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梶vsフロイド・リー、協力者同士の潰し合いは高度な読み合いに『嘘喰い』34巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。

さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知り、廃ビルでの命懸けの脱出勝負に勝った貘は、全てを凌駕する暴力を持つ別人格の怪物・ロデムを宿すマルコを仲間に加え、賭郎の会員権や大金を得た。

賭郎の会員権を梶に譲った貘はさらに賭郎の能輪立会人の手配で新たな賭郎勝負の場を設定してもらうこととなり、貘と顔なじみである立会人の夜行妃古壱が梶の専属につくなか、富士山中のトンネルでテロリストの佐田国との賭郎勝負に勝ち、お屋形様との取引で再び賭郎会員に復帰。

しかしその裏ではお屋形様の思惑通り警察以上の力を持つ新組織成立へと動き始めており、さらに賭郎の乗っ取りを企む米国の犯罪組織「アイデアル」も実行部隊リーダーである暗殺者カラカルが暗躍する。

貘は警察とグルになって未解決事件の犯人をでっち上げるための迷宮ギャンブルを利用して自分が屋形越えに失敗した事実を無かったことにし、さらにこの迷宮ギャンブルに関与していた警察関係者の天真とその部下である密葬課の箕輪とのギャンブルにも勝利してLファイルを獲得する。

他方、自らの力で無実を証明すべく立ち上がった梶は、貘から得た情報で殺人事件の真犯人である羽山邸へと潜入、羽山家に取り入るヤクザの鞍馬と滑骨の代理戦争に巻き込まれる形で「ファラリスの雄牛」の勝負に臨んだ。

焼かれたカールが瀕死の重傷を負うが、カールとの協力もあり梶が最終的に勝利して事件の証拠を獲得、負けを認めようとしなかった滑骨は屋敷の外で伽羅によって葬られるが、伽羅は滑骨が契約していた伝説的ボディーガードのキョンホ・ジョンリョに狙われることとなり、姿を消した。

貘は梶が獲得した証拠と犯罪者が載るLファイルを使い、テレビ局を乗っ取って生放送での暴露番組を企画し、貘はゲストの中に潜ませていた梶と共謀して500億もの大金をゲストから巻き上げることに成功する。

放送市場類を見ない番組を終えた貘はさらに電波ジャックを継続し、Lファイルを利用して賭郎が用意した搦手の人員を各所に受け入れさせ、500億と合わせて屋形越えの権利に手をかけた。

そのまま貘は搦手が成立するまでの時間稼ぎとして旧電波塔である帝国タワーで賭郎勝負を始めたが、相手として現れたのは零號立会人の切間撻器を連れた謎の男・捨隈。

2人の戦いはアイデアルのカラカルとマーティンや鞍馬組も割り込み混沌とした戦いとなるが、アイデアルの工作員だった捨隈の思考をも看破した貘が勝負を制した。

他方、タワーの外では賭郎と警察が互いの代表による激しいバトルが繰り広げ、搦手の成立と笹岡副総監の死によって決着し、密葬課は解体、真鍋と三鷹の2人は賭郎に吸収されることとなる。

零號の称号を賭けた號奪戦でも死力を尽くした妃古壱が撻器から勝利を挙げ、貘が賭けに勝ったものの、その勝負の裏で貘の500億がアイデアルに横取りされてしまう。

さらに持病の記憶喪失を起こしたお屋形様がかつてお守役だった栄羽と合流すべく、賭郎の追っ手を振り切って行方をくらませた。

お屋形様の表の顔である内閣調査室の蜂名直器と面識のあった防衛省の大船額人が逃走を助け、額人が追う武器密輸事件の捜査に協力することとなった蜂名は、密輸の受渡場所であるジャルード号に額人と共に潜入。

船に拘束されていた新聞記者の横井と偶然巻き込まれた梶と共に額人がレーシィ船長と賭郎勝負「バトルシップ」を繰り広げ、額人は勝負に敗れたものの、梶や賭郎たちが脱出した後に蜂名の工作によって船は沈没した。

その蜂名とアイデアルのボスであるラロが接触し、貘と3人で直接対峙、屋形越えの挑戦権を賭けて勝負することが決まる。

限られた空間・時間・協力者の人数のなかで好きに勝負ができる卍勝負となり、オンラインゲーム「プロトポロス」の世界を現実に再現した絶海の孤島で勝負が始まった。

勝敗は期日までにゲーム内の3つの国を統一し、最高位の皇帝となること。

最下層の奴隷からスタートした貘は、早々に奴隷たちを相手にギャンブルで圧勝、さらにこの世界の通貨であるビオスを増やすために闘技場へと足を運んで仲間と合流。

さらにラロと前哨戦が勃発し、互いの協力者である伽羅とロバートKの直接対決の結果、伽羅がロバートKを退けてその後闘技場を支配下に置くことに成功する。

負けたラロはロバートKが追放されることとなるが、貘以上にビオスを稼ぎ出しており、さらに島から去るプレイヤーを抱き込んでこの島の位置を特定、現実世界との交信手段を得ようとしていた。ロバートKの追放にも動じない様子。

貘は次の動きとして司祭カメオが出しているクエストに目をつけ、それを口実にアズラの国の砦を攻略することに。

梶たちが準備を整えて砦に奇襲をかけるが、そのときショウドの国からハルも潜入しに来ていたのであった。

 

34巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

梶たちの前に現れたラロの協力者

0時から6時に機能がダウンするメンテナンス間際の時間帯を狙ってアズラの砦に攻め入った梶たち。

空腹に耐えかねたマルコは食堂でハルと出会う一方、梶たちは目当てのオルテガを倒したのに砦を奪った判定が下りない。

既にオルテガが無一文であったことから、梶は自分より先に何者かにオルテガが倒されていた状態だった可能性に気づいた。

するとそこにラロ側の協力者の1人であるフロイド・リーが手下2人を連れて現れ、梶たちの前に立ちはだかるのであった。

梶とリーが賭郎勝負へ

リーと対峙した梶は、リーの配下がそれぞれテイパーとショウドのプレイヤーであり御法度である同国プレイヤーによる同士討ちを誘う狙いであることに気付く。

梶の頭の回転を認めたリーは、梶の幼少期の頃の嫌な思い出を引き合いに出して挑発。

怒った梶はすぐさま門倉立会人に賭郎勝負を依頼し、リー側の専属である肆號立会人の間紙ボロも姿を見せる。

梶が勝てばリーの追放と砦の明け渡し、リーが勝てば梶とチャンプの追放という条件で勝負が成立するのだった。

ゲームは「矛盾遊戯」

ゲームの内容は「叩いて被ってじゃんけんぽん」を模した「矛盾遊戯」

・互いに相手に見えない状態で盾サイドと矛(武器)サイドに分かれて立ち、2セット目以降はサイドを交代する。
・1セット当たり3回のゲームが行われ、互いに選択した盾と武器でシバきあいをおこなう。

最初に盾サイドに立った梶の目の前には木の盾、ゴムの盾、鉄の盾の3つ。

対して武器側はおそらく本当に殺傷能力のあるものがある可能性が高い。

そしてさらに
・手探りで互いに選択した後、ビオスの提示額が多かった方が攻撃権を得る。
・布をめくって制限時間2秒のうちに自分の目の前にあった武器か盾を取り、防御は必ず受け、攻撃は一撃に限る。
・防御側は足元のラインから出る、しゃがむ、相手の武器を奪う、物理的に相手を妨害するといった行為は禁止。
・負けた方はメンテナンスタイム明けにインナーについても死亡処理を行う
・ゲーム中は暴力禁止
といったルールが明かされ、勝負が始まるのであった。

リーにペースを握られた梶

最初のセット、1ゲーム目で梶は攻撃権を取ることに成功するが、目の前に置かれていたのはスタンガンだった。

その攻撃はリーの木の盾によって防がれてしまい、さらにこのゲームでリーは10ビオスしか使わなかったのに対し、梶は2000ビオスも使ってしまっていた。

2ゲーム目は互いに残ったアイテムから選ぶこととなり、梶はゴムの盾を選択。

しかしビオス提示額で負け、リーの日本刀による切り付けを何とかかすり傷程度で防ぐ。

どうやらリーは1ゲーム目のスタンガンによる痺れがまだ多少残っていたことも影響し強く打ちこみができなかったようだ。

スタンガンは相手を痺れさせ次のゲームを有利に進めるための武器であるが、木の盾でもある程度効果があるということは、じゃんけんのような単純な3すくみではないことに気付く梶。

梶が残すのは鉄の盾。

残す武器は木の盾でも防げる弱いものと読んだ梶は続く3ゲーム目でビオスの消費を抑えて盾を取りにいくが、リーが残していた最後の武器は銃だった。

必死に鉄の盾で身を護る梶だが、銃を至近距離で受けた衝撃はすさまじく、何とか防いだものの盾は弾き飛ばされてしまう。

さらに盾を取りに行く梶の思考は完全に読まれ、リーはたった2ビオスを提示していた。

完全にペースを握られた梶は、2セット目に向けて冷静に頭のスイッチを切り替えるのであった。

リーの専門は「暴くこと」

リーは秘密を暴くことが好きという性質であり、数々の国家機密やスキャンダルと言った情報を暴き出し、それをその敵対者に売りつけている情報屋。

そのため、各国の諜報部や警察から常に追われており、ラロの手引きで逃亡した日本でも追われていたところでこの卍勝負の誘いを受けた。

日本滞在中に「KY宣言」を見ており、番組を裏で回していた鹿臣に強い興味を抱いたリーはそれ以来その正体が梶であることを突き止め、さらにその経歴も調査していた。

リーにかかれば梶の思考は丸裸も同然、勝負は2セット目もリーがペースを握るのだった。

勝ったはずの梶だが、足りなかったのは覚悟

2セット目の最初のゲームでは梶は冷静に考えた末に日本刀を選択するが、思考を読んだリーはあえて最低の1ビオスで自ら選んだ鉄の盾を使い、攻撃を阻止する。

これで第2ゲーム以降銃を防ぐことのできる盾が無くなり、どのタイミングで銃を出すかの読み合いとなる。

第2ゲームでリーは8000ビオスを提示して武器を取りに行くが、梶はその裏をかいて1ビオスを提示し、スタンガンを選択していた。

ゲーム開始前から勝負にビオスが大事となることや、リーの所持する総ビオス数に何となくあたりをつけていた梶は、この2ゲーム目でリーがかなりのビオスを消費したことを見て、3ゲーム目に自分が銃を手にできると確信する。

そして第3ゲーム、梶は想定通り全ビオスを注ぎ込んで銃による攻撃権を獲得するが、リーは自ら潔く胸を差し出す行動に出た。

本当に人を殺す覚悟が足りていなかった梶、その銃弾はリーを捕らえることなく外れ、ゴムの盾に当たってしまう。

しかもここまで読んでいたリーの提示したはわずか1ビオス。

次のセットに進むが、リーが2万ビオス以上残しているのに対し梶は無一文になってしまったのだった。

復活した梶がリーを追い詰める

読み合いに勝ったはずなのに、まさかの展開で敗色濃厚となってしまった梶が呆然としている間にゲームが進む。

3セット目の最初のゲームで梶は自動的に端にあったゴムの盾を選択した扱いとなり、ビオス提示へ。

そこで見かねたチャンプとりゅうせいが自らの市民権を担保に門倉立会人から借りた1万ビオスを梶に託し、再び梶が立ち上がる。

そして互いに1ビオスを提示したためやり直しとなり、門倉は確実な取り立てができる担保と引き換えに貸し付けを行ったことを明かした。

このとき梶が選んだのはゴムの盾、リーが選んだのはスタンガン。

日本刀が選ばれたと推理した梶はここで武器を取りに行き、ゴムの盾を読み切ったリーはビオスの消費を抑える作戦にでた。

結果はリーの読みが的中し、リーはスタンガンをゴム盾で完璧に防ぐはずだったが、ゴムの盾の取っ手が壊れてスタンガンの直撃を食らってしまう。

梶の銃弾が当たった際にゴムの盾が偶然にも壊れており、門倉もあえて気づかぬふりをしながらゴムの盾を最初のゲームに差し出されるようにしていたのである。

大ダメージを食らったリーにとっては、残る2ゲームとも攻撃権を奪取するのが絶対条件となり、梶は「もう覚悟は決めました」と宣言して精神的な駆け引きにおいてもドロ試合に引きずり込むのだった。

覚悟と執念で梶が勝利を挙げる

まだ体がしびれて満足に銃を使えないはず―。

そう考えれば梶は木の盾を選ぶべきであり、梶にとってはこの2ゲーム目でのビオス提示で勝って日本刀を奪取するのが勝ち筋。

しかし2ゲーム目ではリーが裏をかいて銃を選択し、ここで勝負をかけた。

盾を取った梶は木の盾を身体の正面で必死に構え、銃弾は盾を貫通したものの、梶は左腕に銃創を負っただけで致命傷を回避することができた。

最初から撃たれることを覚悟し、急所さえ守れば助かると読んで出来る限りの準備をした梶。

この2ゲーム目でリーが16000ビオスを消費したのに対し、梶はわずか1ビオスだった。

形勢逆転し、第3ゲームへ。

残っているのは日本刀と鉄の盾であり、全ビオスを注ぎ込んで日本刀を奪取した梶が、痺れで盾を上げることができないリーを斬りつける。

結果的に梶が振るったのはゲーム用の模擬刀だったが、その殺気にあてられたリーは一歩だけ白線を割ってしまっており、反則負けに。

読み合いでは勝っていたものの、リーは潔く敗北を認め、追放と砦の明け渡しが決まるのであった。

【34巻のまとめ】

アズラの砦攻略に乗り出した梶たちの前に立ちはだかったのは、ラロの協力者であるフロイド・リー。

命を賭けた賭郎勝負となり、梶は重傷を負いながらも見事な逆転勝利でリーから勝ち星を挙げ、リーの追放と砦を獲得するのであった。

次巻へ続きます。

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