裏稼業専門の組織、通称「ファブル」がしばらく休業を決め、プロの殺し屋であるアキラとヨウコは一般人として世間に溶け込むことに。
組織のボスと付き合いのある大阪の地元ヤクザ・真黒組に面倒を見てもらうこととなり、真黒組の若頭・海老原や構成員のクロ、高橋らが佐藤兄妹と接点を持つように。
近所の女性・ミサキと出会い、その伝手でイラスト制作会社オクトパスでアルバイトをすることとなったアキラ。
海老原の弟分・小島や悪徳ビジネスを企む興信所・宇津帆らのトラブルに巻き込まれながらもプロとして対決を制し、いつしかミサキとアキラの距離が近づいていく。
しかし平穏も束の間。
ファブルと接点を持つためクーデターを企てた真黒組の幹部・砂川は組織のNo.2である山岡と共謀し、裏稼業人のマツとフリーの殺し屋・二郎を雇って浜田組長を毒殺。
恐怖を感じない山岡の目的は砂川のクーデターを利用してドラマチックな展開を楽しむことにあり、唯一正体の掴めない「佐藤アキラ」をラスボスに認定し、シナリオを考え始める。
さらに山岡は中国から弟子のユーカリを呼び寄せ、砂川のクーデターの障害となりそうな真黒組の幹部・水野を襲う。
山岡は女好きで有名な水野が乱交パーティで楽しんだ後に乗り込み、砂川の下につくように脅迫し、パーティに使用していた倉庫もアジトとして接収する。
砂川が幹部会で若頭に昇格するまでの間、暇つぶしに山岡は地下総合格闘技の選手2人をユーカリの遊び相手に雇った。
そして時を同じくして、山岡のもう一人の弟子が中国から舞い戻るのだった。
17巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
山岡のもう一人の弟子・アザミ
新たに中国から帰ってきた男・アザミを引き入れ、砂川のクーデターに手を貸すとともに同門のアキラ・ヨウコにもぶつけるシナリオに期待する山岡。
ボスは「佐藤兄妹に関わるな」とは言ったが、2人の方から絡んでくるように仕向けるのが山岡の狙いである。
〈アザミを迎えた山岡の計画 [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
その狙い通り、ヨウコは山岡に会ってあることを確認するためクロから情報を探り、「水野が珍しく乱交パーティの開催を延期した」という情報を仕入れるのだった。
ヨウコが山岡たちに奇襲を仕掛ける
山岡たちのアジトに、地下格闘技の選手2人が高額バイトに釣られて倉庫へやってきた。
まず先に入った若者が前回同様にユーカリを可愛がろうとするが、ユーカリは逆にいたぶりながら手首だけで1人を倒し、圧倒的な実力差を見せつける。
〈遊びを終わらせるユーカリ [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
土下座しながら命乞いする若者。
倉庫の外でマツに連れられたもう1人が選手交代で倉庫に足を踏み入れようとしたとき、背後からヨウコが襲い掛かった。
〈ヨウコが乗り込む [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
ヨウコは若者を締め落として失神させ、マツとともに倉庫の中に入る。
山岡たちと対面を果たしたヨウコ。
ユーカリと一触即発の空気となるが、シナリオが狂うことを嫌った山岡が「明日ヨウコの家に出向く」と告げて衝突は回避された。
〈山岡と対峙するヨウコ [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
車中で失神していた若者は用済みとしてマツが山中で処分する一方、倉庫の中で命拾いをした若者はスズムシというあだ名をつけられ、しばらく山岡たちのパシリをさせられることになる。
いつ遊び半分で殺されてもおかしくない恐怖のなか、スズムシにとって地獄の日々が始まるのだった。
〈地獄が始まったスズムシ [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
山岡はヨウコの両親の仇
ヨウコの家を訪れた山岡。
幼いころに会った時の記憶から、山岡が自分の両親を殺した犯人であると踏んでいたヨウコは、待ち伏せして死角から襲い掛かる。
〈山岡を待ち伏せるヨウコ [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
しかし実力は山岡の方が上。
ヨウコの攻撃を全ていなしたうえで山岡はヨウコの質問に答え、ヨウコの両親を殺したことを認めた。
〈山岡が両親の仇 [ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
「俺を殺りたいならいつでも来たらいい。だがその程度じゃまだ無理だ。チャンスは1回だと思え」
そう言って山岡は去っていくのだった。
ヨウコとマツが共謀
山岡との実力の差を知り、「復讐には武器がいる」と考えるヨウコ。
〈ヨウコに接触するマツ[ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
ちょうどそのとき、マツがヨウコに電話をかけ、「武器を提供する代わりにアキラの協力をとりつけてほしい」という交換条件が出される。
マツは山岡が自分を無事に引退させてくれるとは思えず、自分の身をアキラに守ってほしいという算段。
砂川が若頭に昇格することが決まり、いよいよ山岡にとってマツは用無しに。
殺されるとすれば翌日の夜と読んだマツは内心焦るが、ヨウコはあくまで自分の手で復讐するためにアキラを巻き込まない考え。
ヨウコはアキラに内緒でマツから銃を入手するのだった。
〈ヨウコが銃を入手する[ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
高まる緊張感
組長に昇格した海老原は、先代の死の真相を探るため水野を呼び出す。
〈水野を呼び出した海老原[ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
砂川と犬猿の仲にも関わらず砂川の若頭昇格に賛成したことを怪しむが、なかなか水野も尻尾を出さない。
アキラはそんな海老原に「次はアタマが狙われる」という推理を与え、協力を申し出る。
まだ危険が忍び寄るとは知らないミサキがアキラに想いを寄せるようになる一方、武器を手に入れたヨウコは単独で復讐に乗り込む決意を固めるのだった。
〈覚悟を固めたヨウコ[ザ・ファブル 17巻](c)講談社/南勝久〉
【17巻のまとめ】
中国から戻ったもう一人の弟子・アザミを迎え入れた山岡。
一方のヨウコは山岡が自分の両親の仇と確信し、山岡への復讐を胸に誓う。
マツもまた、自分の身の安全を図るために佐藤兄妹に助けを求めるためヨウコに接触。
ヨウコは自らの手で復讐を遂げるため、アキラには内緒でマツから銃を受け取り決意を固めるのだった。
次巻へ続きます。
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