吉見が立花に痛恨の同点2ランを被弾し、試合は延長戦に突入。
誰よりも勝利への意欲を燃やす文吾が2番手として登板し、上本牧シニアの強力打線をも真っ向からねじ伏せにかかる。
そして韋駄天の砂川に3塁を陥れられるが、バッター勝負に集中する文吾。
対する下川はスリーバントスクイズで勝ち越し点を狙ってくるのだった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。
ピンチを凌ぎ、立花との対決へ
下川がスリーバントスクイズを仕掛けるが、文吾のストレートのノビは予想以上であり、バントですらもバットに当てることができなかった。
捕手の鮎川すらも後逸してしまい、その隙に砂川が本塁へ突入する。
鮎川がすかさずボールを拾い、守備ができない文吾に代わり、ファーストに入っていた吉見が本塁のベースカバー。
吉見の見事なフォローによって砂川を本塁で刺し、失点を防いだ。
下川は振り逃げでそのまま1塁に残り、いよいよ文吾が立花に挑む時が来たのだった。
文吾vs立花
冷静に敬遠すべきだと吉見が考える一方、文吾は立花をねじ伏せて勝つことしか頭にない。
吉見の雪辱を晴らすことに燃える文吾に対し、爆発的な成長を遂げる可能性を感じた吉見もその背中を押す。
そして文吾はランナーを無視して振りかぶり、立花との勝負に全力を注ぐ。
ランナーの下川も立花に集中させるべく、余計な駆け引きはせずに動かない。
分かっていても打てないど真ん中のストレートを志向し、吉見に教わった理想の姿を体現する文吾は、立花からも空振りを奪い、2ストライクと追い込んだ。
スタンドで声援を送り続ける袴田は、このときようやく、捕手というポジションにはエースが全てを背負って投げる球を受け止める覚悟と器量が必要であることを痛感し、捕手というポジションに対する甘い考えを改めて自分が文吾の女房役になることを決意する。
そして次の1球、立花はあろうことか打席の最前方に立ち、石浜との勝負。
大きな破裂音のあと、打球はレフトスタンドのポール際へと飛んで行った。
ギリギリでファウルとなり、命拾いした文吾はプレッシャーに委縮するどころか、ここで立花を越えて吉見の背中に追いつこうと笑みを浮かべる。
逃げることなく、真のエースを継ぐという決意と共に投げた渾身の一球は、立花をも空振り三振に打ち取るのだった。
野田の決勝弾で劇的な幕切れ
文吾が上本牧打線を抑えて流れを引き戻し、文吾の飛躍を見た野田が「今度は自分の番だ」と気合を入れる。
上本牧シニアの2番手は、他のチームなら間違いなくエース級の実力を持つ川上。
川上からも点を取るのは容易ではないと思われるなか、静央シニアは鮎川の弟・瑛太がヒットで出塁。
その後送りバントなどで2アウト2塁と、一打サヨナラのチャンスを迎える。
ここで真琴がクリーンヒットを放つも、センターに入った下川が見事なバックホームで走者の生還を許さず、ランナー1・3塁で野田にチャンスが回ってきた。
そしてここで野田が劇的なサヨナラ3ランホームランを放ち、自分の力を見せつけるとともに激闘に終止符を打ってみせた。
文吾も勝利後、スタンドやベンチやチームメイトたちの表情など全てを見て、たった1回投げただけでも身体の内側からこみあげてくるものを感じるのだった。
舞台は2年後へ
この試合で静央は日本選手権への出場権を獲得。
次の準々決勝では吉見の不出場により精彩を欠いて敗戦を喫し、関東大会はゴールデンルーキーの家長擁する流山シニアが優勝した。
また上本牧シニアは敗者復活トーナメントで日本選手権の出場権を勝ち取る。
1か月後の日本選手権では吉見が躍動し、力を合わせて勝ち上がる静央シニアだったが、準決勝で惨敗を喫し、日本一の夢は儚く散った。
そして物語の舞台は2年後に移るのだった―。
【8巻のまとめ】
文吾が気迫の投球で立花からも空振り三振を奪う衝撃の投球を見せ、触発された野田が値千金の決勝弾。
劇的な幕切れで上本牧シニアとの激闘を制したが、その後日本選手権の準決勝で静央シニアは惨敗を喫することとなる。
そして物語は2年後に移るのであった―。
【8巻の見どころ】
この巻の見どころは、文吾がエースの自覚を胸に、立花から空振り三振を奪う劇的なシーンです。
ピンチで怯まず、真っ向勝負を挑む文吾の成長ぶりには胸が熱くなります。
そして、続く攻撃では野田が気迫のサヨナラ3ランを放ち、激闘に終止符を打つ瞬間も圧巻です。
勝利の喜びに浸る文吾の姿からは、わずかな出場でも野球の本質を掴み取ったことが伝わります。

次巻へ続きます。
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