青年漫画

本物のニナの死により方向転換を強いられるかさね、それでも美しい姿を追い求める生き方は変えられず…『累』6巻【ネタバレ注意】

講談社/松浦だるま
~前巻までのあらすじ~

美人で伝説的な女優である母・淵透世の元に生まれた醜いかさねは、その風貌からいじめられていた。

亡き母の口紅で他人と顔を入れ替えられることに気が付いたかさねは、その力を使って美人と顔を入れ替え舞台で演じ始める。

そんなある日、母の秘密を知りながら女優としての活動を支援していた羽生田 欣互(はぶた きんご)と名乗る男性がかさねの前に現れた。

かさねをプロデュースすることを目論む羽生田はかさねを美しい顔を持つが演技力のなさに悩む舞台女優・丹沢ニナに引き合わせる。

かさねはニナとの合意のもと、顔を入れ替えて舞台に出演することになり名声を得ていく。

次第に同じ男性を好きになりライバルとなった2人のパートナー関係は解消へ向かうが、ちょうどニナが眠り姫病という持病で長期間眠りこんでしまい、ニナの同意を得ることなく顔を奪い続けたかさねは舞台を成功させ「注目すべき若手女優・丹沢ニナ」の地位を自分の物にしていった。

自分の顔をした他人が名声を得ていく様子を見続けて精神的に病んだニナは自殺未遂を起こし、植物状態になってしまう。

かさねはニナを追い詰めたことに罪悪感を感じつつも羽生田に自身の本当の気持ちを問われ、醜い顔を捨てた今の生活を死守する覚悟を固めた。

他方、かさねの母はいざなと言い、淵 透世の美しい顔を奪って伝説的な女優として活動していた。

本物の透世の娘・野菊は自分に透世の姿を求める父の虐待に耐えかねて父を殺害し、母を苦しめたいざなの娘・かさねの居場所を探し始める。

そんななか、かさねは野菊と出会い、野菊が自分を探していることも知らず友情を育んでいくが、売春で生計を立てている野菊は天ヶ崎という男を使って調査をするうちに口紅の秘密を知り、今のニナは偽物で中身はかさねであると確信するのだった。

 

6巻のあらすじを振り返ってみましょう。

野菊の決意

野菊がかさねの舞台「ガラスの動物園」を見に訪れた。

かさねは舞台から野菊が泣きながら拍手する姿を見て嬉しく思う。

しかし野菊は感動して涙している訳ではなかった。

野菊はかさねがニナを装い脚光を浴びていることが許せず、かさねを殺すことを誓っていた。

本物のニナ

野菊はニナの母から盗んだ合い鍵を使い、かさねの部屋に忍び込んだ。

部屋を調べた後眠っているはずのニナの手を握り話しかけると、ニナの指が動く。

野菊はまさかと思いニナに質問すると、ニナは指の動きで答えを返して来た。

ニナは意識が戻っていたのだ。

ニナは野菊に自分を殺してほしいと伝える。

ニナは生きていても、かさねへの劣等感を感じながら過ごすしかないと分かっていた。

自分が死ぬことで、かさねが演じる丹沢ニナも消滅させたかったのだ。

そして美しいまま人々の記憶に残りたかった。

野菊はニナの願いを叶えられるのは自分しかいないと決意し、枕を使いニナの口をふさいだ。

しばらくしてニナは動かなくなった。

ニナの死

かさねと雨野の関係は続いていた。

かさねは雨野の演技を見てから、俳優としても男性としても雨野に魅了されていた。

雨野はかさねが役に入り込み過ぎるのは、本当の自分自身を隠したいからではないかと見抜いていた。

かさねは雨野に舞台での演技を褒められ、今後の女優としての活動に希望を持つ。

かさねは明るい気持ちで帰宅し、いつものように眠っているニナにくちづけた。

ニナの唇はとても冷たかった。

かさねはニナが死んでいることに気が付いた。

ニナの想い

ニナが自殺未遂を起こして5か月後、ニナは意識を取り戻していた。

意識はあるのに話すことも動くことも出来ないのは地獄だった。

ニナは寝たきりのまま、毎日かさねの懺悔の言葉を聞いていた。

自分とかさねは分かり合えるかもしれないと希望も抱いた。

しかしかさねは羽生田に顔の醜さを改めて突き付けられた日から、ニナに話し掛けることは無くなった。

ニナはかさねのくちづけからかさねが丹沢ニナとして生き生きと過ごしていることを感じ、死にたいと考えるようになった。

そんな時野菊が部屋を訪れた。ニナは野菊が自分を救ってくれると感じた。

失踪のシナリオ、生き方を変えられないかさね

ニナが死んで1週間、かさねは羽生田だけが知るアパートの一室で身を隠していた。

羽生田によると、相手が死んでしまうと顔を交換できるのはせいぜい5日程度であり、1回の持続時間も減ってしまうのだという。

かさねと羽生田はニナの顔が使えるうちに身辺整理と「丹沢ニナ」を消すシナリオ作りを済ませ、世間は丹沢ニナの失踪事件として扱われるなか、じっとほとぼりが冷めるのを待つ。

かさねは口紅を使うことでまた人が死ぬのではないかと怖かった。

しかし思い出すのは美しい顔で、華やかな時間を過ごした日々ばかり。

かさねはもう醜い顔の自分には戻れなかった。

死ぬまで美しい自分でありたいと思った。

かさねは野菊のことを思い出した。

【6巻のまとめ】

かさねがニナを装い脚光を浴びていることが許せなかった野菊は、植物状態から意識を取り戻していた本物のニナに頼まれてニナの死を手助けした。

ニナが息を引き取ったことでかさねはニナとしての活動を継続できなくなり、羽生田と共に身辺整理をしながら「ニナの失踪」のほとぼりが冷めるのを待つ。

だが美しい誰かになるという生き方を変えることができないかさね。

その頭には野菊の美しい顔が浮かぶのだった。

次巻へ続きます。

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幼い頃より自分の醜い容姿に劣等感を抱いてきた女・累(かさね)。今は亡き伝説の女優・淵透世を母に持ち、母親ゆずりの天才的な演技力を持ちながらも、母とは似ても似つかない容姿に周囲からも孤立して生きてきた。そんな彼女に母が唯一遺した1本の口紅。それは、キスした相手の<顔>を奪い取ることができる不思議な力を秘めていたー。ある日、累の前に、母を知る一人の男・元舞台演出家の羽生田(はぶた)が現れる。累は羽生田の紹介で、圧倒的な“美”を持つ女・ニナと出会う。ニナはその美しい容姿に恵まれながらも、ある秘密を抱え、舞台女優として花開かずにいた。お互いの欲望が一致した二人は、口紅の力を使って顔を入れ替える決断をする。累の“演技力”とニナの“美しさ”。どちらも兼ね備えた“完璧な女優”丹沢ニナは、一躍脚光を浴び始め、二人の欲求は満たされていくが-。

(Amazpn Prime Video作品紹介より引用)

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