鬼龍との決闘を経て廃人となってしまった父・静虎が2年間のリハビリを経て奇跡的な回復を遂げた。
地下格闘技「ダーク・ファイト」に身を置きながら治療費を稼いだキー坊は、親友であるリキ丸の計らいで大物フィクサーの柳場道元が主宰する「ハイパー・バトル」への出場を勝ち取る。
静虎も鬼龍を倒す共通目的のもと、その実力を道元に買われて格闘技のスペシャリスト集団「チームD」の一員としてハイパー・バトルに参戦する。
ハイパー・バトルの前回優勝者バトル・キングの正体が尊鷹であることがわかり、鬼龍も乱入するなかバトル・キングへの挑戦権が賭かったハイパー・バトル本戦が開幕した。
影の支配者ガンビーノが巨額の賭けや八百長で大会を支配しようとするなか、危険な筋肉増強剤に手を出したチームDのリーダー菊多、鬼龍を命の恩人であり悪魔として崇拝する聾唖の天才格闘家ジェット、静虎、キー坊が2回戦を突破した。
2回戦終了後、鬼龍がガンビーノに制裁を加えて命を狙われるなか、キー坊は鬼龍との修行を経ていよいよハイパー・バトルの準決勝が始まる。
第1試合ではキー坊と静虎の親子対決が実現。
共に全力で戦い静虎が優勢に進めるなか、「キー坊と静虎に血のつながりがない」という衝撃の事実が明かされる。
母・熹恵を幼い頃に亡くしたキー坊を男手ひとつで育ててきた静虎。
物語は過去の回想となり、若かりし頃にプロレス界のスーパースターだったアイアン木場が静虎に他流試合を申し入れたときのこと。
当時静虎は丁重に断りを入れようとするが、本物の武道家との対戦を熱望する木場はどんな手を使ってでも静虎との対決を実現させようとするのだった。
20巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ロシアの元特殊部隊員ミハイルとの勝負へ
日本最大・最強のヤクザ雄華組の組長、塙団十郎にもコネを持つ木場。
怖いもの知らずの木場は塙に本物のプロレスを見せるため、塙が匿っている元ロシアの特殊部隊員ミハイル・ミロコビッチと決闘することに。

〈ロシアの元特殊部隊員ミハイル [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ミハイルは左腕が義手であり、祖国から追われて日本に亡命していた兵士。
2人の戦いは義手なしでもミハイルが勝利し、木場にそそのかされたミハイルは「勝てば祖国へ帰れる」という条件で静虎に勝負を挑むこととなるのだった。

〈ミハイルが静虎に決闘を挑む [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
静虎vsミハイル
ミハイルは敬虔なクリスチャンでありながら、その強い正義感が仇となり、不正を働く上官を始末したことで祖国を追われる身となった。
その際に手榴弾で左腕を失い、義手が必要な身体に。
システマという武術を使いこなすミハイルと灘神影流、どちらが上か―。

〈灘神影流vsシステマ [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
祖国に帰るために一方的に勝負を仕掛けるミハイル、幼いキー坊の目の前で決闘が始まる。
互角の攻防を繰り広げ、ミハイルが打撃で静虎からダウンを奪う。

〈ミハイルがダウンを奪う [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
倒れる父を目に涙が止まらないキー坊だが、静虎は気合で立ち上がり、決闘を続行。
最後はミハイルの打撃を躱し、灘神影流奥義・菩薩拳でKO勝ちを収めるのだった。

〈菩薩拳でKO [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
息子の前で漢気を見せた静虎
2人の決闘の場に木場と塙たちヤクザも姿を現す。
強い正義感を持つ静虎は敗北者に制裁を加えようとする木場と塙たちに啖呵を切り、ミハイルを守ろうとする。

〈ミハイルを庇う静虎 [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ヤクザを相手に正面から立ち向かい、場を収めるために自らの右腕を塙に差し出す静虎。
塙は持っていた刀で右腕を切り落とそうとするが、静虎は筋肉で刃を止めてみせた。

〈引き下がる塙 [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
静虎の真っすぐな心意気を見届けた塙はミハイルへの制裁を諦め、木場もいずれ静虎と戦うことを宣言し、引き下がっていく。
息子の前で見せる強い父の姿。

〈静虎の想いがハイパー・バトルで実現する [TOUGH 20巻](c)集英社/猿渡哲也〉
あれから時が流れ、いまハイパー・バトルの舞台で親子が本気で戦っているのだった。
【20巻のまとめ】
木場とも関わりのある日本最大のヤクザの組長、塙のコネでロシアの元特殊部隊員のミハイルとの決闘に臨んだ静虎。
息子が見ているなか、静虎は激闘を制しさらにミハイルを塙の制裁から守り抜く漢気を見せた。
その背中を見て育ったキー坊が、いまハイパー・バトルの準決勝で父親と本気で戦っているのだった。
次巻へ続きます。
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参考灘神影流を背負うキー坊の闘いと成長『TOUGH』全39巻【ネタバレ注意】
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