若き書道家の半田清舟は、自作を酷評されたことに腹を立て書道展示館の館長を感情に任せて殴りつけてしまい、見かねた父によって自然豊かな五島へ左遷されてきた。
自分の家は村の子供たちである琴石なるや美和、タマなどの溜まり場と化しており、都会とは全く違う村の生活に振り回されることとなる。
なるの底なしの明るさや村人たちとの関わりによって少しずつ気持ちに整理をつけながら、自分を見つめなおすためのド田舎ライフが始まった。
島での生活に慣れ始めたある日、親友で画商の川藤が清舟に憧れる若き書道家の神崎と清舟を引き合わせ、成長やスランプからの脱却を促す。
村人たちとはすっかり打ち解け、なるとは家族同然のような絆が芽生え始めるなか、裏山で遭難しかけた際に新たなインスピレーションが沸いた清舟は、書展に出展する作品「星」を描き上げた。
しかし書展への出展期限が迫ったある日、清舟は川藤からの連絡を受けて東京に帰ることに。
なるたちに別れを打ち明けることすらもできないまま荷物をまとめて出て行った清舟。
神社に寄付した人々の名前を木の板に清書する仕事は最後までこなしたものの、村人の一員の中に自分の名前は書いていないのであった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。
東京には一時的に帰っただけ
夏休みが終わり学校が始まったが、清舟がいなくなったことでなるは放心状態が続いていた。
美和たちは清舟との楽しかった思い出に浸るが、誰も別れの挨拶や感謝を伝えられていなかったことで急に寂しさが押し寄せてくる。
すると美和は意を決して清舟を追って東京に乗り込むことを決意し、子供たちも次々と賛同。
清舟を島に連れ戻すための決起集会の様相を呈し始めたが、そこにやってきたヒロシは清舟が単純に書展への出品と実家に荷物を取りに行くために一時的に帰っただけであり、翌週には島に帰ってくることを明かす。
連絡もせずいなくなったことや心配して損をしたことに美和たちが憤慨する一方、なるは清舟も村の一員であることをアピールするため、村人の名前を書いた木の板(5巻参照)の末尾に勝手に「はんだせんせい」と書き加えるのであった。
館長と和解するも別の作品が必要に…
久々に東京へ帰り、川藤と共に館長に出品作品を見せることとなった清舟だが、清舟は緊張と不安でいっぱいの様子。
今回の字は自分にとってはかなりいい出来であるものの、出来上がった経緯はまぐれでしかなく、「自分の字」といえるほどには至っていないことに悩む清舟。
そこに館長が姿を見せると、島での暮らしを経て人間的に成長した清舟は誠意を込めて殴ってしまったことを謝罪し、館長も清舟を許した。
胸をなでおろしたのも束の間、館長が作品を評価する際には取り乱しながら「この字は試作品」と予防線を張るなど慌てた様子を見せるが、館長はその作品と清舟の成長を高く評価。
だが「試作品」ということは本来の字が別にあることを意味しており、本番ではこれよりもいい字が見られると館長が期待を寄せる展開に。
館長の許しを得たことでひと段落つくかと思いきや、思わぬ展開でハードルが爆上がりすることとなり、清舟は呆然としながら実家へと帰るのであった。
納得のいく作品が完成
出展の締め切りが翌日に迫るも、新たな作品のインスピレーションが全く湧かず大ピンチの清舟。
見かねた川藤は五島の子供たちに電話をかけ、みんなの声を聞かせて元気づけようとする。
子供たちも口々に帰りを待っていることを告げると、清舟に閃きがおりてきた。
そのヒントは村の神社の板に書くためにメモした、村の皆の名簿。
厳格な父・清明と過保護な母が見守るなか、清舟は納得のいく作品「石垣」を描き上げるのであった。
美和とタマの習字課題の結果は…
清舟の帰りを待つ間、美和とタマは清舟に見てもらった習字の課題の結果が出た。
W金賞で清舟を驚かせようと期待に胸を膨らませていたが、結果はタマが金賞、美和が銀賞。
美和はタマのことを逆恨みしつつ、次こそは金賞を取ることを誓うのであった。
過保護な母と厳格な父
清舟への愛が行き過ぎて過保護な母親は、心配のあまり清舟が島へ帰るのを断固阻止しようとする。
しかし父・清明は自分も若いころに五島で暮らしたことがあり、郷長とは旧知の仲であることを明かしつつ、島へ帰ろうとする清舟の背中を押す。
清明は島である赤ん坊の誕生に立ち合い、産まれたばかりの赤ちゃんからインスピレーションを得たことがあるという。
その赤ちゃんの父親はなるの祖父であり、写真では赤ちゃんに「優一郎」という命名の文字が映り込んでいた。
そして島の皆から清舟に宛てた荷物が届き、清舟が村の皆から必要とされていることがわかると、母もようやく折れて島へ行くことを認めるのであった。
清舟が島に帰ってきた
清舟が島へ帰ることが決まり、美和たちは散らかしまくった清舟の家を片付けることに。
途中で遊びが始まってしまい、最後はヒロシの助けで片付け終えたものの、島の上空に霧がかかったために飛行機は順延。
書展の出品作品が出そろい、審査員の清明を含めて審査が始まり、翌日の昼に島に到着する頃には審査結果が出た。
なるたちは清舟の帰りを子供たちが笑顔で迎え入れ、書展の審査の結果に「いい結果だったの?」と聞くと、清舟はさらっとした表情で「まぁな」と答える。
だが結果自体は清舟の字は入賞圏外。
それでも自分にとって一番大切に思っている村人たちの名前を描いたその作品は清舟が自分の字に向けた確かな第一歩となり、村人たちの名前に合わせて「清舟」と自分の署名も書かれているのであった。
【6巻のまとめ】
清舟が単純に書展への出品と実家に荷物を取りに行くために一時的に帰っただけであり、人間としての成長を見せて書展の館長と和解を果たした清舟。
しかし書展の本番に向けては別の作品が必要となってしまい、館長からの期待のハードルが上がるなか、どうにか納得のいく作品を描き上げる。
結果は入賞圏外であったが、それは自分にとって一番大切に思っている村人たちの名前を描いた作品であり、村人たちの名前に合わせて「清舟」と自分の署名も書かれているのであった。
次巻へ続きます。
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