花との和解を経て集中力を取り戻し、決勝弾を叩き込んで試合を制する。
その頃、栗林がJ1で華々しいデビューを飾り、アシトたちにも昇格のチャンスが巡る。
次戦でアシトは得点とアシストを記録するも、福田監督から突如DF転向を命じられ、衝撃を受ける。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
SB転向の告知とアシトの動揺
朝利や黒田らがAチームに昇格を決め、阿久津が故障中の義経に代わってFWを務めることに。
一方のアシトはSBへの転向を受け入れられずにいた。
そんなアシトに福田監督は、アシトにはFWとして必要な天性の俊敏性やショートスプリント力がなく、FWとして通用する見込みがないこと、逆に出会った時からずっと欠けていた理想のSB像にアシトがピッタリと当てはまったことなどを告げる。
始めから伝えてしまったら、おそらくアシトはエスペリオンには来なかった。
だからこのタイミングでSB転向を告げたのだとも。
アシトは知る由もないが、伊達ヘッドコーチはアシトがSBにハマるという案は理解したものの、いつどのようにアシトに伝えるべきかずっと心配していた。
福田監督の頼みで、アシトの反骨心を煽るためにあえてクラブハウスの外にいることを知りながら、アシトがFWとして通用しないという考えを聞こえるように言ったりもした。
無理やりSBをやらせるわけにもいかず、今回ばかりは福田監督の見立て通りに事が運ぶかどうか、伊達ヘッドコーチにもわからない。
アシトは「嫌なら(クラブを)やめろ」という福田監督の言葉を受け、ひどく動揺したままクラブハウスを後にし、しばらく行方をくらませてしまうのだった。
花と母の支えで立ち直るアシト
アシトのSB転向はチーム内にも伝えられ、あんなに得点に拘っていたアシトへの非情な告知に驚く。
門限が近いのにまだアシトが寮に帰っていないことを知ると、親しい者は皆アシトの捜索へと乗り出した。
その頃、アシトはひどく気落ちしたまま人気のないバス停に座ってうなだれていた。
するとそこに、アシトを探しに来た花が姿を見せる。
花はなんとかアシトを元気づけようと選手用の食堂に忍び込んで手料理を振る舞うが、アシトはまだ食事をする気にもなれない。
「サッカーをやめるわけにはいかない」と自分に言い聞かせるように振り絞るアシトに対し、花はその場でアシトの母に電話をかける。
電話越しの母は詳しくは何も聞かないまま息子の状況を察し、「気負わなくていい。ダメやったら帰ってきたらいい。それだけのこと。」と言葉を送った。
花もその言葉に同調し、心の荷が軽くなったアシトは、元気を取り戻して前を向く覚悟を固めるのだった。
阿久津との対峙と頭を下げる覚悟
アシトのSB転向はAチームにも知れ渡るところとなり、アシトに興味を持っている栗林はその転向に賛同していた。
そのうえで、同じ「SBが穴」という課題認識を持っていた阿久津に対して「守備を教えてやれよ」と言葉をかける。
アシトのことが気に食わない阿久津は難色を示し、寮に返ってきたアシトを挑発するが、アシトは売られた喧嘩を買うことなく、嫌いな阿久津に「色々教えてください」と頭を下げた。
さすがの阿久津も、アシトの覚悟を前にそれ以上煽るような言葉は出てこないのだった。
初めてのDF練習と仲間の支え
その日の夜からすぐに、Bチームの同じDF陣である富樫と朝利がアシトに守備の基本から教えてくれることとなった。
守備に欠かせないのは「絞る」という概念。
だがその言葉の意味と奥深さを理解するまでにアシトは苦労することとなる。
心のどこかで、「与えられた課題をクリアして自分の熱意が伝われば、いつかFWに戻してもらえるはず」と考えながら、アシトのDFとしての練習が始まった。
初めてのDFの位置から見える景色。
相手のゴールは遠く、敵と味方の背中がほぼすべて見える。
FWとの違いに戸惑いながらミニゲームが始まると、アシトはCBでラインを統率する竹島や富樫からこっぴどく怒られることに。
反対サイドのSBが攻め上がっているときは「絞る」ためにアシトはラインを離れてはならず、アシトの守る左サイドに敵FWがドリブルを仕掛けてきたときも「絞れ」と言われる。
「お前の後ろには誰もいない」「中央を固めろ」
かけられる言葉の意味が完全に理解できず、考えてからプレーしたのでは判断が遅すぎる。
どうすることもできず、面白くもないDFが自分に合っているとは到底思えない―。
自分のところが穴となってゴールを奪われてしまうが、それでも何とかもがき続けようとするアシト。
その姿を見て、大友や富樫は「アシトの分まで全員で守ろう」と奔走し支える。
せめて仲間に迷惑をかけないようにしようと強く胸に誓ったアシトは、ここから才能の片鱗を見せるのだった。
視野の広さで見せた初の閃き
アシトは相手のAチームがコーナーキックで裏をかき、ファーサイドまでロングボールを蹴りこむ。
ニアサイドを警戒していたBチームは大ピンチを迎えるが、コート上の選手のポジションを広い視野で把握していたアシトだけが瞬時に反応し、見事にボールを奪取。
そこからロングボールを蹴って一転してカウンターのチャンスに繋げようとした。
惜しくもアシトの蹴ったボールは的外れの方向にいってしまったが、狙いは良かった。
試合後、オンとオフの切り替えが早い竹島はアシトの視野の広さを評価し、栗林のプレーを見返すようにアドバイスを送るのだった。
適性ポジションを巡る考察
サッカークラブの監督になるという夢を持つ杏里は、サッカー談義も真剣。
杏里はいち早くアシトの武器に気づいていた遊馬と富樫に、アシトをDFに転向させた福田監督の狙いについて考えを問う。
アシトの武器は間違いなく、その視野の広さ。
杏里はそれを武器に戦うなら、アシトの適性はトップ下かボランチといった中盤だと考えていたのである。
対する遊馬と富樫は同じコートでプレーする者からの見え方として、アシトにはSBの位置で「司令塔」の役割を期待しているのだろうと推理するのだった。
栗林の首振りを学び始めるアシト
竹島のアドバイスを受け、栗林のプレーをよく見返すアシトは、栗林が試合中に異常なほどに首を振って敵味方の位置を確認していることに気づく。
伊達ヘッドコーチに頼んで栗林のプレー映像をありったけ見ながら、その所作を真似することに。
しかしすぐに栗林のようにプレーできるはずもなく、その難しさを痛感。
一瞬だけ、アシトは敵FWから詰められた際に閃くように逆サイドの大友へ見事なロングパスを通して見せたが、その日の練習はそこまで。
練習後、杏里に声をかけられたアシトは「栗林のように無意識に首を振れるようになるためにはどう練習したらよいか」とアドバイスを求めた。
杏里は監督の卵としてその期待に応えるべく、練習方法を示唆。
そして素直かつひたむきに努力するアシトにふと好意が芽生えるのだった。
揺れる花の心と視野の武器への気づき
同じころ、花は栗林から声をかけられていた。
花がアシトのために手作りの献立表を作っていることを知った栗林は、純粋に自分も同じようなサポートが欲しいと花にお願いしに来たのだ。
戸惑いを隠せない花は、「アシトにアドバイスをあげてほしい」と交換条件を出そうとするが、そのとき杏里とアシトが仲良く話しているところを目撃する。
一転して、栗林の依頼を快く受け入れることにした花。
一方のアシトはそんなことはつゆ知らず、杏里に教わった首振りの練習を開始。
竹島からも言われた「視野の広さ」という自分の才能を武器にするヒントを掴みかけているのだった。
【7巻のまとめ】
アシトはSB転向を福田監督から告げられ動揺するが、花と母の支えで再び立ち上がる。
嫌う阿久津に頭を下げ、仲間の助けを得てDFとしての訓練を開始。
視野の広さという武器に気づき、試合で初の閃きを見せる。
首振りの技術を栗林の映像から学び始め、杏里からの助言で練習に励む。
一方、花の心はアシトと杏里の距離に揺れ、栗林の依頼を快諾するのだった。
【7巻の見どころ】
この巻の見どころは、福田監督からSB(サイドバック)転向を告げられたアシトが、その意味を理解できず深く動揺し、迷いの中に沈んでいく姿です。
得点に強いこだわりを持っていたアシトにとって、FWから外されるという決定はサッカー人生の全否定にも思えたはずです。
福田監督は「嫌ならやめろ」と突き放すような言葉を投げかけますが、それはアシトの反骨心を信じてこその選択でもあります。

次巻へ続きます。
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