあと1週間しかないことが判明する。
そして全てのゲームが終わりもう誰も生き返らせることができなくなった際、玄野に片思いしていたグラビアアイドルのレイカは最後に取った100点のメニューで自分の恋心を満たすためにもう1人の玄野を再生させ、結ばれる。
GANTZが高度な文明を持つ地球外生命体によって作られたものであることが明らかとなるなか、ついにカタストロフィの時を迎えた。
強大すぎる巨人たちが地球への侵略を開始し、為すすべなく蹂躙されていく。
そんななか玄野は恋人の多恵を守りながら抵抗し、巨人たちにマークされることに。
しかしGANTZを操作することに成功していた幹部らもメンバーを強制招集し、巨人の母船の中へと逆侵攻をかける。
戦いが激化する中、玄野は巨人軍に拉致された多恵を救うために囚われていた人間たちを解放しながらひとり奮戦し、ようやく多恵と再会を果たした。
そして宇宙船に致命的なダメージが与えられ、崩壊が始まる。
玄野と多恵は宇宙船を脱出して地上に舞い戻り、宇宙船の中でも人類の勝利まであと一歩という状況。
一般市民たちを解放・避難させた加藤らも最終決戦の場である母船の中へと転送していくのだった。
36巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
真理の部屋で明かされる非情な真実
敵の母船の中では既に祝杯ムードであり、アメリカのチームが残党を追い詰めていた。
そして完全にコントロールされたGANTZによって、加藤たちは全ての真相が明らかとなる真理の部屋へと転送される。
そこには先に菊地が待っており、中央にいる超高度文明異星種族が人類からの全ての問いに答えていた。
「今までなぜ、何のために戦わされてきたのか」
玄野Bと加藤の問いに、超高度文明異星種族が答え始める。
消滅の危機に瀕したある惑星系が30年以上前から地球への移住を開始し、最後に来た巨人たちが最も文明レベルと軍事力が高い種族だった。
超高度文明異星種族は地球よりも前に巨人たちの移住先として狙われたが撃退に成功し、巨人たちを撃退しうる最低限の軍事技術を信号として地球へ送った。
その信号はドイツの富豪の娘にキャッチされ、富豪は自らの資産でGANTZを大量生産して世界中へ配置したというのである。
つまり地球が巨人たちを撃退できたのは彼らのおかげ。
口々に謝意を述べるGANTZのメンバー達だったが、超高度文明異星種族はあくまで「きみ達の存在は我々から見ればごく矮小な昆虫となんら変わらない」と吐き捨てる。
人類がすがりつく神など存在せず、人類ではなく地球そのもののある程度の秩序を守る為だけにやっただけ―。
その言葉に一同は強いショックを受けるのだった。
ゴミに等しい人間の命
人間もチリやゴミと同じただの物質でしかないと告げる超高度文明異星種族に対し、加藤や玄野Bは人間の命や感情には価値があると反論する。
すると超高度文明異星種族は人間はただのモノに過ぎないことを証明するため、その場でレイカ、岸本、オジサン、そして玄野の初体験の相手である美女を再生してみせた。
思わぬ再会に心が揺らぐ玄野Bと加藤。
しかし超高度文明異星種族はそのままレイカたちを分解し、殺して見せた。
命を弄ぶ行為にキレた玄野Bが刀を手に飛び掛かるが、あえなく身体をバラバラにされて命を落としてしまう。
泣き叫ぶ加藤は仲間たちによって制止されるが、超高度文明異星種族は人間の魂は異次元に移動して転生することを明かしたのち、「この先我々は地球人に干渉することはないだろう」と残して姿を消すのだった。
巨人の残党は僅かだったが…
加藤たちが目を覚ますと、そこは再び巨人の母船の中。
周辺のGANTZは全て機能を停止し、宇宙空間から地球へ帰ることは困難になっていた。
どうやらアメリカチームのGANTZだけまだ生きているとの情報を得てアメリカチームのもとに向かうと、そこでは残党の巨人兵とのデスマッチが行われていた。
楽しみながら徐々に敵を追い詰めていくアメリカチーム。
その様子は地上にも中継され、加藤たちは地上への転送待ちの列に並びながら人類の勝利の時を待つ。
そして地上でもその様子を見ていた玄野は多恵に自分が一度死んだ身であることを明かした。
母船のところには行かないでほしいと願う多恵に対し、ずっと一緒だからと伝える玄野。
母船の中では勝利目前。
しかし残党にいた巨人たちの英雄イヴァ・グーンドが軽々とアメリカチームのエース格を破り、流れを変えるのであった。
【36巻のまとめ】
裏で糸を引いていた超高度文明異星種族によってGANTZの真実が明かされた。
ほとんどのGANTZが機能を停止する中、巨人の母船の中ではアメリカのチームが残党を追い詰めていた。
勝利は目前、しかし巨人たちの英雄イヴァ・グーンドが立ちはだかり、軽々とアメリカチームのエースを蹂躙。
楽勝ムードが一変するのであった。
次巻へ続きます。
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