様々な事件の遺族が、罪を償わずに生き延びる犯人たちへの恨みを晴らすために復讐を依頼する「カモメ古書店」。
請負人のカモとトラは悪を許さず、犯人たちに制裁を加える。
訪れる依頼者は様々。
復讐をしても彼らの傷が癒えることはないが、彼らの心に寄り添い悪を成敗するのがカモとトラの信条なのである。
一家殺害事件が発生し、唯一の生存者である開成奈々子が犯人への復讐をカモとトラに依頼する。
奈々子は自らを囮に犯人をおびき寄せるが、カモとトラはあと少しのところで犯人を逃してしまった、
犯人の園田夢二は出版社の編集者として生活している。
奈々子は犯人に迫るまでカモメ古書店に身を寄せることとなり、カモとトラとの共同生活が始まるのだった。
カモとトラが連続幼女殺人事件とナンパセミナー集団強姦事件への復讐を完遂。
一方、園田はさらに別の事件を起こし、罪を重ねていくのだった。
遺族が直接復讐するのを手伝う「朝食会」がカモメ古書店の依頼を奪う形で登場。
両者のライバル関係が始まる。
そんななか、今度は世の中への不条理さに鬱憤を溜めた男が通り魔と化し、男児4人を殺害する事件が起きた。
この男への復讐は―。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
男児4人殺人事件への復讐(モデル:附属池田小事件)
子供たち4人を殺害した櫻井志津馬。
警察は早々に櫻井が犯人と目星をつけ事情聴取するも、決定的な証拠が出てこない。
〈開き直る犯人の櫻井 [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
結局証拠不十分で不起訴処分となり、遺族たちはやりきれない想いでいた。
遺族たちは結託し、犯人に自らの手で復讐することを決め意を決して夜道を襲うが、空手有段者の櫻井に返り討ちにあってしまった。
〈遺族達の復讐は無念の返り討ちに [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
遺族らの一人がカモメ古書店を訪れ、カモとトラに復讐を依頼する。
櫻井はストレスの発散に快感を覚え始めていた櫻井にトラが対峙。
負傷しながらもプロ格闘家だったトラに軍配が上がり、櫻井を確保、拷問が始まる。
〈トラが犯人を確保 [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
が、既に心のブレーキが壊れてしまい怖いものなしの櫻井に反省は見られない。
カモは櫻井が死を願うまで痛めつけ、目いっぱい苦しませて殺した。
〈自ら死を乞う櫻井 [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
なぜこのような人間が生まれてしまったのか、犠牲になった無実の子供たちを想うと後味の悪い復讐となった。
漫画研究会に所属する園田
練馬区一家殺害事件の犯人、園田夢二は大学1年生で、漫画研究会に所属していた。
会長の木根誠一、副会長の久野詩音、1年の吉飼飛夫、近野智夏らが所属している。
全員それぞれオリジナルの漫画を描いており、園田の指にも大きなペンだこが。
その特徴には、カモが犯人と対峙したときに気づいているのだった。
〈ペンだこから犯人像を絞るカモ [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
カモメ古書店に馴染んだ奈々子
久々に居酒屋で飲み会を開くカモ・トラ・奈々子。
依頼が少ないせいか予算が限られ侘しい会になるが、あんとか切り詰めて団欒を楽しむ。
〈3人の団らん [善悪の屑 5巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
犯人から匿うために住まわせていた奈々子も、いつの間にか既にカモメ古書店のメンバーとして絆が生まれているのだった。
【5巻(完)のまとめ】
男児4人殺害事件の犯人にキッチリ復讐したカモとトラ。
しかし奈々子の家族を殺害した園田はまだ捕まっていない。
大学の漫画研究会に所属する園田の指には大きなペンだこがあり、カモとトラはその特徴から犯人を絞り込もうとするのだった。
奈々子もカモとトラと家族のように暮らし、カモメ古書店の次なる一章が始まる。
続編『外道の歌』へ続きます。
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