追跡の末、義明はボコールの頭部を切断して脅威を取り除いたかに見えたが、再生中の頭部に指を噛みちぎられ、感染の疑念が生じる。
仲間たちの間で葛藤が生まれ、義明は命を狙われながら施設内を逃げ回るが、最終的に仲間に捕まり腕を切断されることで一命を取り留める。
一方、施設には、救援を名乗るデイジー率いる軍人たちが到着。
収容者たちは家族の安否を確認するなど一時的に喜びに沸くが、彼女たちが国連とは無関係であることが明かされる。
デイジーはウィルスを神の恵み、感染者を天使と称え、ボコールを光の子と崇める異常な信仰を語り、収容者たちに残酷な選択肢を突きつける。
その裏で、デイジーの部下パーシー率いる軍人たちは岩倉たちの部屋を強襲。
罠や奇策で一時は形勢を逆転させるものの、軍人たちの圧倒的な戦闘力に追い詰められ、危機的状況に陥るのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。
反撃の策と揺れる均衡
岩倉たちは床に伏せて降参していたが、軍人たちは容赦なく吉岡を床に叩きつけ、岩倉も殴りつけた。
ノイマンが冷静に制し、ボコールの映像の存在をほのめかすことで、軍人たちの攻撃を一瞬止めることに成功した。
外では銃声が響き渡り、収容者たちが次々と射殺されていく中、部屋には諦めの空気が漂う。
しかし、笠原だけはまだ希望を捨てていなかった。
そんな中、軍人たちはベッド下に隠されたボコールの死体を発見し、激怒する。
吉岡に刃物を振り上げた瞬間、背後にいたパーシーが味方の首筋に噛みついた。
それは岩倉たちが仕掛けた罠だった。
画鋲に付着させたウィルスによって、パーシーは感染させられていたのだ。
状況は一気に逆転し、笠原は軍人たちに銃を向け、怒りの引き金を引いた。
一方、デイジーは花畑を仲間に誘うが拒絶される。
挑発に怒りを募らせたデイジーがゴードンに花畑の処分を命じた瞬間、彼の首に矢が突き刺さる。
それは屋上から放たれた岩倉の矢だった。
突然の反撃にデイジーは動揺しながらも、次第に怒りを露わにしていった。
義明覚醒とデイジーの過去
義明は目を覚ました。
外から聞こえる花火のような音に羨ましさを覚えるが、それは銃声だった。
軍人たちが収容者を次々と狙撃し、建物内へ侵入していた。
階段を上る軍人たちに、ノイマンが上から濡れたシーツを投げ込む。
そのシーツにはウィルスが付着した針が仕込まれており、感染した軍人は仲間に襲いかかった。
廊下では岩倉が放った矢が軍人に命中し、矢に付着したウィルスにより彼も化け物と化して仲間を襲い始める。
デイジーの隣に横たわるゴードンも化け物と化し襲いかかるが、デイジーは冷静にワイヤーで縛り無力化する。
物怖じしない彼女を見守り、ハット伍長はかつての記憶を呼び起こす。
ハットとデイジーは、クルーズ船で感染者の群れに囲まれた絶望的な状況を経験していた。
漂流中、船は座礁し、海に飛び込んで陸にたどり着いたものの、そこも化け物の巣窟だった。
ハットが十字架を掲げて化け物に身を捧げようとすると、化け物たちは無視し一箇所に集まり始め、巨大な化け物山を形成。
その頂点にはボコールがいた。
ハットはそれを「最後の審判」と解釈し、二人は光の子を探す旅に出ることを決意する。
横須賀の米軍基地で取り残された軍人たちと出会い組織を結成する。
ハットたちは、その後の調査で多くの推測と仮説を立てる。
そして、感染者が未感染者を凌ぐ生命力を持つことを新たな生物の特徴と捉え、光の子を感染者たちの意志の象徴であり、従来の人類の定義を超えた存在だと結論付けた。
絶望の屋上と光の子の降臨
吉岡たちは捕まり、手を後ろに組まれ屋上に立たされていた。
足元には化け物の群れが蠢いている。
デイジーは光の子が新たなる世界の王になると宣言し、ビデオの所在を再び問いただしたが、岩倉たちは沈黙を貫いた。
業を煮やしたデイジーは側近のエドワードに命じ、彼は笠原を群れへと蹴り落とす。
花畑が怒りに任せ軍人に掴みかかるが、彼もまた突き落とされた。
デイジーは再び質問を繰り返すが、答えは得られない。
ノイマンは光の子の存在をほのめかし時間を稼ごうとしたが、状況は動かなかった。
すると、吉岡がボコールを始末したことと、その死体のありかを明かした。
デイジーたちが絶望の表情を浮かべる中、吉岡は笑みを浮かべ、自ら化け物の群れに飛び込んだ。
続けて岩倉とノイマンも後を追った。
その様子を目撃した義昭は屋上へ駆けつけるが、仲間の姿はなかった。
義明は怒りに駆られ軍人に立ち向かうも、銃撃されて倒れ込む。
とっさに撃たれた腹部を押さえたその手は、岩倉に切り落とされたはずの右手だった。
腕が戻っていることに気づき、さらに腹部を見ると傷は塞がっていた。
ボコールになる悪夢が脳裏をよぎり、義明は恐怖に叫び声を上げると、化け物たちが集まり巨大な人の塔を形成した。
その異様な光景に軍人たちは呆然とし、塔の先端が花のように開き始める様子は、地獄に咲く花のように見えた。
デイジーは回復した義明に気づき驚愕する。
直後、人の塔は軍人たちを襲撃し始めた。
義明と光の子の運命
人の塔に捕らえられた軍人が無残にも惨殺される。
その凄惨な光景に、軍人たちは自分たちが襲われる現実を受け入れられず、混乱していた。
逃走を図るデイジーの前に人の塔が倒れ込み、化け物が散った後、中心には義明がいた。
処刑されたはずの義明が生きている事実にデイジーは驚愕する。
そして光の子の存在に思い至る。
人の塔が現れる場所には光の子がいること、不死身の力を持つことから、義明こそが光の子だと確信した。
その時、デイジーの背後からハット伍長が声をかける。
振り返ったデイジーは、頭部を石で殴打され倒れ込む。
ハットは義明に近づき、光の子との出会いを喜びながら抱きしめた。
しかし、次の瞬間ハットは義明の右肩に噛みつき、傷口を舐め始める。
恐怖に駆られる義明は逃げようとするが、スタンガンで動きを封じられてしまう。
ハットが合図を送るとヘリコプターが接近し、動けなくなった義明とハットを乗せて飛び立つ。
裏切られたデイジーは、その様子を絶望的な表情で見守るしかなかった。
朦朧とする意識の中で、義明は屋上から反射する光を目にする。
それが一ツ兜の大型兵器によるものだと悟り、義明はヘリから飛び降りた。
直後に兵器が発射され、ヘリに命中。
墜落するヘリの轟音が、不穏な運命に終止符を打った。
【6巻のまとめ】
岩倉たちは軍人たちに反抗するも追い詰められ、吉岡はボコールの死を暴露。
そのまま自ら化け物の群れへ飛び込み、岩倉とノイマンも後を追う。
義明は仲間を失った怒りから軍人に立ち向かうが銃撃される。
しかし、切断された右手と撃たれた腹部が再生していることに気づいた。
かつてのボコールとなる悪夢が蘇り発狂すると、突如化け物たちが人の塔を形成し軍人たちを襲い始めた。
デイジーは状況から推測し、義明が光の子であると確信する。
混乱の中、ハットは義明を捕らえ、スタンガンで動きを封じてヘリに乗せ飛び立つが、義明は屋上の一ツ兜が兵器で狙っていることに気づき、ヘリから飛び降りる。
一ツ兜の攻撃によりヘリは墜落し、義明を巡る運命はさらに混迷を深めるのだった。
【6巻の見どころ】
岩倉たちが絶望的な状況から反撃を試みるシーンが見どころです。
軍人たちの暴力に屈したかに見えた彼らですが、ノイマンの冷静な機転やパーシーの感染という罠により、形勢を逆転させます。
緊迫した空気の中で、笠原が銃を構え怒りの引き金を引く瞬間には、心が震えるでしょう。
さらに、義明の覚醒とデイジーの過去も重要なポイントです。
義明が銃弾を受けても傷が塞がり、失ったはずの右手が再生する場面は衝撃的です。
彼の変化が光の子とどう結びつくのか、謎が深まります。
一方、デイジーの冷徹な行動とハット伍長との因縁が描かれることで、物語に厚みが加わります。
そして、後半には「人の塔」が軍人たちを襲撃し、光の子の存在が明らかになります。
デイジーが義明こそが光の子だと確信する場面は、読者に大きな驚きを与えるでしょう。
最終的にハットの裏切りによって義明が捕らえられますが、彼は一ツ兜の兵器を察知し、ヘリから飛び降ります。

次巻へ続きます。
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