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悲願を達成した貘、更なる世界の巨悪との戦いは続く『嘘喰い』49巻(完)【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。

さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知り、廃ビルでの命懸けの脱出勝負に勝った貘は、全てを凌駕する暴力を持つ別人格の怪物・ロデムを宿すマルコを仲間に加え、賭郎の会員権や大金を得た。

賭郎の会員権を梶に譲った貘はさらに賭郎の能輪立会人の手配で新たな賭郎勝負の場を設定してもらうこととなり、貘と顔なじみである立会人の夜行妃古壱が梶の専属につくなか、富士山中のトンネルでテロリストの佐田国との賭郎勝負に勝ち、お屋形様との取引で再び賭郎会員に復帰。

しかしその裏ではお屋形様の思惑通り警察以上の力を持つ新組織成立へと動き始めており、さらに賭郎の乗っ取りを企む米国の犯罪組織「アイデアル」も実行部隊リーダーである暗殺者カラカルが暗躍する。

貘は警察とグルになって未解決事件の犯人をでっち上げるための迷宮ギャンブルを利用して自分が屋形越えに失敗した事実を無かったことにし、さらにこの迷宮ギャンブルに関与していた警察関係者の天真とその部下である密葬課の箕輪とのギャンブルにも勝利してLファイルを獲得する。

他方、自らの力で無実を証明すべく立ち上がった梶は、貘から得た情報で殺人事件の真犯人である羽山邸へと潜入、羽山家に取り入るヤクザの鞍馬と滑骨の代理戦争に巻き込まれる形で「ファラリスの雄牛」の勝負に臨んだ。

焼かれたカールが瀕死の重傷を負うが、カールとの協力もあり梶が最終的に勝利して事件の証拠を獲得、負けを認めようとしなかった滑骨は屋敷の外で伽羅によって葬られるが、伽羅は滑骨が契約していた伝説的ボディーガードのキョンホ・ジョンリョに狙われることとなり、姿を消した。

貘は梶が獲得した証拠と犯罪者が載るLファイルを使い、テレビ局を乗っ取って生放送での暴露番組を企画し、貘はゲストの中に潜ませていた梶と共謀して500億もの大金をゲストから巻き上げることに成功する。

放送市場類を見ない番組を終えた貘はさらに電波ジャックを継続し、Lファイルを利用して賭郎が用意した搦手の人員を各所に受け入れさせ、500億と合わせて屋形越えの権利に手をかけた。

そのまま貘は搦手が成立するまでの時間稼ぎとして旧電波塔である帝国タワーで賭郎勝負を始めたが、相手として現れたのは零號立会人の切間撻器を連れた謎の男・捨隈。

2人の戦いはアイデアルのカラカルとマーティンや鞍馬組も割り込み混沌とした戦いとなるが、アイデアルの工作員だった捨隈の思考をも看破した貘が勝負を制した。

他方、タワーの外では賭郎と警察が互いの代表による激しいバトルが繰り広げ、搦手の成立と笹岡副総監の死によって決着し、密葬課は解体、真鍋と三鷹の2人は賭郎に吸収されることとなる。

零號の称号を賭けた號奪戦でも死力を尽くした妃古壱が撻器から勝利を挙げ、貘が賭けに勝ったものの、その勝負の裏で貘の500億がアイデアルに横取りされてしまう。

さらに持病の記憶喪失を起こしたお屋形様がかつてお守役だった栄羽と合流すべく、賭郎の追っ手を振り切って行方をくらませた。

お屋形様の表の顔である内閣調査室の蜂名直器と面識のあった防衛省の大船額人が逃走を助け、額人が追う武器密輸事件の捜査に協力することとなった蜂名は、密輸の受渡場所であるジャルード号に額人と共に潜入。

船に拘束されていた新聞記者の横井と偶然巻き込まれた梶と共に額人がレーシィ船長と賭郎勝負「バトルシップ」を繰り広げ、額人は勝負に敗れたものの、梶や賭郎たちが脱出した後に蜂名の工作によって船は沈没した。

その蜂名とアイデアルのボスであるラロが接触し、貘と3人で直接対峙、屋形越えの挑戦権を賭けて勝負することが決まる。

限られた空間・時間・協力者の人数のなかで好きに勝負ができる卍勝負となり、オンラインゲーム「プロトポロス」の世界を現実に再現した絶海の孤島で運営も巻き込んだ混沌とした戦いを経て、貘は互いに全てを賭けたデスマッチ「エア・ポーカー」でラロから勝利を挙げた。

屋形越えの立ち会いの権利を賭けたバトルを妃古壱が制し、いよいよ屋形越えが始まる。

ゲームの内容は臨死を賭けた「ハンカチ落とし」。

いつハンカチを落とすか、いつ振り向くかの壮絶な心理戦はゲーム開始早々から貘もお屋形様も互いに臨死を経験する展開に。

お屋形様が覚醒し状況がひっくり返るなか、覚醒したお屋形様に崖っぷちに追い込まれた貘だが、9回裏に切り札が炸裂。

数年に一度のうるう秒が挿入されるタイミングを利用してお屋形様に3度目の臨死を与え、勝利を確信する。

ここに至るまで、全ては貘の壮大な策の内なのであった。

 

最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

貘が屋形越えを達成

瀕死ながらお屋形が立ち上り、勝利を確信していた貘は一転して窮地に突き落とされる。

ゲーム再開となればお屋形様のシリンダーはリセットされたのに対し、貘はもはや限界ギリギリ。

しかしお屋形様が起き上がったのは幻覚だったのか、お屋形様は倒れたまま次のゲーム開始時刻を過ぎた。

これにて貘はお屋形様に勝利し、賭郎の全てを手に入れたのだった。

屋形越えを終えて

貘が新たなお屋形様となり、立会人たちは貘に忠誠を誓って新賭郎が発足。

フロイド・リーは梶や横井の協力で防衛機密漏洩事件の黒幕を見事に暴き、責任をなすりつけられ死んだことになっていた額人も社会復帰を果たす。

妃古壱は運よく回復、そしてお屋形様も屋形越えが終わったすぐ後にマルコがAEDを使ったのが幸いしたのか、奇跡的に蘇生し、のぶ子が表社会で看護師として働く病院に入院していたのだった。

世界の悪に狙いを定めた貘

その頃、貘はアフリカの国の反政府武装勢力「アル・ヒーブル」のもとを訪れていた。

ラロに勝った貘は、ラロの遺言によりその遺体を元に作られたダイヤが送られ、それをキーとしてラロの全てを手にする権利を持つことに。

アル・ヒーブルの指導者シンバはラロの死を悟ると、もともとラロからアイデアルの全てを賭けた勝負を挑まれていた者として貘に勝負を申し入れる。

アイデアルの全てを手にしていた貘は、その手法も踏襲して今度は別の組織の乗っ取りも狙っていた。

ラロのデータには世界を股にかける裏の組織の情報とコンタクト方法、ウィークポイントとなる機密や潜入させているスパイのことまで網羅されており、貘はこれを利用して全ての組織を手にしようとしていたのである。

貘とシンバはアイデアルの全てのデータが入ったスマホを棒代わりにし、その回りを固めた土を交互に取っていく棒倒しゲームで勝負することに。

だがシンバのカリスマ性や支持を大きく損なうスキャンダルをネタに揺さぶるのたった。

次なる敵はヴィゾーム

酒、ギャンブル、タバコ、兵器に集中投資するヴァイスファンドの中でも、ヴィゾームはタックスヘイブンを経由したロンタリングも利用しながら急成長を続けている。

世の中に乱れが起これば儲かる彼らは、意図的に世界で事件を起こして乱れを操作していた。

その裏には7名の悪徳者たちが潜んでおり、アル・ヒーブルの他にも
マランドラジェン・カルテル
ロシアンマフィア「ヴィ・ザゴーネ」
知性至上主義団体「メイソープ協会」
国際クラッカー組織「ノーフェイス」
秘密結社「ダウロギアクラブ」
そしてアイデアルもその一員だった。

アル・ヒーブルを乗っ取った貘はヴィ・ザゴーネを狙い、ここでもゲームで圧倒。

貘は全ての悪を支配し、自らが巨悪となることで乱れを抑えようとしているのであった。

エピローグ

メイソープ協会のアビ・カーンはラロとカラカルの遺体の半分を所有するマニアであり、以前貘と肉体を賭け合ったドナーゲームという勝負したうえで貘が心臓を失ったことを明かす。

カーンが執刀した手術の結果として貘は疾患のある心臓を移植され、体力は著しく低下。

そして貘はまるで待っていたかのようにお屋形様の座を復活したハルに明け渡すこととなる。

貘の心臓はヴィゾーム創始者であるゴーネンに移植され、まるで貘の性格や知能も乗り移ったかのような強敵と化していたが、そこにハルが戦いを挑む。

貘もまた、梶とマルコを連れてハルに協力すべく暗躍しているのであった。

【49巻(完)のまとめ】

ついに屋形越えを達成した貘。

次は世界を股にかける悪の組織たちに狙いを定め、奇跡的に蘇生したハルに再び賭郎お屋形様の座を譲り渡しながら協力して暗躍するのであった。

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参考命を賭けた高度なギャンブルと手に汗握る超人たちのバトルが目白押し!『嘘喰い』全49巻【ネタバレ注意】

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