冴えない漫画家の鈴木英雄は再デビューを目指しながら悶々とした日常を送っていた。
唯一の癒しは恋人の黒川徹子(てっこ)の存在だったが、全国的に「噛み付き事件」が多発し、街にゾンビがあふれ出したことで状況は平穏な日常が一変する。
てっこも変わり果てたゾンビのような姿になって英雄に襲い掛かり、英雄はやむなく自らの手でてっこを殺した。
趣味である猟銃を手に逃げる英雄は電車・タクシーと次々に感染者が出る危険な状況を乗り越え、富士の樹海にたどり着いた。
疲労困憊、そして孤独と恐怖に襲われたまま野宿することとなるが、翌朝に修学旅行で来ていたいじめられっ子の女子校生・比呂美と出会う。
まだ市街の状況をしらない比呂美になんとか危機を説明し、襲ってくるゾンビを撃って逃げる英雄と比呂美。
街に戻って情報収集すると、政府の会見でこの大規模なウイルス感染症に「多臓器不全及び反社会性人格障害」という名が付けられたことを知る。
しかし感染者が生きているのかどうか、身を守る為にはどうすればいいのかなど肝心な情報は一切語られず、政府も状況をコントロールできていないことが判るのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
集団心理で避難した神社でも感染が発生、比呂美も襲われる
これからどうするか考える英雄と比呂美は、通りがかりの老夫婦に出会い、みな避難しているという富士山麓の浅田神社を目指すことになる。
空気も薄い死寒いからウイルスには感染しないという情報を信じた多くの人が浅田神社から富士山の登頂を始めていた。
誰も根拠のない噂に踊らされて集団行動しているだけである状況に薄々気づきつつも、神社でお参りする2人。
人を殺した罪を振り返り、元の日常に戻ることを神に祈る。
しかし参拝客のなかでもゾンビが発生してしまい、比呂美も赤ん坊のゾンビに襲われてしまうのだった。
カメラマンの荒木と出会う
比呂美の首にはアザができてしまったが、噛まれているかどうかはわからない。
そうこうしているうちに為すすべなくゾンビは増えていき、パニックは拡大していく。
通りすがりの荒木というカメラマンに助けられ、車で脱出し別の登山口から富士五合目を目指すこととなる。
山の中腹から街を見下ろすと、まるで戦争でも起きているかのように各所から煙が上がっていた。
日本はもうダメかもな…。
そんな想いを抱える英雄、荒木によれば「来栖」というYoutuberに触発されて実際に新たな時代の覇権を取ることを主張する人たちも増えてきているようだった。
ネット民を煽動する来栖、一方比呂美も感染が発覚
3週間ほど前、引きこもりで自称ニートの来栖という男が自宅でゾンビになった母親にトドメを刺す動画を公開。
「世の中は変わる。死んでる奴起きろ。俺達の時代がやってきたぞ。俺達がヒーローだ」
と呼びかける動画は当時はフェイク映像だとして誰にも相手にされなかったが、パニックが拡散した今では熱狂的なファンからの支持を集め出していた。
その日は誰もいない山麓の休憩所で夜を明かすことにした英雄たち。
しかし明くる朝、比呂美がゾンビになりかけていることが判明してしまうのだった。
パニックは日本全土へ拡散
ネットではゾンビ化して凶暴になる人のことを「ZQN(ゾキュン)」と呼称するようになり、ZQNは関東を離れ大阪などでも出現。
パニックは日本全土へと拡散していく。
人々は逃げ惑い、ネットの住人達は来栖を救世主として頼り始めていた。
その頃、車の中に比呂美を拘束した英雄と荒木は慎重に車で移動しながら生き延びていたのだった。
【5巻のまとめ】
集団心理で避難した先の神社でもゾンビが発生し、赤ん坊のゾンビに襲われた比呂美も感染してしまった。
逃げる際に荒木というカメラマンと合流した英雄は、比呂美を車の中に拘束して移動しながら生き延びることに。
その頃パニックは日本全土へ拡散し、ゾンビには「ZQN(ゾキュン)」という呼称がつけられる。
逃げ惑う人々は、数か月前からYoutuberとして新たな時代の覇権をとるために活動している「来栖」という人物を救世主として頼り始め、熱狂的な信者が増えていくのであった。
次巻へ続きます。
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