若き書道家の半田清舟は、自作を酷評されたことに腹を立て書道展示館の館長を感情に任せて殴りつけてしまい、見かねた父によって自然豊かな五島へ左遷されてきた。
自分の家は村の子供たちである琴石なるや美和、タマなどの溜まり場と化しており、都会とは全く違う村の生活に振り回されることとなる。
なるの底なしの明るさや村人たちとの関わりによって少しずつ気持ちに整理をつけながら、自分を見つめなおすためのド田舎ライフが始まった。
島での生活に慣れ始めたある日、親友で画商の川藤が清舟に憧れる若き書道家の神崎と清舟を引き合わせ、成長やスランプからの脱却を促す。
村人たちとはすっかり打ち解け、なるとは家族同然のような絆が芽生え始めるなか、裏山で遭難しかけた際に新たなインスピレーションが沸いた清舟は、書展に出展する作品「星」を描き上げた。
清舟が単純に書展への出品と実家に荷物を取りに行くために一時的に帰っただけであり、人間としての成長を見せて書展の館長と和解を果たした清舟。
しかし書展の本番に向けては別の作品が必要となってしまい、館長からの期待のハードルが上がるなか、どうにか納得のいく作品を描き上げる。
結果は入賞圏外であったが、それは自分にとって一番大切に思っている村人たちの名前を描いた作品であり、村人たちの名前に合わせて「清舟」と自分の署名も書かれているのであった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。
窓ができたが…
家に新たに窓ができたことに感激する清舟。
実家から送った秋冬用の大量の荷物も届き、なるに手伝わせながら荷解きしてこれからの生活に備えていく。
料理ができない清舟の食事を支える秘策には缶詰、そして薪割り用に買った斧なども届いたが、荷解きは思うように進まない。
そうこうしているうちに斧の扱いを誤り、早速刃の部分が柄から取れてすっぽ抜け、できたばかりの窓を割ってしまうのであった。
演劇の練習
テレビの中では天才子役が素晴らしい演技を見せる一方、同学年のなるたちは分校の学習発表会に向けて演劇の練習をすることに。
題目は「大きなカブ」であり、清舟もナレーターとして練習を手伝う。
しかし学生時代に演劇同好会だった郷長の奥さんは指導スイッチが入ってしまい、ガチの感情移入と本気の演技を子供たちに指導。
台本すらもアレンジが加わった結果、厳しい要求に答えたなるたちは熱演。
練習ではカブに見立てた鉢植えを本気で引き抜こうとしてすっぽ抜け、清舟の窓がまたも割れてしまうアクシデントが起こりつつ、教頭に練習の成果を見せる。
ガチすぎる演技を見た教頭は、なぜこのようになったのか戸惑いつつ「もっと子供らしくやってみようか」と声をかけるのであった。
芸術家モード
仕事の案件で小説のタイトルを清書することとなった清舟は、久々の芸術家モードに。
インスピレーションを得るためにゴムボールを天井から吊り下げて星に見立てたりするなど、奇怪な行動に走っていく。
漫画家志望のタマは何となく波長を合わせることはできたが、ヒロシにはまるで理解不能な会話。
それでも清舟は生き生きとしながら自分の世界に没頭するのであった。
美和がDV被害に?
清舟の家に入り浸る美和に薪割りを手伝わせた際、様子がおかしいことに気付く。
腕にはアザがあり、父の顔を見たくないと言って家に帰りたがらないことからDVを受けていると確信した清舟。
美和を守ろうと、呼びに来た美和の父親に対して斧を構えながら対峙しようとするが、全ては清舟の勘違い。
美和の父親が酔った勢いで屋根に登ろうとし、美和がそれを力ずくで阻止しようと梯子を外したことで父親は全治3週間の怪我を負い、美和も梯子の下敷きになってアザを作っただけだったのである。
紛らわしい態度を取った美和に憤慨しつつも、誤解は解けて一件落着となるのであった。
最年長のキヨば
村にはハロウィンのように子供たちが大人にお菓子を催促して回る「いもまん」という風習がある。
清舟もなるたちについて村人たちの家を回り、最後は最年長99歳のキヨばのところへ。
春から寝たきりになってしまい会えていないなるたちはキヨばのお見舞いがてら様々なことを教えてもらい、キヨばも子供たちとの触れ合いを喜ぶ。
しかしすっかり夜になってしまい、皆が帰った後、もらい忘れたお菓子を取りになるが戻ると、キヨばはベッドの横になるを呼んで一緒に月見をする。
昼間は元気そうにしていても、一人でいるときは寂しさを抱えているのを知り、なると清舟は時々顔を出しに行ってあげることにするのであった。
料理人を志すヒロシ
進路を料理人志望に変更したいと考えるヒロシだが、面談でそれを聞いた教頭は「料理の道はそんなに甘くない」と再考を促す。
ヒロシは清舟とキャッチボールしながら進路の悩みについて相談。
その中で人からどういわれようと自分への自信があればいいと教わったヒロシは、翌日から意を決して髪を黒く染め、教頭の伝手で料亭に面接することに。
合格でも、不合格で進学するにしても島から出ていく未来が近づいているのであった。
分校の学習発表会
分校の学習発表会に招かれ、母親たちと一緒に観覧することとなった清舟。
緊張しながらも頑張る子供たちの発表を温かい目で見守り、婦人会の余興も楽しみつつ子供たちの成長を感じる。
1人1人が何ができるようになったか大きな声で発表する最後の挨拶では、なるは習字が上手になったことを発表し、清舟は図らずも感激。
しかし今まで深く考えていなかったが、なるに両親はいないのではないかという疑念がよぎる。
さすがに直接なるに聞くわけにもいかず、清舟はなるの笑顔のため、家族のように傍にいるのであった。
【7巻のまとめ】
この巻ではメインストーリーに大きな進展はありませんでした。
次巻へ続きます。
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