生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。
主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。
そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。
死ねなければ生きるしかないサバイバルが始まり、グループで協力して生活のサイクルができるなか、冬に備えてセイは自分の力で生きるため、1人で山に入り鹿を追うことに。
弓を作り、思考錯誤で挑戦した狩りで鹿を仕留めたセイは、命への感謝の気持ちが内側から湧き上がり、数多の命の上に立ってこの島で生き抜く強い意志を固めた。
さらにこの島に先住している男に出会ったセイは、鹿の肉と引き換えに肉の保存の仕方など生活の知恵と共に1匹の子犬を譲り受け、その子犬「イキル」を猟犬として共に狩りを続ける。
そして結束を深めだしたセイだが、サワダという暴君が支配する別のグループから逃げてきたという売春婦のナオを迎え入れたことでサワダに目をつけられることとなり、争いの火種が生まれてしまった。
皆を引っ張ってきたカイが裏では弱った者に寄り添いながら死へと誘惑していることが明らかとなり、セイはカイを警戒するようになる。
さらにナオを奪い返すべくサワダ派が強硬手段に出始め、話し合いでの解決を図ったリョウも騙し討ちされかけた。
セイの援護と威嚇のおかげでリョウは難を逃れたが、サワダ派との衝突は避けられそうもない。
そんななか、惹かれていた彼女と山で2人きりの夜を過ごすこととなったセイ。
彼女の抱えるトラウマを知り涙する一方、彼女もセイに惹かれ始め、セイからもらった新たな「リヴ」という名前で前向きに生きることを決意するのであった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
一部を除き、グループ内の結束が深まっていく
離島へと足を延ばし、鶏や山羊といった家畜を捕獲することに成功したセイたち。
カイは少人数といつもつるんで不穏な動きを見せているが、グループの生活は確実に安定し始めていた。
人間は邪魔でしかないというカイの言葉に対し、セイはこの島の生態系を管理するための捕食者として人間にも生きる意味があるという答えに辿り着き、セイたちは自然の一部として生きていく覚悟を固める。
捕まえた山羊たちは廃校で飼育することにし、さらにリョウもこれまで非協力的だった者にも分け隔てなく接することで仲間にすることに成功。
グループの中に敵は少なくなり、皆の顔にも笑顔が増え始めた。
しかしカイたちのほか、サワダという敵はまだ残っているのであった。
仲間を守る為にケンが人を殺める
グループの中にはまだ「やりたいようにやる」という生き方から頑なに脱することができない男がいた。
男は次第に暴走を始め、ナオを襲おうとしたことにケンがキレてしまう。
ケンは男を棒で袋叩きにしたところでセイたちに制止されるが、それでもケンは男を野放しにすることはできなかった。
1人で痛い目に遭った男が逃げていった山の中へと追いかけ、弓でトドメを刺すケン。
仲間を守る為に自ら手を汚し人殺しとなったケンは、それ以来悪夢にうなされるようになってしまう。
男の遺体を発見した皆は、誰が犯人か判っていながらもそれを口に出すこともない。
見かねたスギがケンを釣りへと誘い、腹の内を割って2人きりで話すことに。
人と接するのが苦手で小説家になるという夢も破れたことで自殺に走ったスギは、感情をさらけ出し素直に生きていたケンが羨ましいと言い、仲間であるケンの苦しみは自分も共有すると伝える。
スギの優しさに触れ涙を流したケンは、それ以来1人で罪の苦しみを抱え込むことはなくなるのだった。
治安を乱すカイを追放するが…
リョウに想いを寄せていたミキは、これまで恋人に精神的に依存してしまい、不安に押しつぶされそうになって自殺を図るきらいがあった。
もう人を好きになってはいけないと思いつつも、この島ではリーダーシップのあるリョウに恋心を募らせるようになり、いつしかそれがリョウに近づく他の女性への嫉妬や敵対心に変わっていく。
たまたまリョウに呼ばれていたナオはおろか、自分を気遣う素振りを見せたトモも恋敵として暴言を浴びせ、自己嫌悪に陥ってしまうミキ。
そんなミキが川辺で1人佇んでいるところにカイが姿を見せ、この先に未来がないことを指摘しながら死へと誘惑する。
カイの口車に乗ってしまったミキは廃校の屋上へと連れていかれるが、その様子を見ていたセイ・リヴ・トモの3人がミキの飛び降りを阻止した。
ミキが正気を取り戻し、リョウたちも駆け付けるなか、セイはカイの行為を非難し、ここから出ていってほしいと切り出す。
リョウもカイの追放を支持。
しかしカイは「この世界に人間は不要」という考えを曲げることなく、廃校に火を放って去っていった。
夜通しの消火作業でなんとか鎮火し、皆を殺そうとしたカイを警戒しつつ朝から捜索することとなる。
ダメになった食糧を補充するためセイがリヴを連れて山へと入ると、偶然にも逃亡中のカイを発見。
しかしカイはセイに殺す覚悟がないことを見透かしたかのように、悠然と去っていってしまう。
そしてしばらくの間、警戒は続けながらも平和な生活が戻り、そのうちカイの話をすることもなくなっていった。
ところがそのカイは、セイたちのグループの内情をネタにサワダの集落に取り入ろうとしていたのであった。
【7巻のまとめ】
一部を除いてグループ内の結束は深まっていき、ついに弱き者を唆して死へと誘っていたカイを追放することとなる。
しかしカイは考えを改めるどころかアジトに火をつけて行方をくらました。
カイが去ったことでグループには平和な生活が戻ったものの、カイはセイたちのグループの内情をネタにサワダに取り入ろうとしているのであった。
次巻へ続きます。
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