世界一のジャズプレーヤーになることを夢見て日本を飛び出し、ドイツの地に降り立った大。
カタコトの英語だけ、縁もゆかりもない土地で新たな生活が始まった。
アジア人という人種の見えない壁に阻まれる大だが、楽器店の店主ボリスをはじめ現地で出会った人たちの支えを得て、女性の小柄な体格に見合わぬ力強い演奏をするベーシスト、ハンナ・ペータースと出会う。
初めは得体の知れないアジア人から突然声をかけられ警戒するハンナだが、ハンナとプレーすることを信じて追い求め続ける大。
その熱意は徐々に大の周りの人を動かし、ついにハンナも大と組むことを考え始め、大の腕前を見るためついにライブに足を運ぶ。
そこで大の圧倒的な実力を知り、大と一緒に演奏することを決意するのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ハンナと正式に組むことに
ライブにボリスとハンナが来ていることをしった大は、素直にハンナとの再会を喜び、改めて真剣にハンナを誘う。
〈ハンナを誘う大 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
ハンナは「プレーする時はいつでも全力でプレーする」ことを約束として、大と組むことを決意。
ハンブルクでの下積みを経て世界一有名になったビートルズと同じように、ここから世界一を目指すこととなる。
〈2人が組むことに [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
今はサックスとベースだけ、新たな仲間を探しながら、デュオの練習が始まるのだった。
ボリスのアドバイス
ボリスの店の試奏室を練習場所に借り、客がいる間や食事休憩を除いてひたすら全力でぶつかりながら練習する2人。
〈2人での練習 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
現時点での客観的な評価をもらうためにボリスにも2人の演奏を聴いてもらうと、ボリスは「お互いが合ったときは素晴らしい。今はそれが20%だけ」と率直な感想を伝えた。
そして新たな仲間を探すならベルリンに行くべきとアドバイスを送り、移動の為の金を稼ぐ方法も探してくれることに。
〈ボリスのアドバイス [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
ハンナはボリスにそのままマネージャーをお願いしようとするが、ボリスはマネージャーについては保留するのだった。
貧しいが常に前を向く大
ユースホテルで寝泊まりしながら練習に明け暮れる大。
同じ宿に泊まる友人もできるが、大は「ミスターATM」として冗談交じりに金を貸してくれと頼まれるようになっていた。
〈快く金を貸した大 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
それは以前イタリア人のアルフレッドという若者が宿を出ていく際に「土産を買う金が無いので50ユーロ貸してほしい」と頼みまわっていた時、誰もが相手にしないなか大だけはATMで金を降ろして貸し与えたから。
「単に自分は貸すことができたから、そしていつかアルフレッドが世界中を回る自分のライブチケットを買うことで返してくれたら」というだけの理由で金を貸した大。
〈大に後悔は無い [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
今では金に余裕がなく貧しい生活だが、彼に金を貸したことには全く後悔はないのだった。
路上パフォーマンスは楽すぎる
ボリスの力を借りて、ハンブルクの路上でパフォーマンスすることで金を調達することにした大。
〈路上パフォーマンスする大 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
軽いウォームアップの段階からその見事な演奏に釣られた通行人が次々とチップを入れて来る。
労せずにそれなりの金を得た大だが、表情はどこか暗い。
〈これは楽すぎる [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
「楽すぎる。これはオレ流じゃない。ハードな音を出すために、自分はいつでもハードでいたい」
と、楽な金稼ぎになびくことなく、路上でのパフォーマンスはもうやらないと決意するのだった。
ハンナが見返したい相手
ハンナの家に招かれた大は、ドイツで新たにデビューした「mohren 5(モーレン5)」というジャズグループのCDを聴かされる。
モーレン5は「技術と外見がバンドに合わない」という理由でハンナが外されたグループで、それ以来、上手くなって彼らを見返すのがハンナにとっての1つのモチベーションのようだ。
〈モーレン5を見返したい [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
ハンナと一緒にモーレン5に勝つ、それが大にとっての目標ともなっていくのだった。
大とハンナ、2人で感じた限界
ボリスに頼み込み、2人でのジャズライブの機会を探す大。
ボリスは知人たちに声をかけ、2人のライブの場所を提供した。
〈ボリスがライブの機会を提供 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
アジア人のサックスに女性の小さなベーシストという異端な2人組に疑いと好奇の目が集まる。
絶対に失敗できないシチュエーションに緊張するハンナだが、大が練習の時以上に圧倒的なソロで引っ張り上げ、次第に2人の演奏が噛み合っていった。
〈2人の演奏が噛み合う [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
演奏後、ボリスの呼んだ関係者たちの評価は真っ二つに。
ボリスは2人を評価した知人たちに2人に合いそうなプレーヤーの心当たりを訪ねる一方、大に支えられてしか自分のプレーができなかったハンナは悔しさを噛みしめる。
〈評価は真っ二つ [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
そして大とハンナは仲間を探してベルリンへと向かうのだった。
自分の演奏を追求するピアニスト、ブルーノ
ドイツ、ベルリン。
祖国ポーランドを離れ、ポーリッシュ・ジャズという枠組みからも離れてアルバイトをしながら自分のジャズを追求するピアニスト、ブルーノ・カミンスキは今日もサポートに入ったジャズライブでメンバーと衝突していた。
〈孤高のピアニスト、ブルーノ [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
繊細で高い技術を持つブルーノだが、性格に難があり、メンバーのミスに腹を立てて演奏中にもかかわらず水をかけてまた何事もなかったかのように自分の演奏に集中する。
そのライブを見ていた大とハンナは、ブルーノの演奏と振舞に驚きながらも興味を惹かれるのであった。
〈ブルーノに興味を抱く大 [BLUE GIANT SUPREME 3巻](c)集英社/古舘春一〉
ボーナストラック
ハインドル(ボリスがライブに呼んだ知人):後に大とハンナととあるプレーヤーを引き合わせたことをほのめかす。彼らの出会いは「磁石のように引かれあっただけ」、そのライブは「革命的だった」と表現する。
【3巻のまとめ】
ハンナと正式に組むことになった大。
ハンナは「技術と外見がバンドに合わない」という理由で過去に外されたグループ「モーレン5」を見返すのが1つのモチベーションであり、大も一緒に勝つことを決意した。
しかし2人で初めてやったライブへの評価は真っ二つ。
ボリスのアドバイスで更なる仲間を探しにベルリンへと移った2人は、性格に難があるものの確かな技術でひたすらに自分のジャズを追求するピアニスト、ブルーノ・カミンスキを見つけるのだった。
次巻へ続きます。
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