そして文吾はノーヒットノーランを達成し、その爆発的な成長に各高校から特待のオファーが殺到する。
次の試合は河村擁する富士ヶ丘シニア。
そしてそれぞれの練習に熱が入る中、激突の日を迎えるのであった。
19巻のあらすじを振り返ってみましょう。
静央シニアvs富士ヶ丘シニアが開幕
静央シニアとの対決に全てをかけて調整してきた冨士ヶ丘シニア。
対する静央シニアは、この先も見据えながら現時点で最大の攻撃力を誇る打線を組み、先発は瑛太、控え投手には石神と野田がスタンバイする。
流山シニアの家長らも観戦に訪れるなか、プレーボール。
1回表、静央シニアはいきなり袴田が四球で出塁し、2番・真琴の送りバントで得点圏にランナーを進める。
3番の間瀬の鋭い当たりは河村の好守に阻まれ、2アウトで4番・野田が打席へ。
ここで野田は碓井のフォークを見事に打ち返し、長打で先制。
しかし碓井もすぐに立て直し、5番の文吾は三振。
静央シニアが初回から先制する幸先の良い展開となった。
瑛太を打ち砕く河村
1回裏、文吾とエースの座を争い気合が入る瑛太がマウンドに登るが、冨士ヶ丘シニアは瑛太・袴田バッテリーへの対策を立てていた。
初回に全球種を試して調子のいいボールをその日の軸にするという定石から、先頭打者の皆浦がまず瑛太の全球種の調子を見極める作戦。
だがこの日、瑛太は絶好調で全ての球種がキレキレで、皆浦は粘りを見せるも最後は空振り三振に。
2番の碓井は感覚で打つタイプであり、しぶといヒットで出塁して3番・河村を迎える。
その初球、瑛太は完璧なコントロールとキレで河村の内角高めギリギリを攻めるが、河村は片腕一本で見事に打ち返し、ボールはスタンドイン。
いきなりの逆転2ランで瑛太を打ち砕いたのだった。
新たな武器を磨く瑛太
さすがの瑛太も同様を隠せないが、文吾を超えるためにはこんなところで負けるわけにはいかない。
続く4番・珠希に対してはすぐに立て直し、冷静にタイミングを外すチェンジアップで空振り三振に仕留めた。
後続も打ち取り、2回表の静央シニアの攻撃では1年生トリオの下位打線の出番。
米村、尾野は碓井の前に空振り三振に倒れるが、9番の小谷野はあらゆる面で化けるポテンシャルを秘め、驚異の粘りを見せる。
そして感覚を研ぎ澄まして3塁線に鋭い当たりを放つが、ここは珠希の好守に阻まれて無得点に終わった。
2回の裏、冨士ヶ丘シニアの攻撃では瑛太が珍しくコントロールが乱れはじめ、袴田もパスボールなどミスが出始める。
しかし静央バッテリーは、河村へのリベンジに向けて瑛太の新たな武器となるジャイロ・スライダーの完成を急いでいた。
回転軸が下に傾いていれば鋭く落下し、軸が上に傾いていれば異常なノビを見せるのがこのジャイロ・スライダーの特徴。
これを持ち前の制球力で自在にコントロールできれば、河村にも立ち向かうことができると考えているようだ。
そして3回表、反撃に出たい静央シニアは、先頭打者の袴田がショートゴロに倒れるも、2番・真琴がこれまでのひたむきな努力が体現したかのような鋭いヒットで出塁。
同点のランナーを1塁に置き、クリーンアップに回るのであった。
【19巻のまとめ】
富士ヶ丘シニアとの激突、静央シニアは野田のタイムリーで先制に成功するも、瑛太が河村に逆転2ランを許してしまう。
すぐに立て直した瑛太は、河村へのリベンジのために新たな武器・ジャイロスライダーに磨きをかけていく。
そして反撃に出たい静央シニアは、真琴を1塁ランナーにおいてクリーンアップに打席が回るのであった。
【19巻の見どころ】
この巻の見どころは、静央シニアと冨士ヶ丘シニアの激しい攻防と、瑛太の成長です。
静央シニアは初回、野田のタイムリーで先制する幸先の良い展開を見せますが、すぐに冨士ヶ丘シニアの河村が瑛太の投球を打ち砕き、逆転2ランを放ちます。
河村の力強い打撃に対し、瑛太は一度は失点するものの、冷静に立て直し、次の打者珠希を三振に仕留める場面が見どころです。
また、瑛太が新たな武器であるジャイロ・スライダーを磨き、再度河村に挑もうとする姿勢も大きな注目です。
次巻へ続きます。
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