大槻はマコトから気づきに導かれ、破壊の力を手にした。
人をターゲットにすることに葛藤を感じるマコトは事件に巻き込まれ、力を持った大槻は少しずつ暴走しだした。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
決別
テロ対策本部はいよいよ問う者の力を超常の力であると認めざるを得なかった。
科学は死に、世界は変わってしまう。
もはや警察や日本だけの問題ではないのだ。
釈放されたマコトは工藤の車で自宅に送られていた。
工藤が抱える怒りもまた、マコトと同じように行き場を失っていた。
ユウキや大槻も同じ気持ちなのだろうか。
ワンネスの力に酔い、幼稚な示威行為に走った大槻をユウキは許すことにした。
大槻なら人を殺せることを確認したユウキはマコトと決別することにした。
世界を変えることよりも小島を守ることを優先するマコトに革命は続けられないと思ったのだ。
それでもユウキにとってマコトは最高の同志で英雄だ。
だが、マコトが欲しかったのは英雄でも同志でもなく、「友達」という言葉だった。
世の中は少しづつ変わっていった。
テロはよくないが、気持ちはわかる。
超能力を持ち、政府を脅す問う者は痛快な存在だ。
問う者から離れたマコトはなんでもない穏やかな時間を楽しんだ。
熱い高揚と革命の日々は夢のような出来事だったと自分に言い聞かせていた。
違和感
大槻は引き際を間違えていた。
警察の厳戒態勢の中、力を見せつけたところまではよかった。
だがユウキの制止を無視し、さらに破壊を続けた。
警察はあっという間に大槻のいるビルを取り囲む。
マコトたちは大槻を見捨てて逃げるしかなかった。
警察が大槻を追い詰める。
その瞬間、また新たな破壊が行われた。
裏をかかれる形になった警察は一斉にそちらに向かう。
マコトは同士として問う者を助けた。
また大槻はコントロールを失った。
マコトは問う者の解散さえ辞さない厳しい態度を見せる。
諭され反省する大槻と、反省を受け入れるユウキ。
だが二人は違和感を感じ始めていた。
一方、現場を引き上げる中村はまたマコトを見かけた。
塔の破壊の時に見かけて以来なぜか気になっていたのだ。
偶然とは思えないが、なぜ気になるのか具体的に説明もできない。
岩木と中村は学生を対象に探ってみることにした。
連日遅くまで資料を調べるがどれも違和感がない。
単純な犯罪を調べるよりも、違和感を感じる案件を探していた。
そして、中村は小島の事件にたどり着く。
不起訴とはいえ、身体の消失という違和感は無視できなかった。
制裁
マコトは国に問う者のHPを作らせ管理させるつもりだった。
これなら足もつかないし、広く対話ができる。
出来ないのならさらに破壊するだけだ。
しかし政府は時間稼ぎをするだけだった。
うんざりしたユウキは大槻に破壊の指示をする。
だが、これは制裁ではなく警告だ。
自制の効かない大槻に念を押した。
そのころ、中村はマコトのアルバイト先を探し当てる。
客のふりをして様子を伺うが、彼女にはまじめに働くマコトがテロリストには見えなかった。
と、そのとき突然中村の携帯電話が鳴りだした。
またコントロールを失った大槻は、官房長官を爆殺してしまったのだ。
目の前にいるマコトは電話にも触れていない。
彼はシロだ。
中村は捜査が振り出しに戻ったことを嘆きつつ、どこか安堵していた。
過ぎた力
大槻は全能感に支配されていた。
自分こそが問う者だ。
ユウキではなく自分を崇拝するべきだ。
工藤を自分のものにしようと力を見せつける大槻。
それを咎めるユウキに力を向けようとしたが、あっさりと制圧されてしまった。
集中が必要なワンネスの力が決して万能ではなかったのだ。
ここまで来たらもう敵と一緒だ。
工藤とユウキは大槻との縁を切ることにした。
マコトは久しぶりにユウキと学校で話をする。
大槻の殺意が工藤やマコトに向けられた日、いったい何があったのだろうか。
マコトは全能感に支配されていく大槻を感じていた。
ワンネスでつながった3人に嘘はつけない。
ユウキでさえも塔を倒したときは高揚を抑えきれなかった。
一方でマコトはその力を恐れていた。
破壊衝動は確かにある。
でもそれ以上に怒りや憎しみで自分が変わることのほうが恐ろしかった。
小島たちとの生活がマコトを少しづつ変えていったのだ。
変化
ついに政府は問う者のHPを公開する。
ユウキの要求は為政者にとっては実に厳しいものだった。
しかし、これ以上犠牲者を出さないためには要求を呑むしかないのだ。
政府を言いなりにしている者がいるという事実は刺激的で面白いものだった。
マコトは考えていた。
女友達が一人で来ただけで、今まで募らせてた不満や憎しみが薄れてきている。
そんな底の浅い怒りしか持たない自分をユウキが見捨てるのは当然だと感じた。
今も戦うユウキの側に行く資格は無い。
だが、ユウキは力を持たないのだ。
政府はまた時間稼ぎを始めていた。
罰
変わりつつある世界に興奮しているのは大槻もまた同じだった。
繰り返される要人の殺害。
暴力はあまりに強すぎるメッセージだ。
世の中は過激な支持者と拒否するものに分かれていった。
問う者がただの犯罪者になったら、自分たちの主張を聞くものはいなくなる。
マコトと工藤は大槻を始末することにした。
一方で大槻の暴走は止まらない。
自分を「問う者の剣」と称し、TV局にコンタクトを取った。
生中継でさらなる奇跡を見せるという。
恐れを忘れた人間に必要なのは、人の目を開かせる救世主がもたらす奇跡だ。
しかし度々奇跡を目の当たりにしてもまだ目を開かない者には神による罰を与える。
大槻は湾岸の工業地帯を丸ごと焼き尽くしてしまった。
【3巻のまとめ】
警察も政府も問う者の力を認めざるを得なかった。
穏やかな生活に怒りが薄れるマコト。
一方で全能感に支配される大槻は問う者を追われることになった。
少しずつ理解され始める問う者の考え。
しかし、暴走する大槻の破壊は反感を買う。
大槻はついに神の罰と称して大規模な破壊を始めてしまった。
【3巻の見どころ】
この巻の見どころは、問う者の理念と暴力の間で揺れるメンバーたちの葛藤です。
マコトとユウキは、大槻の暴走によって決定的な決別を迎えます。
全能感に囚われた大槻は警察の包囲をかいくぐるも、自制を失い、仲間すら脅かす存在へと変貌。
マコトは穏やかな生活の中で革命への熱を冷まし、ユウキとの距離を実感します。

次巻へ続きます。
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