夜になると留美子たちの部屋にはぬいぐるみが現れてそれを追う「赤い人」に殺され、夜の逢魔高校を舞台にバラバラになった自分たちのカラダを探す「偽のカラダ探し」が始まる。
真相を知る美沙の目的は、かつて小野山美子の呪いで世界が歪められた影響で生じた「歪んだ世界」を元に戻し、すべてを「本当の世界」に返すこと。
そしてこの場所が呪いの力で作られた死の狭間であること、7日以内にそれぞれの「カラダ」を見つけなければ本当に死んでしまうというルールや、世界を元に戻した代償として、「本当の世界」にそもそも存在しなかった美沙と龍平は存在自体が消え、美雪と袴田あゆみは死ぬ運命を辿るといった真実も明らかに。
大切な友達を失う可能性に苦悩し動揺を隠せない留美子だが、美雪との関係がこじれてしまったうえ、さらに杉本健司も自分勝手な単独行動に走るなど、「偽のカラダ探し」は思ったように進行しないまま、時間だけが過ぎていく。
美紗は自分も毎晩「赤い人」に惨殺されていること、この世界は「本当の世界」が崩壊する直前に小野山美紀が逃げ込んだ先で、森崎明日香をはじめとするカラダ探しメンバーのうちの誰かの意識の中に作られた世界だったことを明かす。
そしてこの世界の主である武司は、異物のような存在である美沙を警戒すると共に留美子たちの動きに気づき、排除しようと動き出していた。
そんな危機的状況の中でも呪いを解く手がかりを求めて奔走を続ける留美子たちは、事情を知った伊勢高広たちの助けを得ながら、龍平を始めメンバー同士の協力体制を整えていく。
美雪と和解し、終盤には自分のカラダがなかなか見つからずに焦っていた健司は改心して仲間に協力を求め、龍平も留美子に告白するなど、ようやくメンバーたちが団結。
そして美紗はカラダ探しが終わった後の話や呪いの解き方を留美子らに打ち明け、いよいよ最後のカラダ探しの日。
最終日の目標は健司のカラダを全て回収することと、呪いを解いて元の世界に戻る為に必要な美子の心臓を見つけること。
しかし健司が全てのカラダを回収したとき、美子を守ろうと動き出した山岡泰蔵の亡霊に憑依されてしまうのだった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
ついに美子の心臓を発見
家政学室のマネキンは中庭のある一点を見つめている―。
その視線の先が中庭の岩であることに気付いた美雪たち。
と、そのとき泰蔵に憑依された健司の咆哮が轟いた。
こちらの世界のメンバーは泰蔵に関する知識も記憶もないが、美子を守るため、美子にとり憑いた悪霊と戦うために「赤い人」のもとへと向かった。
健司が「赤い人」と戦う間に中庭で無事に美子の心臓を発見。
美紗は心臓と後のことを留美子たちに託し、カラダ探しを終わらせるために自ら「赤い人」のもとへ殺されに行く決意を固めた。(美紗が死ぬことで学校の外に出て小野山邸へ行けるようになる)
美紗が死ぬ運命は変えることはできず、留美子は絶対に呪いを解くことを誓いながら涙ながらに別れを告げるのだった。
仮初めの世界の終焉
美紗が「赤い人」に殺され、留美子たちが学校の外に出られるようになった。
「赤い人」が学校の外まで追ってくるなか手負いの健司、美雪、あゆみが身を挺して時間を稼ぎ、留美子と龍平が小野山邸に到着。
地下室の壷に美子の心臓を入れれば終わりだが、それは龍平との別れも意味していた。
留美子は涙ながらに約束として龍平にキスし、告白にOKの返事をする。
そして龍平は「次 会ったら続きな!」と新たな約束を交わし、2人で壷に美子の心臓を入れた。
こうして「赤い人」も龍平も消え、留美子は元の世界で目を覚ますのであった。
元の世界に戻ってきた留美子たち
留美子が目覚めたのは美雪が屋上で美紀の呪いを解こうとしている場面。(※前作最終巻参照)
美紗たちのいた世界での記憶を持った留美子は全ての呪いを解く方法を明日香らに伝えつつ、自分の唐突な話を信じさせるために中庭から美子の心臓を回収して見せる。
武司の意識のなかにも別の世界のあゆみが霊体となって現れ、留美子に協力。
そして美子の遺体の在り処を知る遥の姿を見て驚く留美子、その姿は美紗にそっくりであった。
他方、元の世界に帰ってきた健司も泰蔵が憑依したまま美子を救うために動き出す。
別の世界から魂だけ戻ってきた美雪は自分が死ぬ瞬間を目の当たりにし、元の世界の美雪の魂と融合。
さらに別の世界からは美紗の中にわずかに残っていた美紀の力により、美紗・あゆみ・龍平の魂も移ってきていた。
留美子たちの行動を支えるため、4人の霊体も動き出すのであった。
美子の遺体に心臓を還す留美子
他方、龍平の霊体は美子の墓を目指す留美子の後を追いつつ、負傷した結子のケアで戦線を離脱した武司のもとへと向かう。
龍平は霊体の姿ではあったが、強い願いが通じたのか武司ともコミュニケーションを取ることができ、再び戦線に復帰することに。
留美子が美子の墓にたどり着いたところで「赤い人」が迫るが、龍平が武司に憑依することで人並み外れたパワーを手に入れ、追いついてきた武司が助けに入る。
その武司の姿に龍平の面影を確認した留美子。
結果的に武司も留美子も「赤い人」に殺されてしまうが、寸でのところで約束通り美子の遺体に心臓を還すことに成功したのであった。
全ての呪いを解いた場面の裏側
美紗・美雪・あゆみの3人の霊体は小野山邸へと向かい、「黒くて怖い人」と戦う高広・明日香・遥をサポートする。
あゆみが思念で高広と連携を取りながら、3人の霊体に残った美紀の力で「黒くて怖い人」の動きを抑え、高広が「黒くて怖い人」を壷の中へと押し返していく。
そして留美子たちの尽力によって「赤い人」も壷の中へと戻ってきたところで明日香が壷を割り、全ての呪いが解けた。
世界の崩壊と共に霊体たちが天に還る際、美紀の魂も「ありがとう、お姉ちゃん」と明日香に言葉を残す。
そして別の世界から来ていた美紗の魂は自分の生まれ変わりである遥の魂に接触し、消える前に融合。
死んで魂となった武司は龍平の魂を取り込み、同じく死んで魂となった留美子らと共に霊体たちが再会を果たした。
このあとにどうなるか誰にもわからないが、「新しい世界で会おう」と約束して世界の崩壊を受け入れるのであった。
エピローグ:不思議な強い絆を感じる6人
留美子が目覚めたのは呪いが解けた翌日の11月29日、この日は留美子にとって不思議な1日となる。
前日に死んだ留美子たちに昨日の記憶は全く残っておらず、朝一に明日香が訳の分からないことを言いながら泣きついてきた。
帰りにふらっと寄ったショッピングモールで偶然明日香と日菜子と出会った際、そこにいた先輩の遥を見つけて思わず涙がこぼれる。
初対面のはずなのに「ミサ?」という言葉が口から出るうえ、遥も同じように涙を浮かべていた。
なぜかはわからないが、懐かしさと安心感に包まれて2人はその後親友となる。
さらに武司の双子の弟である龍平から告白され、正式に付き合うことに。
このことは武司と龍平の妹であるあゆみから散々茶化されることとなる。
それ以来、同じように28日の記憶がない友人が多いものの、不思議な強い絆を感じる留美子。
特に遥・龍平・美雪・あゆみ・健司とはどこか別の世界でも繋がっていたのではとさえ思うのであった。
【5巻(完)のまとめ】
数々の異変に翻弄されながらも、健司が「赤い人」に立ち向かっていくスキに、中庭で美子の心臓を手に入れたメンバーは、なんとか偽のカラダ探しを終了させることに成功。
留美子らは小野山邸まで急ぎ、地下室の壺に心臓を納めようとするが、「赤い人」を足止めしようとした健司・美雪・あゆみは死亡。
そして留美子が壺に心臓を納めると、その瞬間に意識が薄れていき、消えゆく美沙や龍平たちへの思いを胸に「元の世界」へと帰還する。
留美子が目を覚ました先では、「元の世界」の森崎明日香たちが美子の呪いを解こうと、団結して行動している最中。
留美子は美沙から聞いていた話を明日香に伝えて中庭に急行し、岩の下に隠されていた美子の心臓を発見。
そしてわずかに残っていた美紀の力で霊体となって「元の世界」に転移してきた美紗・美雪・あゆみ・龍平らも留美子たちをサポートし、全ての呪いを解くことに成功した。
呪いが解けたことで世界が改変され、最後に命を落とした留美子たちはその日の記憶を失った状態で復活し、美紗も生まれ変わりである遥の魂と融合する。
明日香と高広を除いて誰も「カラダ探し」のことは覚えていないが、どこか別の世界で繋がっていたのではと思うほど強い絆を感じるのであった。
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参考前作最終巻の謎と伏線を回収するパラレルストーリー『カラダ探し 解』全5巻【ネタバレ注意】
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