赤髪の不良、桜木花道が同級生の赤木晴子に一目ぼれし、彼女目当てでバスケ部に入部。
しかしバスケ初心者の花道に待っていたのは地味すぎる基礎練習。
不満を募らせた花道は一度は部を辞めかけますが、晴子への思いが勝って思いとどまります。
安西監督の指導のもと行われた部内の紅白戦では流川がスーパープレイを披露。
一方の花道も将来に期待を持たせる身体能力を発揮し、超初歩的なレイアップシュートを練習し、リバウンドの極意をゴリから教わりました。
そしていよいよ陵南との練習試合。
花道が試合デビューし大激戦を繰り広げますが、惜しくも敗戦。
そして次期キャプテン候補の宮城リョータがバスケ部に復帰しました。
大乱闘事件を経て三井もバスケ部に復帰し、インターハイ神奈川県予選が始まります。
準々決勝まで順調に勝ち進んだ湘北は藤真率いる翔陽も破り、決勝リーグへ進出。
決勝リーグ初戦の海南戦。
あと一歩のところまで追い詰めながら、最後は花道のパスミスで敗戦。
悔いの残る敗戦を噛みしめる花道はボウズとなり、レベルアップのためにシュート練を開始。
決勝リーグ第2戦では花道を温存したまま無事に武里を破った湘北。
一方、決勝リーグもう1試合では陵南と海南が激突。
陵南と海南の試合は延長にもつれこみながらも海南が制し、海南はそのまま武里も破ってリーグ優勝。
インターハイ出場のもう1枠を賭けた湘北と陵南の直接対決。
陵南との死闘を制し、湘北のインターハイ出場が決定。
全国でも続々と代表校が決まっていきます。
湘北のカギを握る花道はシュート2万本の猛特訓を経て、インターハイが開幕。
湘北の1回戦の相手は大阪の豊玉高校。
前評判Aランクの実力校で、ラン&ガンのオフェンスとラフプレイに苦しめられる湘北でしたが、ラン&ガンの真っ向勝負を制して湘北が逆転勝利。
2回戦の相手は昨年の覇者、山王工業。
昨年の覇者、山王工業の名に臆することなく試合に臨み、前半をリードして終えた湘北。
しかし後半開始直後、山王のお家芸であるオールコートゾーンプレスによって一気に20点以上差をつけられてしまいます。
「敗北」の文字が濃厚になり誰もが諦めかけるなか、花道だけは勝負を捨てません。
徐々に点差を詰め始めた湘北でしたが、エンジン全開になった沢北の個人技で再び突き放されてしまいます。
花道・流川らの活躍で沢北を止め、押せ押せムードの湘北。
しかし花道が背中を痛めるアクシデント。
痛みをこらえる花道。
残り1分半で6点差を追う湘北。
31巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
強行出場を続ける花道
赤木は2本目のフリースローも決め、勢いづく湘北。(湘北71 - 76山王)
コートの脇では痛みをこらえる花道が自ら交代を志願します。
慌てて安西監督が取り消し、「君の異変にはすぐに気づいていたが、代えたくなかった」と自分の気持ちを吐露します。
花道の将来を想って諭しますが、花道は頑なに言うことを聞きません。
「オヤジの栄光時代はいつだよ…全日本のときか?オレは……オレは今なんだよ!!」
〈ハラをくくる花道 [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
完全にハラをくくった花道に、流川が「出るなら出ろ」と言葉をかけ、ついに花道がコートに戻ります。
残り1分の死闘
残り1分、5点差。山王の攻撃。
もはや立っているだけでやっとの花道は美紀男にポジションを取られ、美紀男がゴール下でシュートを放ちます。
しかしここでも花道が決死のブロック。湘北のカウンターとなり、リョータが三井へパス。
松本がシュートブロックに飛び込みますが一歩間に合わず。
三井が放った3Pはリングに吸い込まれ、さらに松本のファウルでフリースロー獲得。(残り49秒 湘北74 - 76山王)
三井はフリースローも決め、1点差。(湘北75 - 76山王)
〈ついに1点差まで追い詰める [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
山王は河田がシュートへ持ち込みますが、赤木が懸命にブロック。
ボールを取った沢北が畳みかけますが、今度は花道がブロック。
こぼれたボールを流川が拾って単独のカウンター。
惜しくも河田にブロックされますが、身を挺してこぼれ球を拾った花道が流川へパス。
〈花道から流川へパスが通る [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
執念のパスを受け取った流川が深津をかわしてシュートを決め、ついに逆転します。(残り23秒 湘北77 - 76山王)
一瞬の静寂に包まれる会場。
土壇場でとてつもないプレッシャーがかかる山王。
安西監督は花道に代えて小暮の投入を準備しますが、これを見た堂本監督はタイムアウトを諦め、事実上5人対4人の状況のまま深津のゲームメイクにすべてを託します。
深津の鋭いパスを受けた沢北が切り込み、ジャンプシュート。
流川と赤木のブロックは一歩届かず、残り9秒にして山王が再逆転します。(残り9秒 湘北77 - 78山王)
〈沢北が土壇場で逆転 [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
しかし試合を諦めない花道が1人、ゴールに向かって走っています。
慌てて戻る河田・沢北・深津の3人。
赤木がスローインでロングパスを狙いますが、美紀男が必死にコースを消します。
残り5秒。速攻が潰される。
赤木は流川へパスを出し、全速力でドリブルをしかける流川。
沢北を抜けないままジャンプシュートに持ち込み、河田もこれをブロックに飛びます。
残り2秒。
流川の横目に入ったのは、一番自信のある位置でパスを待つ花道の姿。
咄嗟に流川はシュートをやめて花道へパス。
〈流川が花道へパス…! [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
パスを受けた花道が「左手は添えるだけ」の基本を守ったキレイなシュートを放ちます。
ブザーと同時にボールがリングに吸い込まれ、試合終了。
劇的なブザービーターで湘北が大逆転勝利を飾りました。(試合終了 湘北79 - 78山王)
全てを出し尽くした湘北
無心で力強いハイタッチを交わす花道と流川。
〈花道と流川のハイタッチ [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
そこに湘北の選手たちがなだれ込みます。
対する山王は敗戦を受け止めきれず、涙を流すのは美紀男だけ。
堂本監督は選手たちに言葉をかけます。
「はいあがろう。『負けたことがある』というのが、いつか大きな財産になる」
〈敗軍の将、堂本監督の名言 [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
山王を破った湘北ですが、続く3回戦では愛和学院にボロ負けし、インターハイを終えます。
エピローグ
時は流れ。湘北の新キャプテンにはリョータが就任。
三井はバスケ部に残りましたが、赤木と小暮は引退。
赤木は深体大への推薦がなくなり、もとの志望校を受験することになります。
また正式なマネージャーになった晴子がリハビリ中の花道に手紙で近況を報告します。
流川は一足先に全日本代表に選出。
医師が「耐えられる?」と聞くほど花道のリハビリは辛いものですが、これを乗り越えればまた大好きなバスケが待っている。
花道は医師の問いかけに「天才ですから」と答えるのでした。
〈ラストシーン [スラムダンク31巻](c)集英社/井上雄彦〉
【31巻のまとめ】
奇跡の大逆転劇。
試合ラストの展開はセリフがなくても気迫が伝わる見事な描写。
これを超える試合はない、と言えるぐらい熱い試合でした。
ラスボスと早い段階で戦い逆転勝利、からの燃え尽きて優勝はできなかった、という終わり方もこの漫画を伝説にした所以の1つでしょう。
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参考時代を超えてオススメしたい不朽の名作『スラムダンク』全31巻のあらすじ
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