おバカが集まる龍山高校が倒産の危機。債権整理にやってきた桜木は急に気を変えて学校を再建することに。
その時桜木は1年以内に東大生を1人出して、学校を超進学校として有名にする方法を選んだ。
桜木自らが特別進学クラスの担任となったものの、集まった生徒は水野と矢島の2人。
伝説の教師・柳の力のもと10日間のスパルタ合宿で計算力を鍛える。
一方、桜木は現行の教師に対してテストメインで行う授業スタイルの革命についてくる者だけを再雇用すると宣言し、1・2年にも特別進学クラスを創設するなど学校改革に本格的に乗り出した。
そして英語教師の川口、国語教師の芥山に続いて理科の助っ人・阿院が合流。
阿院の勉強法により理科嫌いを克服し、物理と地学の勉強がスタート。
社会は桜木自らが担当することとなり、水野と矢島と一緒に勉強する方法を考案する。
そしていよいよ夏の全国統一模試が近づく。
ただ受けるだけではダメ、受けるなら「いい模試」でないと意味がないという桜木。
果たしてその意図は―。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。
受けるべき予備校の模試の条件
生徒を集めるための企業努力をしている予備校の模試は試験問題にも細かく吟味されたものが選ばれ、実力を正確に測ることができる。
校内が清潔か、職員の対応が適切かなどでもある程度模試の質を予想することができる。
そして受験者が多い模試であることが重要。
受験者が多いほど偏差値が正確に出るため、自分の位置を把握することができる。
他には採点基準がわかりやすいことや、模試直後に詳しい解答集が配られることもいい模試のポイント。
大手予備校の東大模試は問題予想の的中率が意外と高いため、本番直前に復習するのにも役立つ。
様々な話を聞き、「社会のいろんなことについて別の見方を教えてくれるのは面白いかな。自分で調べるきっかけにもなるし、それをもとに調べたり勉強すれば東大入る以外に将来自分のやりたい目標みたいなものが見えてくるかな」とこぼす水野。
その言葉を聞いた高原は、桜木の教育理念が間違っていなかったことに気づかされるのであった。
初めての模試
いよいよ水野と矢島にとって初めての模試が始まる。
試験会場ではトイレの鏡で自分を客観視すると落ち着く
試験直前に参考書や単語帳は見ず、周りを見渡してリラックスする
試験直後は深呼吸して周りを見渡す
といった心構えを教わった2人。
水野は自分の隣の席に座った大沢というイケメンが志望欄に東大理科三類と記入するのを見て思わず気を奪われた。
試験が始まってからも大沢は猛スピードで問題を解いていく。
模試が終わり、予想通りほとんどできなかったと感じる水野と矢島。
ところが学校に戻ると、そこには各講師たちが2人の帰りを待っていた。
鉄は熱いうちに打て、とばかりにその場で模試の採点と解説が始まるのだった。
鉄は熱いうちに打て
手応えを聞かれ「全然ダメ、まるでできなかった」とこぼす2人だが、これは順調である証拠。
これまでと違い、自分の実力がまだまだであることを素直に認めて反省するだけでも以前の2人に比べれば大きな成長なのである。
そして自分のミスに対する悔しさはこれから大きく飛躍するための起爆剤。
時間がたつと危機感は薄れてしまうため、模試の直後から対策と補強を即座に実行するのが桜木たちの狙いだった。
講師たちによる採点と平均点予想の結果、水野と矢島はE判定ながらも平均点近く採れていることがわかった。
模試は幅広い分野からバラバラの難易度の問題が出されるため、実は難易度が平均レベルの問題を取りこぼさないだけで簡単に平均点を越えることができる。
勉強をはじめてたった2か月だが、徹底的に基礎力を鍛えつう集中力も養ったことであっという間に平均に届いたことに驚く2人。
このまま効率的な学習を集中して継続すればさらに飛躍的にテストの点が上昇すると聞き、自信が沸いてくる。
しかし桜木はすぐに勉強の難易度を上げるのではなく、当分はこのまま確実に平均点をとる実力を身につけて力を蓄え、「当たり前にできること」のレベルをじっくりと上げる方が無理が生じないとアドバイスするのだった。
大沢と親密になる水野
ある日の学校帰り、水野は駅で偶然大沢を見つけ声をかける。
2人はそのまま近くへ移動し、情報を交換し合う仲に。
そんな2人の姿を2年の西崎と栗山が見つけて尾行。
大沢が貧しい父子家庭ながらも勉強や部活に励み、さらに自分の実力を証明するために日本最難関である東大理科三類を受けるという動機を知り、水野は大きな刺激を受ける。
「医者になりたいわけでも将来の夢を持っているわけでもないが、東大は入った後の成績次第で学部や学科を選べる進学振り分け制度がある」というのも水野にとっては新たな情報で、ひとまず合格することに集中すればいいと自分を納得させた。
大沢への尊敬を抱き始めた水野、しかし西崎はそんな水野を恋する乙女に見立て、面白がるのであった。
勝負の夏休みが始まる
新生龍山高校の方針として部活動も盛んに支援する桜木。
そこにはグラウンドや体育館を安値で叩き売るより活用すべきという経営判断もあるが、長期的には生徒たちの脳を「いい脳」にするにはスポーツや芸術に触れさせ、竹馬の両足のように勉強と部活を交互に頑張らせることが重要という狙いもあった。
他方、特別進学クラスの生徒たちは勉強合宿をすることに。
大沢への憧れで勉強に熱が入る水野だが、西崎は大沢に水野が恋をしているようだと矢島や井野らにこっそり触れてまわる。
大沢への対抗心からか、心に複雑な想いを抱える矢島。
そして桜木は勝負の夏休みの過ごし方として、まずは授業形式ではなく自分で学習計画を立てるよう指示。
学校へくれば講師がいつでもアドバイスできるようにはしているものの、自分で緊張感と危機感を持って勉強する方が身に入る。
コツは時間割を作るのではなく、毎日のノルマを決めて確実にクリアすること。
自分の足跡がわかるようにできるだけ具体的な内容でノルマを設定し、前へ進み続けることができれば点数は後からついてくる。
夏休みの40日間を10日ずつ4クールに分け、1クールでは暗記物を徹底的に、英国数は基礎の反復にとどめ、特に理科2科目に注力するべし。
範囲が明確で何を覚えればいいかはっきりしているものに取り組むことで、実力がついた実感を持つことが長い勉強期間の初めには大事。
いよいよ長い夏休みが始まる。
井野は水野が大沢との恋にかまけて勉強が手につかない可能性があると桜木に告げ口するが、大沢が理科三類合格がほぼ確実と聞くと、水野への心配はないと断言するのだった。
【8巻のまとめ】
大手予備校の全国統一模試を初めて受けた水野と矢島だが、散々な結果に。
ただ今の段階で悲観することはなく、模試の直後から即座に対策と補強に乗り出す。
夏休みは自主的な学習をメインとし、過ごし方を伝授する桜木。
水野が模試で東大理科三類志望のイケメン・大沢と出会い意識し始めるなか、勝負の夏が始まるのだった。
次巻へ続きます。
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