赤場帝一は、将来総理大臣を目指すべく、名門海帝高校へと進学し、生徒会長を目指すことに。
まず、ルーム長に選ばれ、相棒の榊原光明を副ルーム長に任命し、活動することにしたのだった。
厄介者の東郷菊馬とその右腕の根津二四三、そして6組の大鷹弾が強力なライバルとなる。
特に大鷹は外部生で、成績は超優秀、人望も厚いということで家は貧しかったが、ルーム長に選ばれたのだった。
今後の出世争いのために、まずは次の生徒会長選で勝ち馬に乗ることが必須。
帝一・菊馬・弾は紆余曲折を経て森園の勝利に貢献し、大本命の氷室ローランドを破って生徒会長に当選した。
一方、弾は美美子のことが好きだという自分の気持ちに気付いて美美子と惹かれ合っていき、2人共と友達でいたいという美美子の意向により帝一は恋人から友達へ降格となってしまった。
帝一たちは２年生になり、本格的な会長選に臨むことになるが、個性的な１年生が入ってきた。
弾とはかねてから親交のあるカリスマの野々宮、光明推しの成田、帝一に初接吻をする女性的な夢島、菊馬についた海帝愚連隊の久我、新興宗教の教祖の息子・蒜山、森園の将棋の相手を昔からしていた羽入などが登場。
そして森園が会長選にメスを入れ、来年度からは１年、２年生全校生徒で会長を決めることとなり、帝一たちは票固めに奔走する。
一方、美美子は帝一の妹・夢子の警告を受け入れ、帝一と弾と別れることを2人に伝える。
しかし、別れを告げに行った帝一と美美子の会話を菊馬が盗聴しており、それが不純異性交遊にあたるとして評議会の議題に取り上げられ、森園はその参考人として美美子を呼んでいた。
菊馬から帝一は美美子との関係が不純異性交遊だと迫られるが、美美子にプロポーズして美美子への気持ちが本気であることを伝え、帝一と弾で生徒会長になった方が美美子と結婚するという約束となった。
しかし美美子に一目惚れしてしまった野々宮が強引にでも美美子を自分のものにしたいという欲を抑えきれなり、弾を裏切って菊馬を支持。
野々宮は美々子を手に入れるために、週刊誌に2人でキスしているところを撮らせて、既成事実を作ろうとする。
野々宮が菊馬を支持したことで、帝一の世論調査の票が下がったため、光明を蒜山と野々宮の元へと潜入調査に送った。
そこで蒜山と野々宮は、天照国を作る！と宣言していて、その様子を盗聴していた光明は蒜山に作戦がバレ、光明は監禁・洗脳されてしまう。
自分の策のせいで光明を失い、絶望に暮れる帝一は、自分の生徒会長選の立候補辞退を申し出て、弾を生徒会長にすることを決意する。
一方、野々宮はマスコミの前で美美子との結婚を宣言するが、美美子は激しく拒否して婚約者が2人いることを明かし、海帝高校の生徒会長選にマスコミの注目が集まる。
野々宮は父による弾への学費援助を妨害し学費未納を問題にしようとするが、弾1人だけでなく帝一たち仲間みんなで弾の学費を稼ぎ、窮地を脱した。
そして選挙日当日、弾の呼びかけによって帝一も生徒会長選候補者に復帰。
マスコミを通して日本中が注目するなか、1、2年生のみならず、3年生も含めた全校生徒での生徒会長選の火蓋が切られるのだった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
運命の会長選始まる
遂に生徒会長選が始まった。
先ず、歩き出したのは3年生。
真っ先に帝一の元へと集まってきた。
3年は中学の時から帝一のことをよく見ていてくれて、先輩を立てていてくれていたことに感謝の意を表したのだ。
続いて、久我・夢島軍団が帝一へ、成田たちは弾へと投票。
ここまでは予想に反して、帝一の有利となっていたが、蒜山と野々宮が動くと一気に菊馬派に1・2年生が雪崩込み、逆転する。
制限時間４５分を残して生徒全員が投票し状況が膠着するなか、そこへ、野々宮の父にして現首相の幸四郎が選挙会場にやってきた。
動揺する野々宮。
マスコミもザワつく。
そこで、明かされたのは、弾の支援者が自分だということ、そして今日発売された週刊誌で幸四郎が知ったという、弾の学費未納問題…｡
幸四郎は皆の前で弾に謝罪し、状況が動くのであった。
野々宮幸四郎の懺悔と暴露
幸四郎はマスコミに対し、弾が自分のブレーンであり、学費の援助と引き換えに将来私の仕事を手伝ってもらうことが条件であったことを明かす。
さらに弾の学費を差し止めたのが息子であることが暴露されると、野々宮を支持していた生徒たちが一斉に反発し、弾のもとへ表が流れていった。
幸四郎は、野々宮がマヨネーズ事件を起こして、事件が表沙汰にならないように 洗脳プログラムを野宮に施したことをマスコミに打ち明ける。
そして自分が責任を取って内閣総理大臣を辞任することをその場で宣言。
一高校の生徒会長選挙が、日本を揺るがす大きなニュースとなった。
幸四郎は美美子を呼び、これまで野々宮がしてきたことを謝る。
野々宮も美美子のことは本気だったから…と泣きじゃくっていた。
幸四郎総理の登場で、票は大きく菊馬から弾へと流れていったのだった。
野々宮、目を覚ます
美美子はこれを受けて、マスコミの前でテレビの仕事からの引退し、好きな人と一緒に歩いていくことを宣言。
心を入れ替えた野々宮は菊馬派を離れて弾のもとへと戻り、「俺の腐った心根を鍛え直してくれ！」と弾に許しを乞う。
これで帝一、弾、菊馬の票数は僅差の大接戦となった。
光明の復活と菊馬派の崩壊
会場へある猫が現れた。
その首には光明が洗脳される前に帝一に託したカセットテープがぶら下がっており、久我が放送室からその内容を学校中に流す。
そこには自分が洗脳されるであろうことを予期した光明の本音が録音されており、自分に宛てたメッセージによって光明の洗脳が解けた。
大粒の涙を流しながら光明は帝一と抱き合い、帝一のもとに光明が帰ってきた。
さらにこのテープには続きとして蒜山が語った悪事がしっかりと記録されていた。
終末論も全て詐欺であったことがバレ、信者たちは一斉に離れてマスコミも天照霊波救世教の詐欺行為を報じる。
投票終了まであと５分となり、菊馬派は完全に崩壊したのであった。
現在、票数は一票差で弾がリード。
すると菊馬は高笑いを始め、蒜山に洗脳されていたフリをやめ、根津と共に腐れ縁として帝一の元へと投票するのだった。
生徒会長・大鷹弾！
投票終了１分前、帝一が1票差でリード。
しかし終了直前、帝一は自ら弾のもとへと投票し、そのまま投票時間が終了。
帝一が弾に票を入れたことにより、大逆転で生徒会長は弾に決定したのだった。
帝一の旋律
驚く弾に対し、帝一は自分の国を作りたかった理由について「ただ自分は誰にも邪魔されずにピアノを弾きたいだけだったんだ」と明かす。
それを聞いた譲介は、涙を流しながら「すまなかった、帝一」と謝る。
帝一も「父さんには感謝しています、僕は選挙を通じてこんなにも多くの仲間を得る事ができたのですから」と感謝の意を表した。
弾は帝一にみんなの前でピアノを弾くように促し、帝一の奏でるピアノが生徒たちやテレビを通じてみている全国の視聴者たちの疲れた心を癒していった。
遂に結ばれる2人
激動の会長選が終わり、野々宮や蒜山たちの悪事など、社会的関心が国民に向けられ、美美子の引退宣言や帝一たちがマスコミから注目されることも無くなっていた。
そして美美子は、今回の選挙を通じて自分の気持ちがはっきりした、と語る。
弾のために戦い、自分を犠牲にしてまで弾を生徒会長にした帝一を見て、改めて帝一が好きになったのである。
弾もそれを聞いて、泣きながらも潔く負けを認めた。
こうして長く続いた、恋の三角関係は決着がついたのだった。
それぞれの卒業式
卒業式も無事終わり、森園は、生徒会長選の一件で推薦入学が取り消されたため、浪人することに。
氷室と駒は、2人で慶凰大学に進学。
京田は詩人になることに。
そして、羽入は…高校を中退して、将棋の道へと戻ることに決めた、と森園に話した。
生徒会長選で、3年生を選挙に参加させることを提案したのは、羽入だった。
その読みは見事に当たり、冷静な3年生たちは誰1人として、菊馬の元に入らなかった…と千手先を読む羽入の戦術が功を奏したのだ。
弾帝時代の始まり
これから、帝一、弾たちによる生徒会が始まる。
生徒会長・大鷹弾。
副会長・赤場帝一。
副会長・東郷菊馬。
会計・榊原光明。
書記・根津二四三。
菊馬と根津を役員にしたのは、大胆な改革を行うのに妨害工作させないためであり、それは、弾と帝一の海帝改革への強い意志の表れだった。
弾は多くの抵抗を受けたが、帝一と光明の根回しや知略で乗り越える事ができ、以下の大改革を行なった。
生徒会長選挙は立候補制とし、全校生徒がその権利を有する、また、全校生徒が投票権を有すること。
この改革により、ルーム長になることのメリットはなくなり、多額の寄付金競争は事実上消滅した。
そして、弾は幸四郎に頼み、政財界に根を張る海帝会長派閥の存在を明らかにした。
こうして海帝会長派閥は急速にその力を失っていった。
一方、野々宮は、幸四郎との時間を多く過ごすことによって、元の性格を取り戻していた。
そして蒜山は、親と教団とも縁を切り、日本一厳しいと言われる寺に修行に入ったのだった。
生徒会長選、完全自由化
そして、帝一たち3年生の11月…。
会長候補者25名が弾に届出を出した。
こうして海帝高校の生徒会長選挙は、お祭り騒ぎとなり、以前のような重々しい物ではなくなったのだった。
晴れて、帝一たちの改革は成功に終わったのだ。
頂点に上り詰めた帝一
帝一と美美子、光明は3人で東京タワーにデートに出かける。
帝一は美美子と晴れて婚約したが、大学卒業まではおあずけである。
海帝高校は完全民主化になり、もう生徒会長でない帝一でも実力で上に登れるのだ！
そう、副会長の帝一でも…。
弾は帝一のそんな考えもお見通しのようだ。
実はあの選挙の終了間近、帝一は3年の草壁が弾の元へと移動しようとしているのが壇上から見えていた。
帝一はその一瞬で、「負けた」と「勝たせた」では天国と地獄ほどの差があると判断し、自ら弾に投票することを決断したのである。
こうして、帝一は改めて自分の国を作る決意を新たにする。
その数十年後、帝一は貧困や格差問題、少子化問題などの取り組む総理大臣となっていた。
そして、帝一は秘書にこう続ける。
「こんな日本では、安心してピアノを弾けないからな」と。
【14巻(完)のまとめ】
野々宮の父・野々宮幸四郎首相の登場や蒜山の悪事と詐欺、光明の洗脳などが暴露されたことで菊馬派が完全に崩壊。
そして帝一はあと一歩のところで自分が生徒会長になれる、というところで、自分自身の意思で自ら弾に投票し、弾が生徒会頭に選出された。
選挙の様子を見ていた美美子は改めて帝一のことが好きになり、2人は婚約、弾も素直に2人のことを祝福し、大学卒業とともに結ばれるのだった。
弾帝の生徒会が発足し、帝一は副会長、光明は会計、菊馬も副会長、根津は書記になった。
弾が改革を進めたことで海帝高校の旧体質が終焉を迎え、日本を牛耳っていた海帝派閥も崩壊。
帝一は選挙終了間際にあえて自分が弾を勝たせたことで、生徒会長でなくとも上に上り詰める道筋を確保したのである。
そして、数十年後、帝一は見事に内閣総理大臣の座に収まり、自分の国を作るために奮闘するのだった。
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