花畑は笠原の遺体を抱きしめて泣いていた。
ボコールを倒したにもかかわらず塔が出現したことから、新たなボコールの存在が疑われる。
収容者たちに襲われたデイジーだったが、あまりのショックに幼児退行して一ツ兜に助けを求め、事なきを得る。
ヘリから落下した義明は重傷を負いながらも生存。
驚異的な回復力を見せ、感染を確信した吉岡は彼を殺そうとするが、義明の涙に決断を躊躇う。
坂上と名乗る研究者から連絡があり、治療薬の存在が知らされ、義明たちは海ほたるを目指すことに。
ノイマンは自身の体の異変に気付くが、隠しながら同行する。
花畑の装甲車で向かう道中、ラジオブースに立ち寄り、吉岡が即興DJを開始。
義明が流した「アンパンマンのマーチ」が、最初は失笑を誘うも、歌詞と今の状況がリンクし、次第に仲間たちの士気を奮い立たせていった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。
荒廃した街と新たな旅路
義明たちはうみほたるへ向かう途中、荒廃した街を進んでいた。
パラシュートが引っかかり宙吊りになった軍人姿の化け物、大破した戦車やヘリコプターが街中に散乱し、商業地域にも戦闘の跡が生々しく残っていた。
羽田空港へ向かう道は渋滞で塞がれ、反対車線にも乗り捨てられた車が溢れていた。
一行は道中のファミレスに立ち寄り、今後の作戦を立てることにした。
地図を広げて進路を確認した結果、道路状況を考慮して車での移動を諦め、徒歩でうみほたるを目指すことを決断する。
この判断に花畑は落胆した。
笠原と共に作った装甲車を手放さざるを得なくなったからだ。
ファミレスのキッチンからは、アルバイト経験のある吉岡がみんなのために食事を作っている声が聞こえた。
しかし、ノイマンだけは食事に手をつけず、吉岡の勧めにも頑なに断り続けた。
ノイマンの秘密
ノイマンは皆と少し距離を置いて座っていた。
その足元には化け物が潜んでいた。
突然、化け物がノイマンの腕を掴み、首元に噛みつこうとする。
しかし、何かを察したのか化け物は噛みつかず、その場を離れようとした。
駆けつけた岩倉が化け物を倒すが、その場にいた仲間たちは一部始終を目撃し、言葉を失う。
化け物がノイマンを襲わなかったことから、彼が感染していることが発覚。
吉岡は無意識に手に持っていたタバコを落とし、冷静を装いながらも内心では大きく動揺していた。
発症が遅れていることから、ノイマンは義明と同じF型ウィルスに感染していると推測される。
ノイマン自身もその事実を認め、自分の処遇を仲間に委ねた。
吉岡は強がる素振りを見せながらも、内に秘めた優しさが滲んでいた。
ここで立ち止まるわけにはいかないという決意が伝わってくる。
一行はそれぞれの思いを胸に、歩みを進めていく。
トンネルの罠とノイマンの過去
黒い雨が降る中、一行は工場地帯を越え、酸素スプレーを片手にうみほたるを目指して進んでいた。
途中、ノイマンの様子に異変が現れ、義明は肩を貸しながら彼を支えた。
やがてトンネルに入ると、一同は息苦しさを感じる。
換気ファンが作動しておらず、一酸化炭素中毒の危険が迫っていたのである。
急いで出口を目指すが、トンネル内では玉突き事故が発生しており、道は塞がれていた。
非常口を見つけたものの、その先は化け物の巣窟だった。
逃げ場を失った一行は事故車両の中に避難するが、車は化け物に囲まれ、身動きが取れなくなってしまう。
その音にノイマンの幼少期のトラウマが蘇る。
母子家庭で育った彼は、貧困と虐待の中で生き、借金取りの訪問に怯える日々を過ごしていた。
母親を守りたい一心で、調査に来た児童相談所の職員を殺害した過去が彼の中で蘇り、心が乱れる。
正気を失ったノイマンを現実に戻したのは義明の一撃だった。
状況を理解したノイマンは義明と共に脱出の作戦を立てる。
義明はタンクローリーを見つけ出し、地面にガソリンを流す。
一方、ノイマンは換気システムを作動させ、トンネル内に酸素を送り込んだ。
ノイマンの最期
作戦は順調に進んでいるかに見えた。
しかし、合流したノイマンはすでに化け物と化していた。
仲間たちに絶望が広がる中、ノイマンはわずかに残った理性で義明をトランクに押し込み、ライターを使ってトンネルを爆破する。
激しい爆発がトンネル内の化け物と事故車を吹き飛ばし、道を切り開いた。
崩壊するトンネルとともに、ノイマンは自らの命を絶ったのだった。
坂上の危機と救出
その頃、うみほたるにいた坂上は、対岸から迫りくる化け物たちに怯えていた。
不意に現れた犬型の化け物たちに襲われるが、手製の閃光玉で反撃する。
しかし効果は薄く、追い詰められる坂上。
その時、花畑の放った火薬玉が炸裂し、化け物たちを吹き飛ばした。
次々と投げ込まれる爆薬で化け物を一掃し、坂上は間一髪で救出される。
襲いかかる最後の化け物は、岩倉の狙撃で倒された。
ノイマンを偲ぶ
坂上は研究所で一行に感謝を伝えた後、ノイマンの姿が見えないことに気づき、来ていないのかと尋ねた。
義明は悲しみに暮れ、何も言葉を発せなかった。
吉岡は部屋を出て行き、義明は彼を追う。
吉岡は、ノイマンとの出会い、彼にあだ名を付けたこと、そしてそのあだ名を気に入ってくれたことを語る。
ボロボロになったノイマンのメガネを手にし、静かに思い出を振り返った。
義明は吉岡の話を黙って聞き、改めてノイマンの死の重みを感じていた。
【8巻のまとめ】
義明たちは荒廃した街を進み、うみほたるを目指して過酷な旅を続けた。
ノイマンが感染していたことが発覚し、仲間たちは葛藤の末に絆を深めた。
トンネルでの死闘の末、ノイマンは自らを犠牲にして道を切り開き、一行を救う。
坂上の救出後、仲間たちはノイマンの死を悼みながらも、再び前へ進む決意を固める。
【8巻の見どころ】
この巻の見どころは、ノイマンの壮絶な運命と、それを見届ける仲間たちの葛藤です。
荒廃した街を進む一行は、ノイマンが感染していることを知り、戸惑いながらも共に旅を続けます。
やがて、一酸化炭素が充満するトンネル内で化け物に囲まれた一行は、脱出のために決死の作戦を決行。

次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考不良の集まる青少年矯正施設で繰り広げられるゾンビ・パニックサバイバル!『アポカリプスの砦』全10巻【ネタバレ注意】
続きを見る