様々な事件の遺族が、罪を償わずに生き延びる犯人たちへの恨みを晴らすために復讐を依頼する「カモメ古書店」。
請負人のカモとトラは悪を許さず、犯人たちに制裁を加える。
訪れる依頼者は様々。
復讐をしても彼らの傷が癒えることはないが、彼らの心に寄り添い悪を成敗するのがカモとトラの信条なのである。
一家殺害事件が発生し、唯一の生存者である開成奈々子が犯人への復讐をカモとトラに依頼する。
奈々子は自らを囮に犯人をおびき寄せるが、カモとトラはあと少しのところで犯人を逃してしまった、
犯人の園田夢二は出版社の編集者として生活している。
奈々子は犯人に迫るまでカモメ古書店に身を寄せることとなり、カモとトラとの共同生活が始まるのだった。
カモとトラが連続幼女殺人事件とナンパセミナー集団強姦事件への復讐を完遂。
一方、園田はさらに別の事件を起こし、罪を重ねていくのだった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ホスト殺人事件(モデル:八王子カリスマホスト失踪・殺人事件)
とあるホストクラブで、冴えないホストの金子が店長から詰められている。
売掛していた客が飛んだらしく、店の損害を補填するために500万もの借金を負わされるが、実はこれは金子をハメるための演技。
店長は金を絞れるだけ絞って愛人と新しい店を出す算段だった。
理不尽すぎるパワハラに耐え兼ね、金子は灰皿で店長を殴打し、首を絞めて殺害してしまう。
〈店長を殺害するホスト金子 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
死体の処理に困った金子は、ネットでのQ&Aをもとに自宅で死体を寸胴鍋に入れ、強力な洗剤で溶かすことを思いついた。
包丁やノコギリで死体を解体し、二人暮らしの母が仕事に出ている間に処分を始めるが、その凄惨な処理の最中に母が帰ってきてしまった。
母は愛する我が子のために共犯になることを決め、2人がかりで死体の処分を進める。
〈母と2人で死体を処分 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
他方、店長の愛人は犯人が金子であることを悟り復讐のためにカモメ古書店を訪れるが、一方で店長の自業自得であることも事実。
ちょうどそのとき届いた母からのメールを見て、復讐に手を染めるのを思いとどまるのだった。
復讐屋「朝食会」
スマホを見ながら自転車に乗っていた男がベビーカーに衝突し、子供が歩行障害を負う事故があった。
恨みを持つ母親は、後日同じ男が乗る自転車の車輪に傘を突っ込んで転倒させ、復讐に出る。
〈直接復讐に手を下す被害者 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
母親は朝食会という復讐屋の協力を得てこの計画を実行していた。
カップル強姦殺人事件への復讐(モデル:名古屋アベック殺人事件)
その朝食会に新たな依頼者が復讐依頼に訪れる。
12年前、あるカップルが集団に殺される事件が起きた。
金目当てに襲われ、彼氏は撲殺、彼女は輪姦されタバコの火を押し付けられるなどの仕打ちを受け、最終的にヒモで綱引きのように首を絞められて無残に殺された。
〈凄惨な殺人事件 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
しかし犯人たちは当時未成年ということで死刑にはならず、今は社会復帰している。
殺された彼女の父親が朝食会に復讐を依頼しに来たのである。
朝食会の若い女性リーダー、榎 加世子は、被害者が直接復讐をするのを手伝う、というのがモットー。
〈復讐屋、朝食会の2人 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
今回の依頼を受け、入念な下準備の上で主犯格の男を拉致・拘束し、依頼者に引き合わせる。
依頼者は朝食会の手助けを受けながら犯人に復讐を果たし、何か胸のすくような思いを味わった。
〈朝食会流の復讐幇助 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
しかし続いてもう1人の犯人を拉致しようとしたとき、カモとトラが先に犯人を確保してしまう。
その現場に居合わせた朝食会の加世子と実行役の鶴巻。
加世子はカモとトラに交渉を持ち掛け、互いの依頼者同士を引き合わせる。
〈カモメ古書店と朝食会の邂逅 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
カモとトラの依頼人は事件の被害者となった彼氏側の母親だった。
依頼者は「自らこの手で復讐したい」という意思を固め、カモとトラへの依頼をキャンセル。
〈朝食会に依頼を奪われる [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
カモとトラにとっては遺族が罪を背負うことを避けるための復讐代行だったが、今回は朝食会に依頼を取られるかたちとなった。
こうして朝食会とのライバル関係が始まることとなった。
男児4人殺人事件(モデル:附属池田小事件)
廃れた暮らしをする1人の男。
ろくに仕事もできず新人にナメられ、子供とぶつかった際に子供のスマホを拾ってあげても「ありがとう」すら言ってもらえない。
〈子供にすら不条理を感じる男 [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
友人もなく、周囲との差に感じる不条理を世間にぶつけるためか、男は思い立ったように包丁を持って外で出た。
ターゲットにしたのは廃校で遊んでいた子供たち。
1人を刺し、逃げ惑う子供たちも捕まえて次々と刺し殺す。
〈凶行に走る [善悪の屑 4巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
凶悪な通り魔となったが、鬱憤が晴れた男の顔には笑顔が戻っていた。
【4巻のまとめ】
遺族が直接復讐するのを手伝う「朝食会」がカモメ古書店の依頼を奪う形で登場。
両者のライバル関係が始まる。
そんななか、今度は世の中への不条理さに鬱憤を溜めた男が通り魔と化し、男児4人を殺害する事件が起きた。
この男への復讐は―。
次巻へ続きます。
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参考世にはびこる悪人たちに復讐と制裁を『善悪の屑』全5巻【ネタバレ注意】
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