テニスの名門校・青春学園中等部にアメリカジュニア大会4連覇を成し遂げた天才少年・越前リョーマが入部。
並みの高校生すらも圧倒する実力を見せつけレギュラーの座を獲得したリョーマは、関東大会初戦のライバルの氷帝との対戦で故障を抱え離脱した部長・手塚に代わって青学の柱を担うスーパールーキーとして期待がかかる。
手塚抜きで関東大会ベスト4に入り全国大会への出場権を獲得した青学は、準決勝で古豪の六角中にストレート勝ちで決勝進出を決めた。
決勝ではダブルスの2連敗で王手をかけられながらも、シングルス3では乾が幼馴染で同じデータ分析を得意とする蓮二との激闘で執念で勝利をもぎ取った。
シングルス2では不二がアクシデントで目が見えない状態となるが、リョーマと同じ「無我の境地」に至った赤也をギリギリで破り、優勝へ望みをつないだ。
運命のシングルス1は、リョーマが中学テニス界最強の「皇帝」真田に追い詰められながらもサムライの血が目覚めたリョーマが怒涛の反撃。
最後は無我の境地をも解禁した真田に対し、リョーマが新技「COOLドライブ」でポイントを奪い、7-5で死闘を制した。
青学の優勝で関東大会が幕を下ろし、ライバルの氷帝も開催地枠としての全国大会出場が決定した。
不二もトリプルカウンター以外の技の必要性を感じる一方、大阪からは驚異的なパワーを持つ四天宝寺中の大物ルーキー・遠山金太郎も登場。
そして故障を抱えたままの大石に代わって手塚がレギュラーに復帰し、いよいよ全国大会が開幕。
青学は1回戦で六角を下した沖縄代表の比嘉との対戦では完全復活した手塚を含め、青学が5連勝。
準々決勝でリベンジに燃える氷帝と再戦することになり、2勝2敗で勝負はシングルス1のリョーマと跡部の激突に委ねられる。
「無我の境地」で攻勢に出るリョーマだが、跡部は素の状態で対抗してくるうえに並外れた洞察力による「氷の世界」でリョーマの死角を的確に突いてくる。
苦しい展開の中でリョーマも進化を遂げ、手塚ゾーンを再現して一気に反撃へ。
試合は再び振り出しに戻るのであった。
35巻のあらすじを振り返ってみましょう。
リョーマが跡部との死闘を制す
手塚とリョーマは互いに一歩も譲らない戦いを見せ、タイブレークへ突入。
全てを懸けた戦いは89-89まで続く死闘となり、両者体力の限界でコートに倒れこんでしまう。
コートチェンジのため90秒以内に次のプレーを開始しないと相手のポイントとなる。
先に跡部が立ち上がるが、リョーマも時間制限ギリギリで立ち上がり、サーブを間に合わせた。
対する跡部は立ったまま気絶しており、リョーマのサービスエース。
そして次の20秒がそのまま経過し、119-117でリョーマが死闘を制し、青学がベスト4進出を決めたのであった。
不動峰vs四天宝寺
準々決勝では不動峰が四天宝寺と激突。
シングルス3では伊武が棄権を余儀なくされ、ダブルス2でも神尾・石田ペアが忍足ケンヤ(氷帝の忍足の従兄弟)・石田(兄)ペアに劣勢を強いられる。
ケンヤは神尾以上のスピードを、石田(兄)は元祖波動球の圧倒的なパワーを持つ難敵。
それでも不動峰は部長である橘のような猛獣のオーラを見せて攻めるが、四天宝寺は身体につけていた重りを外して本気を解禁する。
不動峰は反撃も及ばず、体力の限界を迎えて途中棄権となった。
橘vs千歳、無我の境地の先にある3つの扉
後がない不動峰はシングルス2で橘を投入。
相手は同じ九州地区で2強の座を分けあった千歳。
千歳は無我の境地の使い手であり、もともと親友だったものの、橘が千歳の目を怪我させてしまったことで一時期テニスを止めることとなった関係である。
橘はけじめとして千歳が打ったボールをわざと目で受け、恨みっこなしのガチンコ勝負へ。
野生を全面に押し出したあばれ獅子の攻めで橘がリードするも、千歳はバウンドと共に消えるように急激に跳ね上がる「神隠し」で対抗。
互角の展開のまま終盤へと突入すると、千歳は無我の境地の先にある3つの扉の存在を明かす。
1つは手塚が会得した「百錬自得の極み」であり、威力・回転数などを全て倍返しにする技。
もう１つは千歳が会得した「才気煥発の極み」。
それは頭脳をフル回転させて完璧なシミュレーションを組み立てることで、まるで未来予知かのように展開を読みきる技。
対する橘は全力の「あばれ球」で押し込もうとするが、惜しくも一歩及ばず千歳に惜敗。
実は千歳の右目の視力低下は治っておらず、それを悟った橘は死角となる左サイドを攻めないように加減していたことが明かされる。
ともあれ、不動峰を下した四天宝寺が準決勝の青学の相手に決定。
そして千歳が語る、無我の境地の先にある最後の扉は「天衣無縫の極み」。
それは他の2つとは次元が違い、数十年前に1人だけが行き着いた開かずの扉なのであった。
【35巻のまとめ】
リョーマと跡部の試合はまさに死闘となり、僅差でリョーマが試合を制した。
また不動峰は四天宝寺に敗れ、準決勝で青学と激突することに。
橘と並び九州地区で名を馳せた千歳は、無我の境地のその先にある3つの扉のうち、頭脳をフル回転して未来余地のように試合の展開を読み切る「才気煥発の極み」の使い手。
残る扉は手塚の「百錬自得の極み」と、あとは数十年前に1人だけが行き着いた開かずの扉「天衣無縫の極み」であることが明かされるのであった。
次巻へ続きます。
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