ノイマンが感染していたことが発覚し、仲間たちは葛藤の末に絆を深めた。
トンネルでの死闘の末、ノイマンは自らを犠牲にして道を切り開き、一行を救う。
坂上の救出後、仲間たちはノイマンの死を悼みながらも、再び前へ進む決意を固める。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。
義明の感染確認
義明がFウイルスに感染しているかどうかを確かめるため、坂上は採血を試みる。
しかし、吉岡は義明にナイフを渡し、自ら傷を負って証明するよう促す。
ためらう義明に業を煮やした吉岡は彼を押さえつけ、容赦なく指を切断。
すると、切り落とされた指は瞬く間に再生し始めた。
その光景を目の当たりにした坂上は、確信を得て不敵な笑みを浮かべる。
その後、道中での感染者との接触を警戒し、坂上は抗生物質の投与を提案。
だが、義明たちが注射を受けると、急激な脱力感に襲われ、次々と倒れていく。
実は薬の正体は抗生物質ではなく、一時的な低血糖状態を作り出すインスリンだったのだ。
坂上は意識を失った義明を寝台に乗せ、運び去る。
岩倉たちも必死に追おうとするが、薄れゆく意識の中、身体は動かず、なす術がなかった。
血にまみれた台座
坂上に連れ去られた義明が辿り着いた部屋には、血にまみれた台座が置かれていた。
そこに寝かされ、工具を片手に迫る坂上を目の当たりにした義明は、恐怖に駆られ、力を振り絞って逃げ出す。
逃走の途中、切り刻まれた人間のようなものを目にし、それが坂上の夫の変わり果てた姿であることに気づく。
しかし、すぐに捕え直され、再び台に拘束される義明。
坂上は義明の脳漿からFウイルスを取り出すため、工具を振りかぶる。
その瞬間、吉岡が間一髪で止めに入るが、隙を突かれ、反撃を受けて部屋の外へと閉め出されてしまう。
逃げ場を失った義明は、工具で頭を殴られ、意識が遠のいていく。
その時、銃声が響き、破壊されたドアの向こうから一ツ兜が姿を現した。
ナイフを取りに行こうとした坂上に、彼の右ストレートが炸裂。
一ツ兜は2秒先を見通すその力で、坂上を圧倒し、制圧に成功するのだった。
対立する目的
突如現れた一ツ兜に戸惑う一同。
彼の目的は坂上だった。
デイジーが化け物に襲われ、重傷を負ったため、感染を治す薬を手に入れる必要があったのだ。
しかし、義明を救いたい吉岡と意見が対立し、激しい言い争いに発展。
岩倉も間に入って止めようとするが、膠着状態が続く。
その場を収めたのは当の義明だった。
彼は外にいるボコールからFウイルスを入手することを提案する。
それはかつて坂上を襲った女のボコールだった。
早速捕獲に動くが、ボコールの周囲には化け物たちの厳重なガードがあり、なかなか突破できず苦戦を強いられる。
焦りを募らせた一ツ兜は、ボコールを諦め、同じFウイルスを持つ義明に突如として襲いかかる。
しかし、その一撃を防いだのは意外な人物――りっくんだった。
ボコールの捕獲作戦
体を張って義明を守ったことで、りっくんは義明の指示に従う可能性があると考えた吉岡は、彼を使ってボコールを捕獲することを提案する。
しかし、花畑は激しく反発。
息子を危険な戦いに向かわせることなどできない――父としての強い拒絶がその態度に表れていた。
だが、一ツ兜は苛立ちを募らせ、威圧的に決断を迫る。
焦燥が漂う中、岩倉が坂上に新薬の効果を問いただす。
坂上は、それがりっくんのような感染者にも効果があると告げた。
その瞬間、花畑の中で迷いが揺らぐ。
守ることだけが父親の役目なのか。
生き延びるためには、時に信じることも必要なのか。
深い葛藤の末、花畑は静かに覚悟を決めた。
花畑が気持ちを伝えると、りっくんはまっすぐ見つめ返した。
その視線に迷いはなく、花畑の決意を受け止めたように見える。
そして、義明の指示のもと、ボコール捕獲へと向かう。
異形の進化
化け物の群れを駆け上がり、女のボコールと対峙するりっくん。
次々と襲いかかる化け物たちの妨害を受けながらも、見事に仕留め、捕獲に成功する。
しかし、その直後、男のボコールが突如現れる。
その異様な気配に、一ツ兜は危険を察知。
義明の指示により、りっくんはその場を離れ、急ぎ帰還する。
残された男のボコールは、倒れた女のボコールに近寄ると、突如として共食いを始める。
肉が喰われ、骨が砕かれ、やがて二体は癒着し、まん丸い異形の物体へと変貌。
坂上は、それを細胞分裂を繰り返す受精卵と推測する。
その異様な光景は、これまでの研究の謎に対する答えを示しているかのようだった。
未来を読んだ一ツ兜が、その成長速度と異質さに危機感を覚え、ありったけの武器で総攻撃を指示。
銃火器で攻撃するも、成長は止まらず、膨張しながら幼体へと変化。
さらに周囲の化け物たちを次々と取り込み始め、ついには人の顔を有した巨大な人の塔を形成する。
その塔は、橋を渡りながら一行に襲いかかってきた。
変貌する怪物
撤退を急ぐ中、逃げ遅れた坂上に肩を貸す義明。
しかし、背後から迫る化け物の手が伸び、義明は捕まり、そのまま食べられてしまう。
岩倉がフォークリフトで突っ込み、義明を強引に吐き出させることに成功。
そのまま吉岡がトラックを突入させ、大爆発を引き起こす。
激しい炎に包まれ、化け物は退治されたかのように思われた。
だが、爆炎の中から現れたのは、義明に瓜二つの巨大な化け物の姿。
その光景に絶望し、一同は言葉を失うのだった。
【9巻のまとめ】
義明のFウイルス感染が発覚し、坂上によって連れ去られる。
拘束された義明は、脳漿からウイルスを抽出されそうになるが、一ツ兜の介入により救出される。
デイジーの治療薬を求める一ツ兜と、義明を救おうとする吉岡たちの間で対立が生じるが、義明の提案でボコールの捕獲作戦が始動する。
りっくんの活躍で女のボコールを討つが、直後に現れた男のボコールが共食いを始め、異形の怪物へと進化。
銃火器による攻撃も通じず、人の顔を持つ巨大な塔となり、一行に迫る。
撤退する中、義明は化け物に捕まり喰われてしまうが、岩倉と吉岡の決死の攻撃で救出。
しかし、爆炎の中から現れたのは、義明の姿へと変貌した巨大な化け物だった。
【9巻の見どころ】
この巻の見どころは、Fウイルスに感染している義明を巡る激しい攻防が繰り広げられる点です。
坂上による容赦ない検証で感染が確定し、義明は囚われの身となります。
血塗られた台座での解剖寸前、一ツ兜の乱入によって救出されるも、治療薬を巡る争いが勃発。
義明の提案でボコール捕獲作戦が始まる中、りっくんの奮闘によって成功を収めます。
しかし、ボコールの異常な進化が始まり、巨大な人の塔へと変貌。
圧倒的な脅威に追われながらも、決死の脱出劇が展開されます。
そして、最後に現れたのは義明に瓜二つの異形の怪物。
次巻へ続きます。
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