裏稼業専門の組織、通称「ファブル」がしばらく休業を決め、プロの殺し屋であるアキラとヨウコは一般人として世間に溶け込むことに。
組織のボスと付き合いのある大阪の地元ヤクザ・真黒組に面倒を見てもらうこととなり、真黒組の若頭・海老原や構成員のクロ、高橋らが佐藤兄妹と接点を持つように。
近所の女性・ミサキと出会い、その伝手でイラスト制作会社オクトパスでアルバイトをすることとなったアキラ。
海老原の弟分・小島や悪徳ビジネスを企む興信所・宇津帆らのトラブルに巻き込まれながらもプロとして対決を制し、いつしかミサキとアキラの距離が近づいていく。
しかし平穏も束の間。
ファブルと接点を持ちたい真黒組の幹部・砂川は浜田組長か若頭の海老原のどちらか1人をターゲットとし、裏稼業人のマツを通じて暗殺を依頼する。
組織のNo.2の山岡は真黒組の乗っ取りを企む砂川のクーデターに期待を寄せ、「二郎」というプロの殺し屋を紹介した。
二郎と山岡、2つの影が街に姿を現し、何気ない日常の崩壊が始まろうとしていた―。
15巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
砂川のクーデターに期待する山岡
田高田が事務所を新しい物件へ引っ越した。
その一方、山岡は二郎のもとを訪れ、計画を進めていく。
恐怖を感じない山岡にとって、優先したいのはターゲットの殺害よりもいかにドラマチックな展開にするかというシナリオ作り。

〈恐怖を感じない山岡 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
ターゲットを決めた二郎が準備を始める一方で、山岡は関連する人物の写真を壁に貼りながら、どうしたら面白くなるかを考え始めるのだった。
組織の接近に警戒するヨウコ
痴漢を撃退するために街に出ていたヨウコは、山岡の姿を目撃する。
幼い頃両親が死んで組織に引き取られた際、山岡の人物像をハッキリと覚えていたヨウコはすぐさまアキラに相談し、「組織が街に来ている」と警鐘を鳴らす。

〈警戒するアキラとヨウコ [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
アキラは冷静に、「山岡の方も間違いなくヨウコに気づいている」と指摘。
アキラの推理通り、山岡はヨウコの存在を把握しながらも、唯一正体がわからない「佐藤 明」の存在をラスボスとして認定するのだった。

〈シナリオを考える山岡 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
山岡に逆らえないマツ
マツと山岡の接点は、かつて殺し屋だったマツが入った暗殺の現場だった。
ターゲットの家に侵入したマツだが、そこに待ち受けていたのはくつろぐ山岡。
殺し屋の殺し屋として雇われていた山岡はマツの左目を潰し、見せしめにマツの仲間を殺して脅迫。

〈山岡とマツの過去 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
それ以来、マツは山岡への恐怖を刷り込まれ、さらにマツの娘も特定されたことで逆らえなくなったのだった。
二郎が浜田組長を毒殺
二郎は毒専門の殺し屋。

〈特製の毒を培養 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
キノコとカビをミックスさせた特製の毒を培養し、いよいよ暗殺を決行する。
浜田と海老原が2人で高い肉を食べているところに客として紛れ、酔ったフリをして皿に毒を吹きかけた。

〈皿に毒を吹きかける二郎 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
二郎が作った毒、通称「死のキャップD1」は、アルコールと反応すると一気に致死性の毒に変わる特殊なもの。
新種のため検出もされない優れものである。
海老原との食事を終え、愛人の家で酒を口にした浜田。

〈毒が浜田を蝕む [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
浜田が突然苦しみだし、吐血しながら倒れる。
任務完了し、この暗殺を最後に引退を決めていた二郎は身の安全を確保するため「死のキャップD1」をタダで山岡に譲ると告げ、姿を消すのだった。

〈姿を消す二郎 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
ほくそ笑む砂川
浜田はそのまま息を引き取り、訃報はすぐさま真黒組内に伝わっていく。
浜田死亡の知らせを聞いた砂川はマツのもとを訪れた。
後払いの報酬を差し出しながらも、クーデターの真相を知る人物を消すため手に銃を忍ばせる砂川。
砂川がマツを殺そうとしたところに山岡も姿を現し、ファブルの人間として砂川と接触を果たす。

〈砂川と山岡が接触 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
真黒組を乗っ取り中国進出でビジネスを拡大したいという砂川の計画に興味をそそられた山岡は、まずは真黒組を乗っ取ることに独断で協力することを決める。
山岡を味方につけ、笑みを浮かべながら帰路につく砂川。
真黒組本部を偵察していたアキラとヨウコはその砂川の笑みを見逃さず、浜田暗殺と組織の関係を探るのだった―。

〈ほくそ笑む砂川 [ザ・ファブル 15巻](c)講談社/南勝久〉
【15巻のまとめ】
山岡の姿を目撃し、意図の読めない組織の動きに警戒するアキラとヨウコ。
恐怖を感じない山岡の目的は砂川のクーデターを利用してドラマチックな展開を楽しむことにあり、唯一正体の掴めない「佐藤アキラ」をラスボスに認定し、シナリオを考え始める。
そして準備を整えた二郎は特製の毒で浜田組長を暗殺し、この案件を最後に裏稼業からの引退を決意して姿を消す。
依頼の完遂を聞いた砂川はマツのもとを訪れ、クーデターに期待を寄せる山岡と対面を果たし、山岡の後ろ盾を取り付けた。
計画が順調にいっていることを喜ぶ砂川、しかしアキラとヨウコは組長が死んだにもかかわらず砂川が笑みを浮かべているのを見逃さないのだった。
次巻へ続きます。
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