おバカが集まる龍山高校が倒産の危機。債権整理にやってきた桜木は急に気を変えて学校を再建することに。
その時桜木は1年以内に東大生を1人出して、学校を超進学校として有名にする方法を選んだ。
桜木自らが特別進学クラスの担任となったものの、集まった生徒は水野と矢島の2人。
伝説の教師・柳の力も借りて、10日間のスパルタ合宿がスタートした。
一方、桜木は現行の教師に対してテストメインで行う授業スタイルの革命についてくる者だけを再雇用すると宣言し、1・2年にも特別進学クラスを創設するなど学校改革に本格的に乗り出した。
水野と矢島の勉強合宿が終わり数学の基礎を学んだところで英語の助っ人教師・川口が合流し、英語を楽しみながら学ぶ方法を2人に教え始めた。
川口の授業で英語に対する偏見が薄れていく水野と矢島。
その教え方に同じ英語教師として井野が反発し、それぞれ3年(水野・矢島)と2年(栗山・西崎)に東大自由英作文の問題を解かせてどちらが高得点を取らせることができるか勝負することとなる。
結果は川口が勝利し、無事に川口が英語の特進クラスの指導を任されることが決まった。
センター試験まで残り9か月、ここで新たな助っ人・国語教師の芥山が合流。
彼が教える国語とは―?
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
国語は全ての教科の基礎、国語力を構成するのは読む力と書く力
遅れてきたとは言え、芥山は「国語こそが全ての教科の基礎。国語の充実なくして全教科の成績向上はあり得ない」と宣言し、他教科への成績アップを公約とした。
最初に教壇に立った芥山は、「国語の答案を適当に書いても”当たりそうな気がする”というのは宝くじや競馬の馬券を買うときの心境と似ている。”当たるような気がする”では絶対に当たらない。というよりむしろ”当てさせない”」と甘い考えを正すところから始める。
国語の魔法にかからないかからないためにはまず、愛情・正義・善意・良心といったものを讃美する名作の鑑賞会に過ぎない国語の授業システムをぶち壊し、あえて人間の心の裏側にある怒り・憎しみ・裏切り・コンプレックスといった部分を題材にした文学作品から「読んでドキドキする」ことを覚え、国語の教材に興味を持つことが大事。
読むスピードを上げる訓練も合わせて行う芥山流の教え。
生徒に毒を染み込ませるようなやり方に宮村は同じ国語教師として共感することができなかったが、温室育ちのトマトではなく大地に根を張りたくましく成長するじゃがいもを世に送り出すことを例えにして桜木が芥山を支持。
芥山は次の段階として「読む力」と「書く力」の2つから成る国語力の鍛錬法を伝授。
「読む」というのは表面をなでるだけでは大変な間違いを犯すこともあり、書かれていない行間をしっかりと読み取ることが肝要である。
まずは「正しく読む」力を養うため、芥山は早速水野と矢島を外へ連れ出すのであった。
「正しく読む」ということ
街中へ散策に出た芥山は、「駅の改札の案内表示が日本語以外に英語・中国語・韓国語で表記されているのはなぜか」といった問いを出し、ひたすら「なぜ」という疑問を繋げていく。
常に周囲に「なぜ」という疑問と好奇心を持ち、様々なものを推測して動きを読み取ることこそが「正しく読む」ということ。
国語の問題においては筆者に向かって問いかけ議論する、すなわち筆者との心のキャッチボールができるかどうかがテストの点数の差となって表れてくるのだという。
教室に戻り、試しに帰国子女を対象にした東大小論文の問題を解かせてみる芥山。
帰国子女は東大では一般とは別の試験が行われることとなり、センター試験の代わりに書類審査、そして理系の二次試験では小論文・面接・数学と理科の学力試験がある。
その小論文の過去問として「交通機関に優先席を設けることの是非について論じなさい」というものを実際に解かせてみるが、水野も矢島もじっくり考えたにもかかわらず結果はほぼ0点。
2人とも客観性を欠いた自分の意見だけを述べてしまい、「論じなさい」という問題文に応えることができていなかったのである。
小論文、まず自分の意見を述べる、それに予想される反論を述べる、その反論を否定して自分の論理の正当性を証明するといった型があれば客観的になりやすい。
こうした型を使い、国語力の鍛錬が始まるのだった。
水野と矢島のモチベーションが低下、復活の秘策とは
芥山の授業を受けるまで東大受験に帰国子女の枠があることも知らなかった矢島は、モヤモヤした思いを抱えることとなる。
帰国子女の方が試験が楽と知り、「うまいことやって得をする奴がいるなんて世の中は不公平だ」と考え出してしまったのである。
そんな矢島の悩みを察知した桜木は、「人間は悩む存在。周りから羨ましがられている人間でも必ず何か心に抱えている。悩みの尺度は本人がどれくらい辛いかだけで、周りの誰にもわからない。だから他人を見て得してるとか思うのは無意味だ」とアドバイス。
逆に得をしたと思ってもそんなに長くは思い続けることはできず、また次に向かっていくからこそ面白い―。
いまいち実感が沸かない矢島の様子を見て、桜木は目に見える成果を掴ませることでモチベーションをあげる策を考え始める。
一方の水野も幼少期からの両親とのコミュニケーションが少なかったせいか思考力そのものが幼く、さらに数学でも苦手とするベクトルを避けようとする悪い兆候が出始めてしまっていた。
そして1年生の特進クラスの成績も伸び悩む。
しかし桜木は担任の宮村への指導をしながら、水野と矢島のモチベーションを復活させる策を思いついた。
それは2人に1年生の特別進学クラスに行って数学を教えさせること。
ぶっつけ本番で教壇に立たされることとなった2人。
「教室内の雰囲気が悪くなり収拾しなくてはいけない時はこれを使え」と柳からあるものを渡され、後輩たちに数学を教える先生として教壇に立つのであった。
【5巻のまとめ】
芥山の指導で「正しく読む」ということの重要さを知りながら国語力の鍛錬が始まる。
ところがその矢先、水野と矢島のモチベーションが落ち始める事態に。
ここで桜木は2人を復活させるため、2人に1年生の特進クラスで数学を教えさせることに。
ぶっつけ本番で教壇に立たされることとなった2人、桜木の狙いとは―。
次巻へ続きます。
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