家庭を顧みずに仕事に没頭して妻・遥と息子・将太に家出された警察官・沢村久志。
ある日、後輩の西野と共に生きながら空腹の犬に喰い殺された女性の事件を担当することになる。
犯人像として浮かび上がったのはカエルのマスクを被り、レインコートを着て雨の日に殺人を行い、雨雲を追って去る殺人鬼「カエル男」。
猟奇的な殺人は止まらず、やがて、その被害者が全員「幼女樹脂詰め殺人事件」の裁判員制度による裁判員だったことが判明する。
そして息子を連れて家出した沢村の妻もその1人であり、警察の捜査の手をすり抜けるようにして沢村の妻と息子もカエル男によって拉致されてしまった。
沢村は身内が狙われていることから正式な捜査班から外されていたものの、西野と共に独自の捜査でカエル男を追うが、建設現場の屋上でカエル男と対峙した際、カエル男は自分をマークしていることを知る。
さらに、カエル男は沢村の目の前で西野をも屋上から突き落とし、西野が命を落としてしまう。
後輩の死に強い責任を感じた沢村は警察組織を離れてまで単独で「カエル男」を追い、「カエル男」は雨の日でなければ行動できない理由があるのではないかと考え、重度の日光アレルギーかもしれないと仮説を立てる。
専門家を訪ね歩き、病院の医師までも脅して手に入れた情報から、資産家の両親を中学生の時に猟奇殺人犯に殺された被害者遺族と思われていた霧島早苗が、自らの手で両親をも「芸術」と呼ぶ殺人の犠牲にした犯人だと沢村は確信。
家族の無事を信じて霧島の家に踏み込む沢村だったが、もみ合いの末に一撃を受けて意識を失い監禁されてしまう。
目を覚ますと狭い部屋に監禁されており、脱出するためにはジグソーパズルを解かなければならない。
不味いハンバーガーなどが定期的に差し入れられるなか、必死に冷静さを取り戻しながらパズルを解いていくと、完成図となる息子の書いた絵のほかにアルファベットの「E」「A」「T」が浮かび上がってくるのであった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
沢村を襲った絶望の光景
パズルに浮かび上がった「EAT(食べる)」の文字、そして定期的に差し入れられていた不味いハンバーガー。
まさか妻と息子の肉を使ったハンバーガーを食べさせていたのか―。
ドアのパスワードも「eat」で解除され、その先にあったキッチンには様々な工具が。
家族の無事を信じたい沢村は、すがるような思いで大きい冷凍庫の中を開ける。
するとまるで霧島があざ笑うかのように、中には妻と息子の頭部が入っていた。
沢村は絶望の淵に追いやられるのであった。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

生きていた妻と息子、外からは警察の応援が到着
冷凍庫の頭部は霧島が作ったダミーであり、沢村の妻と息子はまだ生きていた。
霧島は沢村の妻に対し、四六時中休みなく働いて生活を支えていた夫を捨てたことについて「有罪」と告げ、その死を以て自分の芸術作品を完成に近づけようとする。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

その頃、関端たちのチームが沢村を追って霧島の自宅に到着、警戒されないように潜入を開始する。
霧島の車のトランクからは行方不明になっていた医師の遺体も発見され、緊張に包まれながら犯人の確保へと向かうのだった。
カエル男の計画
妻と息子を別々の部屋に監禁した霧島は、カエル男の姿で悲嘆に暮れる沢村のもとへ現れ、
「ソレ見た後でもハンバーガーくらいはペロッといけるようにならねぇと」(1巻で沢村が西野に説教した際の言葉)
と挑発。
さらに息子を手にかけたときの様子を教えて煽り、キレた沢村が霧島を撃ち殺そうと発砲。
入り組んだ通路を逃げる霧島と、目の色を変えて発砲しながら追う沢村。
その発砲音が自宅に響き、関端らも異常事態を察知する。
そして霧島は通路で同じカエル男に変装させた沢村の妻と入れ替わり、「私刑執行」とつぶやく。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

霧島は沢村の妻を、沢村の手によって殺させようと画策しているのだった。
計画は阻止、カエル男は息子を人質に最後の選択を迫る
カエル男に追いつき、銃を構える沢村。
しかしその後ろ姿がこれまでに何度も悲しませてきた妻の背中だと見抜いた沢村は、銃を下す。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

妻は「自分が殺されれば息子は殺されずに済む」と言われており、自分を撃つようにすがりつく一方、近くに身を潜めていた霧島は作戦失敗に憤慨しながら次のプランへ。
息子もまだ無事であることを知り、そのまま霧島の後を追う沢村。
霧島は銃を手にしながら息子を人質に取り、沢村に最後の選択を迫るのであった。
犯人確保
霧島は、「妻を殺すのが息子を救う条件」と告げるが、沢村は「自分が殺されてもいいから妻と息子は見逃してくれ」と答える。
驚きか失望か、少し間を置いてから霧島は自分の描いた計画には3つのエンディングがあったことを明かした。
ひとつは、沢村が妻を殺して息子と2人で生きぬくエンディング。
もうひとつは、沢村が霧島を撃ち殺し、家族3人で助かるエンディング。
そして最後のひとつを明かそうとした際、関端たちのチームが駆け付けた。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

抵抗しようとした霧島は関端に撃たれて負傷し、そのまま逃走を図る。
慌てて外へ脱出した霧島だが、外は快晴の真夏日。
強い日差しをモロに浴びた霧島はその場で意識を失い、確保となるのであった。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介
エピローグ:事件のトラウマ
事件から1年が経ち、平和な日常が戻ってきた。
しかし沢村の妻の元にはフリーライターが取材で接近し、結果的に冤罪だった裁判で無実の人間を死に追いやったことについての心境を問われ、答えられずに逃げ出してしまう。
霧島はいまだ昏睡状態、また沢村は事件のトラウマから警察を辞め、定期的にカウンセリングを受けながら家族と共に静かな生活を送っている。
今でもふとしたことであの事件のことが鮮明に蘇ってくる。
霧島が描いていた3つのエンディングのうち、最後のエンディングは何だったのか。
ひょっとして霧島に家族全員が殺される最悪の結末だったのではないか。
息子の誕生日にもかかわらず、答えの無い嫌な妄想が沢村の頭を蝕み続けているのであった。
「ミュージアム」3巻©講談社/巴亮介

【3巻(完)のまとめ】
沢村の感情を巧みに煽るカエル男。
最後はターゲットである沢村の妻を沢村の手で殺させることを画策していたが、家族の絆から沢村はその計画には乗らなかった。
結果として沢村を信じて追ってきていた警察の増援がカエル男の確保に成功、沢村は妻と子供を無事に救出する。
しかし事件から1年経って平和な日常が戻っても、ひょんなことで事件のトラウマが蘇るほどに沢村を蝕み続けているのであった。
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参考トラウマを抱える天才ピアニストの少年と薄幸の天才ヴァイオリニストの少女の共鳴と成長、涙なしには読めない青春ストーリー『四月は君の噓』全11巻【ネタバレ注意】
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