花の存在が迷いを吹き飛ばし、守備で得た視野を活かして攻撃にも貢献、富樫への決勝アシストで勝利に導く。
しかし自身のプレーに悔しさを残し、武蔵野戦でのAチーム昇格を目指して意気込む一方、橘は古巣との対戦に出場を拒む。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
杏里の想いと富樫・竹島の対立激化
花を見習ってアシトのために弁当を作った杏里だが、アシトと花の間に入ることができず、その弁当は富樫に渡した。
その富樫は、竹島から試合の反省として連携が取れていない課題を解決するべく、コミュニケーションを取ろうと声をかけられる。
しかし結果は状況が悪化。
富樫と竹島は喧嘩となり、亀裂が決定的なものになってしまう。
ジュニアユースからの昇格組に対する富樫の嫌悪感は相当根強いものがあるのだった。
武蔵野ユースの強さと金田との衝突
自信喪失状態にあり嫌がる橘を連れ、アシト・大友は武蔵野ユースの試合を偵察に行く。
武蔵野ユースの佐竹監督は選手一人ひとりのことをよく観察しており、「リスクを冒せ」というモットーを超ハイプレスのサッカーをチームに浸透させていた。
個人技では劣ることを自覚しつつも、全員が一枚岩となってプレスをかけ続け、そしてエースFWとして君臨する金田が貪欲にゴールに結びつけるのが武蔵野ユースの戦い方。
武蔵野ユースの強さを目の当たりにしたアシトは、一緒に観戦に来ていた花の女心には相変わらず気が回らないまま。
そして橘は武蔵野ユースのレディースクラブに所属する双子の姉と再会し、家族ともコミュニケーションを取ろうとしないことを叱咤される。
そんななか、試合を終えた武蔵野ユースの選手たちのなかで金田が主将である武藤らと言い争っているところに遭遇。
チームを勝たせているエースとしての自負がある金田は、プレーが甘かったり、プロを目指さない味方選手のことをかなり見下している様子だ。
橘のことも揶揄する発言を耳にしたアシトは居ても立っても居られずそこに割って入り、橘も参加して金田と口論に。
仲間を侮辱されたことに怒るアシト・橘らと、仲間意識を持たず個の力だけを信じて結果を残している金田。
どちらが強いかは勝負で決めるしかないが、アシトは結果を残している金田に今のままでは勝つことができないと、悔しさを抱える。
そして、サッカー談義に入ることができない花は悩むアシトを心配するが、やはりアシトは気が回らない。
花は栗林から直接献立作りのサポートを依頼されたことを明かし、それを受ける前にアシトにも一応筋を通そうとする。
だがアシトは自分のサポートを優先しようとしてくれている花の気持ちに気づく様子もなく「チャンスならやればいい」と返し、花は怒りながら栗林の依頼を受けることを決めてしまうのだった。
再編されるメンバーと伊達ヘッドコーチの決断
武蔵野ユースとの試合の前に再びAチームとBチームの選手入替えが発表され、前節では大活躍だった義経がAチームへ、先輩DFの一色はリハビリ枠へ、代わりに朝利と黒田がBチームに降りてきた。
仲間と共に戦う必要があるが、富樫と竹島の喧嘩、自信喪失の橘、Aチームから降格となり気落ちする朝利・黒田と、チームの状況は芳しくない。
そんななか、伊達ヘッドコーチは武蔵野ユースのフォーメーションとして、ボランチと右SBを除くスタメンを発表。
富樫と竹島は両CBのまま、さらに出場辞退を懇願した橘もそこに名を連ねている。
動揺を隠せないメンバーに対し、伊達ヘッドコーチは「これが現時点でこのチームのベストメンバーだ」と告げる。
それを聞いたアシトも、このメンバーで勝利を掴むべく前を向くのだった。
富樫とジュニアユース昇格組の確執の原点
富樫とジュニアユースの昇格組の因縁は3年半前、富樫が練習生としてエスペリオンジュニアの練習に参加したときに遡る。
当時FWとして参加した富樫は、ジュニアユース組のハイレベルな練習についていくのがやっとであり、そのレベルの高さに胸を躍らせていた。
だがジュニアユース組からはある違和感を感じていた。
ジュニアユース組の選手たちは、外部練習生のことをまるでただの練習台のように接し、しかも悪気がない。
また目の前の勝利を優先するのではなく、ジュニアユースの監督が見ているか否かなど、自分のアピールになるかどうかをしきりに気にしてプレーを使い分けていた。
結局、勝つことを重視する富樫は、無意識のうちに無事にプロになることを目標としてプレーしてしまうジュニアユース生の姿勢とは相いれることなく、ジュニアユース生たちもサッカーに人生を賭けている身として富樫には反発。
こうして決定的な溝が生まれてしまった。
そして富樫と竹島の喧嘩の原因も、その延長線上にあったのだった。
結束を取り戻す選手たちと武蔵野戦への覚悟
チームとしての結束を取り戻すべく考えるアシトだが、ちょうど橘も同じことを考えていた。
ただ勝ちたいと願う橘は皆に声をかけ、自分の弱さを告白したうえで武蔵野ユース戦に向けた戦術の居残り練習をすることに。
そしてスタメンはボランチに黒田、右SBに朝利が入ることが決まり、いよいよ武蔵野ユースとの激突を迎える。
ロッカールームでは気合を入れるために坊主頭にした竹島が姿を見せ、さらにアシトは富樫がジュニアユース組に抱いている想いを支持したうえで、「勝つことが一番。勝たなきゃ富樫にも黒田にも正義はない」と諭した。
選手たちがようやく勝利に向けて結束し、伊達ヘッドコーチから授かった戦術を武器に試合に臨むのだった。
武蔵野ユースとの激突とアシトの挑戦
首位を独走する武蔵野ユースは、いつもどおり超ハイプレスを仕掛けてくる。
これに対し、エスペリオンは唯一勝っているそれぞれの個人技術を活かし、シンプルにロングボールでプレスを躱す戦術を取る。
唯一、技術的に不安があるのはアシトだが、橘たちとの居残り練習でひたすら思い通りにボールを蹴る特訓を続けていた。
そしてアシトが放ったロングパスに、まずFWの橘が抜け出す。
果たして特訓の成果は―。
【9巻のまとめ】
杏里はアシトへの想いを胸に抱きつつも花に及ばず、弁当を富樫に渡すことに。
一方で富樫と竹島の対立は決定的となり、チームは不和に揺れる。
偵察に訪れた武蔵野ユースの圧倒的な一体感と金田の存在はアシトらに衝撃を与え、衝突を経て勝負で決着をつける覚悟を固める。
再編されたメンバーは動揺しながらも伊達ヘッドコーチの決断に従い、橘の告白と努力を契機に結束を取り戻す。
武蔵野戦を前に、アシトは特訓を経て挑戦に臨むのだった。
【9巻の見どころ】
この巻の見どころは、仲間との確執と結束をめぐる葛藤、そして武蔵野ユースとの激突に至るまでの緊迫した展開です。
杏里は弁当を通じてアシトに想いを伝えようとしますが届かず、富樫と竹島の対立は決定的なものとなります。
一方で偵察に訪れた武蔵野ユースの超ハイプレス戦術と、孤高のエース金田の存在は、アシトたちに大きな衝撃を与えます。
橘は弱さを告白し仲間を鼓舞、チームはようやく結束を取り戻し、伊達ヘッドコーチの采配を胸に試合へ挑みます。

次巻へ続きます。
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