生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。
主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。
そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。
死ねなければ生きるしかないサバイバルが始まり、グループで協力して生活のサイクルができるなか、冬に備えてセイは自分の力で生きるため、1人で山に入り鹿を追うことに。
弓を作り、思考錯誤で挑戦した狩りで鹿を仕留めたセイは、命への感謝の気持ちが内側から湧き上がり、数多の命の上に立ってこの島で生き抜く強い意志を固めた。
さらにこの島に先住している男に出会ったセイは、鹿の肉と引き換えに肉の保存の仕方など生活の知恵と共に1匹の子犬を譲り受け、その子犬「イキル」を猟犬として共に狩りを続け、さらに新たな「リヴ」という名前で前向きに生きることを決意した彼女とも急接近。
そして結束を深めだしたセイだが、サワダという暴君が支配する別のグループから逃げてきたという売春婦のナオを迎え入れたことでサワダに目をつけられることとなり、争いの火種が生まれ、次第に衝突することとなる。
さらに皆を引っ張ってきたカイが裏では弱った者に寄り添いながら死へと誘惑していることが明らかとなり、カイを追放することで一時的に平和な生活が戻ったものの、カイはセイたちのグループの内情をネタにサワダに取り入ろうとしているのであった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
生活が安定し、未来に希望の光が差す
手先が器用なボウシは様々な道具や大工仕事を、ミノルは農業や畜産、スギは作業計画などそれぞれが担当を活かして生活も安定してきた。
ミノルは子ヤギの1頭からレンネットを手に入れてチーズ作りと、さらに見つけた種もみで稲作にも挑戦することとなる。
見つけた焼酎で酒盛りで酒盛りしながら、明るい未来に希望を見たセイたち。
女性陣の1人がボウシに恋していることも明らかになり、宴は盛り上がる。
しかし翌朝、新たな事件が発生するのだった。
新たな入島者たち
翌朝、巡視艇がこの島に寄港しているのをリョウたちが発見する。
それはつまり、自殺未遂者たちがまたこの島に解き放たれたということ。
新たな入島者たちも同じようにパニックを起こすなか、リョウとセイができるだけ保護し、十数名にこの島の状況を説明。
そのうちの半数ほどをグループに引き入れ、漁など生活に必要な仕事を与える。
そんななか、グループに入ったうちの織田という男が、自殺未遂者ではなくルポライターとして潜入取材しに来た身であることを明かした。
織田は体内に仕込んでいたGPS発信機で外の仲間に位置を知らせていることや、過去にはこの島から脱出し海外に逃げた者もいることを告げる。
この島から出られるかもしれないという可能性を知ったリョウたちは、この島での安定した生活を捨ててまで元の社会に戻るかどうかを悩むことになるのであった。
サワダの集落の偵察へ
翌朝、新規加入者たちに島の実情としてサワダのグループなどについても情報を共有する。
サワダのグループでは女性に人権がないことを知ると、厚生施設での知り合いの女性とはぐれてしまったという若者が慌て始めた。
どうしても彼女のことを放っておけないという若者のため、セイは少数だけでサワダの集落を偵察しに行くことを決意する。
ケンはあわよくばサワダを奇襲して殺すことを考えるが、全面戦争は避けたいところ。
セイ・リョウ・ケン・ミキと、ノリオという新しく加わった小太りの若者が同行し、偵察へと出発するのであった。
潜入がバレてしまう
セイは援護のために山から向かい、リョウたちが集落に潜入すると、サワダの屋敷では女性たちが男たちの慰み者にされていた。
ここでは働けばどんな男でも女を抱くことができ、またどんな女も見た目などで差別されることはない、というのがサワダのテクニックであった。
他方、セイは山に仕掛けられていた罠に気づかず、サワダたちに潜入がバレてしまった。
サワダの合図で武器を持った男たちが出てくるなか、セイが弓で威嚇する。
姿を現したカイはこれで争いが起こることを指摘。
セイたちはその場は撤退することができたが、ノリオだけは姿が見えず、翌日になって戻るのであった。
寝返りかけていたノリオ
容姿に恵まれずコンプレックスを抱いていたノリオは、「女が抱きたい」という理由からサワダのグループに入りたいと申し出ていた。
そこにカイが、「リョウかセイのどちらかを殺してくる」という条件を出し、ミノルはいったん何食わぬ顔でセイたちのグループに戻ってきていたのである。
隙を狙うノリオはリョウの寝こみを襲おうとするが、気付いた織田に全てを見抜かれ諫められた。
リョウたちの集落にも娼婦がいるため、女を抱くだけなら人を殺す必要もない。
織田に連れられるがまま、ノリオはナオを相手に初めてキスの味を知り、サワダのグループに入るためのミッションを諦めるのであった。
サワダ派との武力衝突が迫る
サワダたちとの戦に備え、ボウシが盾や武器を開発する。
時を同じくしてサワダも襲撃に出ることを決め、大勢の男を連れてやってきた。
生きるためには相手の命を奪うしかないのか。
悩みを抱える中、ついに戦が勃発するのであった。
【8巻のまとめ】
カイが追放されて数日後、島には新たな未遂者たちが連れてこられた。
そしてサワダ派との争いが激化し、ついに武力衝突が迫る。
生きるために相手の命を奪うしかないのか、悩みを抱えながら戦いが始まるのだった。
次巻へ続きます。
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