1989年、北海道音臼村で無差別大量殺人事件が発生し、児童職員あわせて21名が死亡した。
田村心の父親、佐野文吾が容疑者として逮捕され、最高裁では死刑判決が出ていた。
心は殺人犯の加害者家族として、日陰の身となり、世間にバレないよう生きてきた。
そんな彼の長年の苦労を理解していた妻の由紀も、出産後すぐに命を落としてしまい、生まれた赤ちゃんは元から結婚に反対していた義父に引き取られそうになる。
由紀が音臼小無差別大量殺人事件について調べたものをまとめていたノートから、父には冤罪の可能性があることを知った心は、その無実を証明して子供を守ることを決意。
そして事件現場である音臼小に向かった心は、慰霊碑の前で謎の霧に包まれ、事件発生前の1989年1月7日にタイムスリップしていた。
果たして心は事件の真相を暴くことはできるのかー。
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（※2024/03/16現在の情報です。最新の配信状況等は各公式HPをご覧ください）
登場人物紹介
田村 心 (たむら しん)
音臼小無差別大量殺人事件の加害者家族として、長年苦しめられてきた青年。教員資格を持っている。
先生になるのが夢だったが、殺人犯の息子では無理だと諦めている。
ハーモニカが得意で、妊娠中の妻、田村由紀にもよく聞かせていた。
顔は母親似。1989(平成1)年7月10日生まれ。目黒区在住。
事件の真相を探るため、訪れた北海道音臼村で、生まれた年にタイムスリップしてしまう。
佐野 文吾 (さの ぶんご)
田村心の父親。音臼村の元警察官。21人も死亡した音臼小無差別大量殺人事件の容疑者。
最高裁で死刑判決が確定した死刑囚だが、本人は容疑を否認している。
眉が太く、髪には天然パーマがかかっている。
心が生まれる前に逮捕されたので、心とは会ったことがなく、自分がつけた「正義」という名前で、弁護士を通して心にプレゼントを贈ったことがある。
心がタイムスリップした1989年では、音臼村の駐在所勤務の警察官で、気さくで明るい楽天家だった。
元からの悪人はおらず、悪人でも救いたいと思っていた。
田村 由紀 (たむら ゆき)
田村心の妻。心の父親の事件では、心に責任はないと言う、聡明で優しい女性。
前髪を斜めに分けたショートボブで、眉毛やまつ毛がはっきりしている。
心の父親が犯人とされる音臼小無差別大量殺人事件について調べており、記事を時系列にまとめ、スクラップしていた。
事件の少し前から音臼村で不可解な事故が相次いでおり、心の父親は冤罪なのではと考えていた。
出産の時、子供は生まれたものの、自分は命を落としてしまう。
田村 和子 (たむら かずこ)
田村心の母親。加害者の家族として、被害者に申し訳ない、泣いても笑ってもいけないと子供たちを教育し、女手ひとつで3人の子を育てた。
加害者家族であることがバレると、追われるように住む場所を転々とし、いつも肩身の狭い思いをしていた。
鬱になって精神を病んだこともある。
心がタイムスリップした1989年では、警官の夫に意見する、強い妻、母として、明るくハツラツとしていた。
心が最初にタイムスリップして未来が変わった世界線では精神的に限界を迎え、一家心中を図って慎吾と共に亡き人となっていた。
佐野 鈴（さの すず）/ 村田 藍（むらた あい）
田村心の12歳上の姉。心がタイムスリップした1989年の時は11歳。
あごまでの長さの黒髪ストレート。前髪が長いので後ろに縛ったり、カシューシャをしておでこを出している。
眉毛は父親似だが、目は母親似。1989年1月7日、雪かきをしていて屋根から転落。
タイムスリップしてきた心に助けられ、本来、凍傷で残るはずのあざが残らなかった。
心が最初にタイムスリップして未来が変わった世界線では整形して名前も村田 藍に変え、身分を隠して生活している。
佐野 慎吾 (しんご)
田村心の6歳上の兄。眉毛が太く天然パーマで父親似。
犯罪者、佐野文吾の息子だとわかると会社を辞めさせられ、職を転々としている。
心とも10年ほど会っておらず、音信不通。心がタイムスリップした1989年の時は5歳。
心が最初にタイムスリップして未来が変わった世界線では精神的に限界を迎え、一家心中を図って慎吾と共に亡き人となっていた。
三島 千夏 (みしま ちなつ)
音臼村の三島医院の次女。黒髪でツインテールの5歳の女の子。
1989年1月7日の夜、自宅倉庫の除草剤パラコートを誤飲して死亡してしまう幼女。
1989年1月7日にタイムスリップした田村心が、自宅倉庫にいた千夏と出会い、死亡の原因となる除草剤パラコートを倉庫から持ち出す。
しかしその後、千夏はパラコート中毒で死亡してしまう。
長谷川 翼 (はせがわ つばさ)
音臼村の新聞配達員。短髪を逆立たせた青年。
1989年1月7日にタイムスリップした田村心が、三島千夏と一緒にいて、三島医院の自宅倉庫から何かを盗んだところを目撃した人物。
田村由紀が残した記事のスクラップによると、雪に埋もれた心の姉、佐野鈴を助けるのは、本来なら新聞配達員の彼の役目だった。
佐々木紀子と婚約しているが、小児性愛の性癖を抱え、紀子にも威圧的な態度で支配するなど闇を抱えている。
三島 明音 (みしま あかね)
音臼村の三島医院の長女。鈴と同級生で親友。
1989年に行方不明となってしまった幼女。
1989年1月7日に心がタイムスリップしてきた世界線では、真犯人によって山小屋に監禁され、翼と共に青酸カリで殺害されてしまう。
加藤 みきお（かとう みきお）
鈴のクラスメイトの男子。11歳でありながら生き物を殺して楽しんだりするサイコパスであり、一連の事件の黒幕。
木村 さつき（きむら さつき）
音臼小で鈴たちのクラスの担任の女性教師。
情が深く、音臼小無差別大量殺人事件を生き延びた後、下半身不随となったみきおを養子として引き取り育てる。
佐々木 紀子（ささき のりこ）
翼の婚約者。最初の世界線では音臼小無差別大量殺人事件の後に自ら命を絶ったとされる。
1989年1月7日に心がタイムスリップしてきた世界線では、罪を犯した翼を庇うなどしていたが、自分が死を選ぶ未来を知って怖くなったため村を出て生き延び、長い年月が経ってから佐野の冤罪を晴らすべく証言をする決意を固める。
木村 敏行（きむら としゆき）
音臼村の板金工場を営む中年男性。さつきの父。
1989年に雪崩に巻き込まれて命を落とすが、1989年1月7日にタイムスリップした田村心によって救われる。
田中 義男（たなか よしお）
音臼村の有力者で、寝たきりの老人。
視力もほとんどなく、最初の世界線では真犯人による犠牲者の一人となった。
金丸 忍（かなまる しのぶ）
音臼村の事件を担当する刑事。素性のしれない心を厳しくマークする。
1989年1月7日に心がタイムスリップしてきた世界線では、真犯人によって突き落とされて殺されてしまう。
各巻のあらすじ
