大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えた亜人。
物理学を専攻している助教の相馬や文化人類学の教授・紙村あきらの協力も得ながら様々なオカルト騒動解決の手助けをすることとなる。
隙間女、メリーさん、ぬりかべの騒動を解決し、メリーさんの正体である「やまびこ」も同居することに。
そして小学生の知り合いであるメグミという少女やざしこが「トイレの花子さん」に拉致されかけているところに出くわした陽子は、トイレの花子さんたちのボスであるビッグママと話し合いの場を持ち、彼女たちが人間社会に上手く馴染めない亜人の子たちを異空間で保護していたことから、共に亜人を助ける同盟を組むこととなった。
その他、人間と結ばれた狐火の亜人、口裂け女と間違われ悩みを抱えていたサラマンダーの亜人・花凛、仏神 広目天の亜人であり千里眼を持つスズメ、汗で周りの人間を気絶させてしまうという川女郎の亜人や、普段は人に見えず自覚もないものの周囲の人間を親切にさせてしまうクリストキントの亜人、亜人の能力を継承しながら時間をも操る歳神の亜人、人に悪夢を見せるエンプーサの亜人が登場済である。
さらに紙村の忘れられない過去としてとある神社で幽霊の調査に先輩・五久島と出向いた際のエピソードの前編が描かれた。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
姦姦蛇螺の伝承
こちらに近づいてきた恐ろしい幽霊は、五久島が紙村の手を取った途端に動きを止めて去っていき、事なきを得た。
五久島が語る「姦姦蛇螺(カンカンダラ)」という伝承は、かつて人喰い大蛇に悩まされていたこの地で霊力の高い巫女が討伐を依頼され、人々のために戦い続けたものの、人々に裏切られて生贄にされ、それ以来上半身が巫女・下半身が大蛇の異形の怪物による被害が勢いを増したというもの。
紙村が見たのもこれであり、この何もない森を自衛隊が守っていることからも実在しているのであろう。
五久島はこの姦姦蛇螺が巫女から人々への強い恨みを受け継いで生まれたタルパだと推理。
他方、もう1人紙村が会った幼い女の子は別の女性隊員とコミュニケーションが取れるようであり、その存在は幽霊なのかタルパなのかはまだわからない。
それでも五久島は危険を顧みずに調査を続行する気であり、紙村は必死に説得してひとまず「お社の大事な儀式が終わる2~3日後に改めて調査してみる」ということに。
ところがそこで紙村と五久島は突然意識を失って倒れてしまうのであった。
紙村を逃がして行方知れずとなった五久島
2人が目を覚ますと姦姦蛇螺を封印しているお社におり、既に日が暮れていた。
おそらく、休憩しているときに出されたコーヒーに宮司が何かの薬を盛っていたのであろう。
すぐ傍には老婆の遺体があり、姦姦蛇螺が襲い掛かってくる。
寸でのところで例の少女が守ってくれたが、その拍子に呪い除けの帽子が叩き落とされた五久島も姦姦蛇螺の姿をその目で視認することに。
すぐさま脱出を図る2人だが、エリア一帯はフェンスで覆われており、また出入口にいた宮司も2人を逃がす気はないようだ。
もともとこのお社で行われようとしていたのは姦姦蛇螺の封印の儀式であり、その生贄として女性の自衛官に目をつけていたが、偶々訪れた紙村の若い肉体を姦姦蛇螺の次の依り代に使うことにしたのだという。
必死に脱出する作戦を考える五久島にも2人を守ってくれる幼い少女の姿が見えるようになると、それも「もともと人を守ろうとしていた巫女の想いから生まれたタルパ」と分析し、また呪い除けの帽子を身につけていれば姦姦蛇螺から隠れられることに気付く。
そして五久島はその帽子と少女を紙村に託し、自分が姦姦蛇螺を引きつけているうちに逃がすことを選択した。
チベットで習ったタルパに効くというお経だけを武器に五久島は紙村を逃がし、紙村は命からがら脱出に成功。
それ以来五久島の言葉に従って民俗学をがむしゃらに学んで学者となったが、五久島とは一度も再会できていない。
今でも五久島との再会を信じて研究を続ける紙村。
すると五久島が殺される悪夢にエンプーサの少女が助けに入ったのをきっかけに、紙村はあることを思いつく。
それは他者の夢にアクセスできるエンプーサの特性を使えば、五久島の夢にアクセスしてもらうことで安否を知ることができるというもの。
紙村はエンプーサの少女に「わかったら五久島の生死だけでも教えに来て」と指示するのであった。
陽子が事件の容疑者?その裏には2人の亜人特性が
渋谷のハチ公前で友人らと待ち合わせをしていた陽子は、ある事件に巻き込まれる。
友人たちが待ち合わせ場所に到着すると、陽子が先に松原という女性と立ち話をしていたが、その松原が突如燃え上がったのである。
事件への関与が疑われた陽子は警察の取り調べを受けることとなるが、なぜか完全黙秘しており、捜査には相馬が協力することとなった。
目撃者たちの証言によると、
・被害者である松原直接話をしていた場所とは少し離れた場所にも陽子がいた(同時に陽子が複数存在していた)
・松原は叫んだり暴れたりもしておらず、自分が燃えていることにも気づいていない様子で、火傷の痕もない
など不可解な点も残る。
相馬は松原が亜人である可能性にいち早く気づき、彼女のメンタルケアをしている精神科医の津崎という男に接触すると、津崎の見た目が変化したことから彼も亜人であることを確信。
相馬が問い詰めると津崎は「事件当時に松原と待ち合わせしており、会ってすぐに彼女が火に包まれた」と白状する。
どうやら津崎は松原と親密な関係になっており、それを隠そうとしてとっさに警察に対しても口をつぐんでしまったのだという。
他の目撃者からさらにいくつかの証言を得た相馬は、この事件を「2人の亜人の特性が合わさって起きた事故」という結論に至った。
・まず事件当時、松原と向かい合っていたのは津崎であり、津崎の亜人の特性によって周囲の人からはその姿が陽子に見えていた
・松原は亜人の特性として、身体が火薬と同様に燃えやすい体質だった
・一方の津崎はレンズのように光を特殊に反射・屈折する性質を持った亜人であり、そのレンズを通じて陽子の姿に見えていた
・またそのレンズを通して光が集まった結果、松原に着火した(その証拠に、同心円状のあちこちに何かが焦げたような跡も見つかった)
というのが事故の真相。
無事に疑いが晴れた陽子は解放され、陽子が完全黙秘をしていた謎についても明らかとなる。
津崎の光を特殊に反射・歪める特性はおそらく、光を異空間に反射する能力であり、異空間を観測できる陽子の目には津崎の姿が真っ黒に見えていた。
だがその真っ黒の人と合流したとたんに松原がとても嬉しそうな表情をしたのを見ていた陽子は、自分が下手に供述すると2人の幸せな関係を壊してしまうのではと思い、黙秘を貫いていたのだという。
相馬は他者への思いやりを評価したうえで、黙秘を貫けば事件が解決せずざしこや友人たちに心配をかけ続けていたかもしれないことを指摘し、陽子も反省するのであった。
ビッグママの孫は問題児
サラマンダーの亜人である花凛は幼い頃に口裂け女と間違われて以来外出を禁じられ学校にも通っていなかったが、学校に興味を持ち始め、姉の有花と共に陽子に相談する。
陽子は叔父の鉄男が務め、亜人の教師や生徒たちがいる高校を実際に見学させてあげると、花凛は学校に通うことについてさらに前向きに考え始めた。
陽子はひきこもりだった花凛のケアとしてビッグママにも協力を依頼。
しかしそこでビッグママから「孫のヒデハルが喧嘩して家出したから力を借りたい」と逆に依頼を受けることとなる。
ヒデハルは他者の記憶に干渉して恣意的に記憶を喪失させたり、自在に異空間を行き来できる様子。
「ヒデハルの亜人特性は世界を滅ぼす」
ビッグママが真剣な表情で陽子に忠告する一方、花凛や陽子といった亜人をマークしていたヒデハルは陽子に興味を持ち、勝手に家に侵入。
そして家にいたざしこの手を取り、強制的に連れ出そうとするのであった。
【5巻のまとめ】
姦姦蛇螺という巫女のタルパに襲われ、紙村を逃がして行方知れずとなった五久島。
紙村は今でも五久島の安否も分からず、再会できていないという。
その他、陽子は人体発火事件の容疑者として巻き込まれてしまうが、その事件は異常に燃えやすい体質の亜人と特殊なレンズのように光を屈折させたり曲げたりする亜人の特性が組み合わさった結果だったと判明し、事件は無事に解決した。
またビッグママの孫であるヒデハルが家出してしまい、ビッグママに協力することとなった陽子。
しかし自在に異空間を行き来できる能力を悪用するヒデハルは陽子に興味を持った末、その家に勝手に侵入してざしこを強制的に連れ出そうとするのであった。
次巻へ続きます。
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