家にも学校にも居場所を見つけられず、夜の街を彷徨ういじめられっ子の高校生神代ユウ。
ある時、本屋で見かけたボクシングの教本を手に取り、人知れず自室で訓練を繰り返すうちに不良たちを返り討ちにする実力を手に入れるように。
「ヤンキー狩り」として恐れられるようになったユウだが、その異名が更なる半グレや格闘家崩れを呼び込んでしまい、ユウの周りの友人達や大切な人も巻き込まれていく。
繰り返されるストリートファイトのなかでユウが行き着いたのは―。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
不良狩りのボクサー
夜の下北沢。
街の不良たちの世界で代沢高校の八木が台頭しはじめているなか、その八木がある気弱な少年に絡んだところ、ボクシングのワンツーで返り討ちにされた。
その少年は最近「不良狩りのボクサー」という名で噂され、誰も正体を知らない存在だった。
〈不良狩りの噂 [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
八木がやられたことにより、元ボクサーで街のカリスマ的存在の伊沢マサキをはじめ、街の不良たちは一気に「不良狩りのボクサー」へ向いていくこととなる。
不良狩りの正体は気弱な少年
「不良狩りのボクサー」である神代ユウはいたって普通の高校生。
〈正体の神代ユウ [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
いじめを受けていたことからひきこもり、独学でボクシングの練習を重ねイジメに抵抗する力を得た。
学校でも「不良狩りのボクサー」についての噂を耳にし、さらに狙われることに恐怖が増す一方で、クラスメイトの男子たちが憧れの対象となっていることを知り、人生初めての高揚感を覚える。
居場所を求めて逃げ込んだ夜の街。
ユウはそこで暴力を知り、危険と隣り合わせになりながらまた引き込まれるように街に戻っていくのだった。
〈夜の街に引き寄せられる [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
初めての友
ついにユウが「不良狩りのボクサー」の正体であることがバレはじめ、街でヤンキーに囲まれてしまう。
八木を倒したことでヤンキーたちの腕試しの格好の的となったのである。
〈噂が広まり狙われる [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
ケンカの闘い方も、フットワークも、覚えたワンツー以外はまるで素人のユウ。
必死になって相手を殴り倒すが、もう正体がバレた以上、夜の街は危険すぎる。
恐怖に押しつぶされそうなところを、同じクラスでムードメーカーの金田シンイチに話しかけられる。
シンイチは得意のトークで誤魔化し、ユウをヤンキーたちの目から背けて助けた。
〈ユウを助けるシンイチ [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
このシンイチがユウにとって初めて、信じられる友となる。
そして同じクラスの伊沢マイもまた、ユウから兄のマサキに似た雰囲気を感じ取り、何かと気にかける。
こうした友人の存在がユウの支えになっていくのだった。
〈クラスメイトの伊沢マイ [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
柔道使いの猛者と決闘へ
ユウに返り討ちにされた世田商のヤンキーたちは、仕返しのために柔道部の猛者である岩戸を担ぎ上げたようだ。
ストリートファイトでの柔道の強さをよく知るマサキは、その噂を聞いて危機感を募らせる。
〈柔道使いの岩戸 [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
服を掴まれコンクリートの地面へ叩きつけられれば、一発で終わり。
その夜、ヤンキーたちは街でシンイチと一緒に居るユウを発見し、決闘の場へ引きずり出す。
シンイチの必死の誤魔化しもきかず、ユウは終わらない仕返しの連鎖に諦めの念を抱きながら戦いの場へ向かうのだった。
〈もう逃げられない [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
ユウ vs 岩戸
人気のない駐車場でヤンキーたちに囲まれるユウとシンイチ。
その情報をキャッチしたマサキも現場に急行する。
恐怖に膝が震えながら、ユウは岩戸とのタイマンに覚悟を決めて臨んだ。
〈震えながら抵抗 [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
明らかに怖じ気づいているユウだが、見事なワンツーで岩戸からダウンを奪う。
しかし決め切れなかったのがマズかった。
スイッチが入った岩戸は瞬く間にユウのパンチをはたき落とし、強烈な投げ技でユウを地面に叩きつけた。
〈投げ技を食らう [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
勝負ありかと誰もが思い、立ち去ろうとする岩戸。
ところがユウは再び立ち上がった。
痛みよりも、負けて夜の街にすら居場所を失うことを身体が拒否したのである。
〈身体が敗北を拒否 [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
ユウは唯一通用する左ジャブだけを頼りに岩戸を攻め、咄嗟に出たカウンターの左ストレートで岩戸をKO。
偶然に助けられて勝利を挙げるが、ユウの左拳もダメージで負傷してしまう。
〈偶然のカウンターで勝利 [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
岩戸がやられ、ユウをリンチしようとするヤンキーたち。
そこにマサキが割って入る。
喧嘩の通報を受けて警察も近づいてきたところで場はお開きとなり、マサキに助けられて日常生活に戻るユウ。
暴力に恐怖しながらも、自分が必死になって生きた経験を思い返しながら、ユウは再び夜の街に引き込まれていくのだった。
〈再び夜の街へ [ホーリーランド 1巻](c)白泉社/森恒二〉
【1巻のまとめ】
学校にも家庭にも居場所がない高校生の神代ユウは、あるきっかけでボクシングのワンツーを独学で覚え、いつしか不良たちを撃退する実力をつけ始めた。
その噂は「不良狩りのボクサー」として広がっていき、さらに強い者たちに狙われるユウ。
恐怖に膝が震えながら柔道使いの猛者、岩戸とのタイマンに臨み、偶然に助けられながらも勝利を挙げた。
暴力に怯えながらも、ユウは自分の居場所を求めて再び不良がはびこる夜の街に引き込まれていくのだった。
次巻へ続きます。
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