薬害事件を起こし、新社長のもと結束を高めるために登山レクリエーションに来ていた新入社員の早乙女をはじめとする藤谷製薬の社員たち40名。
しかし初日の夜からナタを持った大猿の襲撃により次々と社員が殺されていく。
山の険しさと共に増していく疲労と、追い詰められる精神。
社内に裏切り者がいる可能性が浮き彫りになり、徐々に分裂していく生存者たち。
度重なる激闘の末に猿の正体が人間であることが暴かれるが、突如として本物の魔猿も姿を現し牙をむく。
一行が山頂を目指していたところ、ずっと行方不明になっていた長谷川が猿の仲間ということを隠しながら再び姿を現し、早乙女たちに合流した。
その素振りを怪しんだ安斎と氷室が長谷川を襲うが、長谷川の負傷を見た早乙女が激昂。
状況証拠で不利と判断した安斎は氷室と共に早乙女らと完全に袂を分かった。
安斎と氷室は自分たちだけが助かるために全員を殺し、長谷川に罪をすべてなすりつけるシナリオを画策する。
他方、早乙女たちは猿の仲間と告白した林によって毒を盛られてしまい、解毒のカギとなる毒の名前を教えることを条件に安斎・氷室の殺害に協力することに。
一連の事件は藤谷製薬が起こした薬害事件への怨嗟と復讐であることが明らかになり、事件の主犯格である安斎と氷室を追う早乙女たち。
しかし圧倒的有利な位置で待ち伏せされ、氷室の投石を受けた宮田が崖下に転落してしまうのだった。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
安斎・氷室との戦い
宮田が転落し、怒る早乙女。
しかし氷室の投石によりなかなか近づくことができない。
一方、鎖で長谷川を手繰り寄せた安斎。
薬害で息子が被害にあった長谷川はその恨みを晴らすべくナイフで安斎を刺そうとするが、逆に安斎に腹と右腕を刺されてしまう。
〈長谷川が刺される [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
安斎は長谷川の右腕をそのまま切断し、長谷川に罪をすべてなすりつけるために銃に指紋をつけるというシナリオが順調に進む。
と、ここで魔猿と日本刀の男(トオル)が氷室の頭上から襲い掛かった。
〈氷室が襲われる [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
氷室は日本刀で斬られ、裏切り者のサインを見せて命乞いをするも魔猿に首を噛まれて死亡した。
人の心を捨てていなかった長谷川
ターゲットだけを殺す目的の長谷川に対し、トオルは無実の者も含めた全員の殺戮を宣言する。
トオルの言うことしか聞かない魔猿が早乙女らに襲い掛かると、意を決した長谷川が魔猿をナイフで突き刺した。
〈長谷川が魔猿に立ち向かう [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
長谷川が魔猿の左目を潰し、早乙女が岩で殴打。
よろけたところに林が捨て身のタックルをかまし、魔猿は崖下に転落。
しかし重傷を負った長谷川はそのまま息を引き取った。
長谷川と林の関係
長谷川の死を受けて泣き叫ぶ林。
〈林は長谷川の実の娘だった [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
林は長谷川の娘であり、弟2人が薬害にあった恨みを晴らすために長谷川の人事権を使ってコネ入社したのち、社内で証拠を探していたのである。
志半ばで死んだ父の遺志を継ぎ、林は安斎の殺害に向けて覚悟を固める。
無実の早乙女らは生かすが、魔猿とトオルとは必要なら戦って退場してもらわなければならない。
魔猿はまだ生きている、林はそう確信していた。
ひとりで下山を狙う安斎
1人で先に下山を狙う安斎。
しかし警官隊が辿ったであろう登山ルートのハシゴは落とされ、山頂へのルートしか残っていない。
警官隊が登った後にハシゴが落とされたという状況は、まだ山の中には他の魔猿がいるということを示していた。
〈魔猿はまだ生きている [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
山頂を目指す途中でトオルが使っていたと思わしき避難小屋を見つけ、安斎はそこで休息をとることができたのだった。
一般登山者の田畑との出会い
安斎を追って山頂を目指す林と早乙女たちは、一般登山者の田畑という若者と出会う。
〈謎の青年田畑との出会い [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
魔猿を見たという目撃談も口にするが、正直信用はできない。
しかし田畑も辿ってきた登山ルートのハシゴが落とされたと言い、また地上では藤谷製薬の役員らが殺され大事件になっていることを明かす。
早乙女らが助かる道は山頂に登るか、ここに留まって救助を呼ぶしかないが、飛んできた救助ヘリが着陸体勢に入らないことから、山頂に魔猿がいて妨害される危険があるのだろう。
〈山頂に行くしかない [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
結局は、山頂で魔猿を倒すしか道はないのだった。
安斎とトオルの闘い
山頂を目指す安斎は下から追ってきたトオルと対峙する。
〈安斎vsトオル [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
妹が薬害被害者であるトオルは安斎に斬りかかるが、安斎はアメフト仕込みの投石とタックルで応戦。
倒れ込むトオルは仕込み銃で安斎を撃ち左手を負傷させるが、安斎も警官から奪っていた銃でトオルを殺した。
〈安斎がトオルを銃殺 [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
これで魔猿は制御不能に陥るのだった。
山頂に到着
亡き父に導かれるようにしてついに岩砕山の山頂に着いた早乙女たち。
〈山頂に到達 [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
そこでは火縄銃を持った猿(犯人の一味)が待ち伏せしていた。
林がすぐさま無実の早乙女たちを庇って止めるが、その猿はナタも所持していることから最初の夜に殺しまわった犯人と思われるのだった。
〈最初の猿が待ち伏せ [モンキーピーク 11巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
【11巻のまとめ】
山頂間近での攻防の末、長谷川と氷室が魔猿に殺害され、その魔猿を操っていた日本刀の男も安斎によって殺された。
命からがら魔猿を退けた早乙女たちは、途中で出会った田畑という若者と合流しながら安斎を追って山頂にたどり着く。
そこでは最初に社員たちを襲ったとみられるナタを持った猿が待ち伏せしていたのだった。
次巻へ続きます。
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