駐屯地では未知の犬型化け物に遭遇し、新たな試練に直面する中、それぞれが生存のための決断を迫られる。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
犬型化け物との死闘
義明たちは犬型化け物の集団に襲われ、近くの小屋に逃げ込む。
そこには手足を失い瀕死の生存者たちがいた。
小屋は化け物の食糧庫だと気づいた時、すでに外は大勢の化け物に囲まれていた。
足を負傷していた岩倉は、義明に「援護するから走って逃げろ」と指示し、小屋を飛び出すよう促す。
義明は必ず助けに戻ると約束し、その場を後にする。
一方、銃で援護していた岩倉も、とうとう弾が尽き、最後の一発を手に取るのだった。
救出と新たな仲間の登場
逃走を続ける義明、俊敏な犬型化け物に追いつかれ囲まれてしまうが、間一髪のところで吉岡に助けられる。
岩倉を救出するべきだと訴える義明に対し、吉岡とノイマンは冷静に反対意見を述べる。
怒りに満ちた義明と吉岡が一触即発の緊張感を漂わせている中、1台の装甲車が突如現れる。
「笠原煙火店」と書かれたその車のリアハッチが開くと、そこから大量の爆発物を放ち化け物を焼き尽くした。
その火力はさらに増し、小屋にまで燃え広がり始める。岩倉は、焼死か化け物に噛み殺されるかという地獄の二択を迫られる状況に追い込まれてしまう。
絶望の最中、岩倉の脳裏に10年前の悲惨な記憶が鮮明に蘇る。
反政府ゲリラに襲われた彼の家族は、目の前で父親が殺される悲劇に見舞われた。
その後、彼は組織に拾われ戦闘員としての訓練を受けることになる。
当時の教官から教え込まれた「もしもの時のために弾を一発だけ残しておくように」という教えが頭をよぎる。
それは、自害という名の天国への切符だった。
岩倉はその言葉を思い出しながら、銃口を自分に向ける。
しかしその瞬間、小屋に装甲車が突入し、義明と関西弁の男が助けに現れる。
岩倉は装甲車に乗り込み、礼を述べた。
友達だからだ、と力強く答える義明。
その言葉に岩倉は胸の奥で熱いものを感じ、二人の信頼関係はさらに深いものとなった。
新たな脅威と謎の少年
全員が揃い、状況を確認する。
助けに来た装甲車には二人の男性――笠原裕史と花畑慎平――が乗っており、西の方から来たことを説明する。
車の中で怪我の手当てをしつつ話を聞いていた岩倉だったが、後ろから物音がすることに気付く。
布が被されたケージがあり、布をめくるとそこには包帯でぐるぐる巻きにされた子供が監禁されていた。
岩倉が包帯を外すと、その子供は化け物と化しており、襲いかかってきた。
チェーンソー片手に臨戦態勢の吉岡が立ちふさがるが、その刃の間に割り込んできたのは花畑だった。
花畑はそれが自分の息子・陸であり、狂犬病に似た病気に冒されていると説明。
医者に見せれば治ると主張するが、一同は困惑しながらも彼の話を鵜呑みにすることはできなかった。
笠原は一人、離れ背を向け泣いていた。
武器庫での新たな危機
再び包帯を巻かれ、ケージに戻された陸。
一同は笠原の運転する装甲車で移動を開始する。
兵庫から来たと話す笠原、花畑は昔からの友達で、家の車を改造してここまで来たらしい。
神戸・大阪・名古屋・東京を探索したが、医者どころか生存者も見つからなかったという。
武器庫に到着した一行は、岩倉を見張に置き、武器を車に積み込む。
皆が急ぎ運ぶなか、ノイマンの異変に義明が気付く。
肩を抑えるノイマン、本人にも自覚はないようだが、体調が悪そうなのは明らかであった。
突如銃声が響く。
岩倉が発砲したのだ。
急ぎ武器庫を出た一同は、奇妙な光景の目の当たりにする。
犬の化け物の大群が、一斉に同じ方向に走りだしたのだ。
戸惑う一同、それが合図のように、今度はケージを壊さんとばかりに陸が暴れ出す。
なだめる花畑。
犬の化け物がこちらに見向きもしないことから、何かから逃げているようだと義明は不審がる。
その後方に目をやると、ビルの谷間にあの時の光景が蘇る。
化け物の山、そしてその頂点には見覚えのある男の姿。
あの時の悪夢が再び現実となった。
一同は装甲車に乗り込み逃走を図る。
みるみる追いついてくる化け物山。リアハッチを開き、武装した面々が反撃にでる。
銃で打ちこみ続けるも勢いはおとろえず、頂点の男も取り巻きに守られ攻撃が当たらない。
とうとう追いつかれ、手のように形を変えた化け物山は、装甲車を軽々と持ち上げてしまう。
まるで通路のように化け物達が並び集まるその上をゆっくりと歩き近づいてくる頂点の男。
そしてついに装甲車の中に侵入を許してしまうのであった。
頂点の男との対峙
対峙する双方、いち早く動いたのは岩倉だった。
落ちている銃を拾いあげ頂点の男に照準を合わせる。
スコープ越しに見たその姿はあまりに異形、腹を異常なほど膨らませている。
次の瞬間、空気を一気に吐き出し凄まじい大声をあげる頂点の男。
あまりの衝撃に鼓膜が破れ、卒倒してしまう一同。
頂点の男は義明の顔を掴み、何か狙っている様子。
瀕死の吉岡の機転で、四駆をかけてのアクセル操作で化け物山に掴まれていたか箇所から逃げ切ることに成功する。
落下した直後、装甲車は一気に走り出す。
頂点の男の影響か、化け物山が狂ったように動きを活発化させ、装甲車に迫りくる。
装甲車の中では義明が頂点の男に銃口を突きつけていた。
顔に突きつけ発砲するも当たらない。
なんとノイマンが割って入り銃口を逸らしたのだった。
殺してはいけないと庇うノイマンに岩倉が怒号を浴びせる。
化け物達にも追いつかれ、さらには再び頂点の男が腹を異常なまでに膨らませる。
次の瞬間ノイマンは走り出していた。
ボールペンを腹に突き刺し、キャップを外す。
するとそこから一気に空気は抜け、腹が萎んだ頂点の男はその場に倒れ込んだ。
同時に、外にいた化け物達の動きも止まる。
どうやら頂点の男が操れなくなったからのようだ。
腹を膨らませていたことから、常人には聞き取れない声で信号をおくっていたのだろうとノイマンは推測する。
なんとか窮地を脱した一同に、あらたな問題が立ちはだかる。
頂点の男をどうすべきか。
施設に連れて帰ると提案するノイマンに対し、今すぐ始末するべきと言ったのは岩倉だった。
この世界を産んだであろう頂点の男を調べるべきと主張するノイマンの隣で、研究者ごっこに付き合う気はないと岩倉は銃を構える。
譲れないノイマンは、拾い上げた銃を岩倉に突きつける。
スコープ越しに睨み合う両者に、義明はただ困惑していた。
【3巻のまとめ】
義明たちは犬型化け物との死闘を繰り広げる。
追い詰められるも、装甲車に乗った新たな仲間・笠原と花畑に救われれた。
装甲車内で花畑の息子・陸が化け物化していることが発覚し、不安を抱えながらも武器庫で補給。
その最中、化け物山と頂点の男が再び姿を現し、義明たちの行く手を阻む。
激しい戦いの末、ノイマンの機転で頂点の男を倒し、化け物山の動きを止めることに成功。
しかし、頂点の男の処遇を巡り、仲間たちの間に対立が生じ、一同は新たな問題に直面するのだった。
【3巻の見どころ】
義明たちは犬型化け物の襲撃を受け、小屋に逃げ込むも、そこは化け物の食糧庫だった――。
極限状態の中、仲間の岩倉が決死の覚悟で援護するシーンは、まさに息をのむ展開です。
さらに、装甲車と爆発物で化け物を蹴散らし、岩倉を救出する場面は圧巻。
義明の「友達だからだ」という言葉が、戦火の中で芽生える信頼を象徴します。
しかし、安堵する間もなく、新たな脅威が姿を現します。包帯でぐるぐる巻きにされた子供・陸の正体、そして化け物山を従える「頂点の男」。
圧倒的な力を持つ敵に対し、仲間たちはギリギリの戦いを繰り広げます。
ノイマンの機転で頂点の男を無力化するものの、彼をどうするかで仲間同士が対立。

次巻へ続きます。
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