薬害事件を起こし、新社長のもと結束を高めるために登山レクリエーションに来ていた新入社員の早乙女をはじめとする藤谷製薬の社員たち40名。
しかし初日の夜からナタを持った大猿の襲撃により次々と社員が殺されていく。
山の険しさと共に増していく疲労と、追い詰められる精神。
社内に裏切り者がいる可能性が浮き彫りになり、徐々に分裂していく生存者たち。
安斎が独裁しようとし、早乙女の親友である宮田らが反発。
他方、自分が助かることだけを考えている飯塚は藤柴と佐藤を言いなりにして同盟を結ぶ。
猿とは別で個人的な恨みから辻を殺した氷室は追放され、貴重な飲料を盗もうとした田中も非難を浴びた。
登山家の八木兄妹と偶然の出会いを果たすが、八木妹も魔猿の襲撃で命を落としてしまった。
復讐に燃える八木兄に先導され生存者たちは山小屋にたどり着くが、3匹の魔猿と日本刀の男も生存者たちを追ってきていた。
日本刀の男との話し合いを試みる早乙女と林田が、交渉する余地はない。
逆に夜の襲撃を予告され、「2人だけ逃がしてやる」というメッセージを受け取る。
真意が読めぬ中、生存者たちは混乱するのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
逃亡を図る田中
この中から2人が逃げられる―。
しかし人数を減らすための猿たちの罠かもしれない。
安斎は最も戦力にならない2人として体力の消耗の激しい佐藤と・足の凍傷で速く動けない早乙女を候補に挙げる。
しかし田中が我先に走り出し、日本刀の男や魔猿も言葉通りに田中を見逃した。
〈逃げ出した田中 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
八木兄の提案もあり、残った9人は田中が無事下山出来た場合に助けが来るであろう翌日11時をタイムリミットとし、助けが来なければ強行突破することに決めた。
裏切り者は安斎?
山小屋に戻った9人。
八木兄は内密に、安斎が実は裏切り者ではないかという憶測を語る。
〈安斎が裏切り者…? [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
魔猿と闘ったフリをしながら何度も逃がし、その後も恐怖で支配しながら何一つ状況は改善していない。
この疑惑は飯塚らにも広がる。
飯塚もまた、同盟の中で独裁的な動きを見せ始めていた。
八木兄の知恵により、水分を含んだ土を掘り返して貴重な水と食料(虫)を確保。
ここで宮田が安斎に話を切り出し、安斎を信用できないことを総意として山小屋から締めだすこととした。
〈安斎を締め出す [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
大学のアメフト部時代も部員たちに総スカンをくらった過去がよみがえる安斎は、内心はらわたが煮えくり返りながらも山小屋の外のテントに泊まることを受け入れる。
生き延びるために大人の対応を見せた。
その一方で、飯塚は藤柴を抱き込んで隠し持っていた最後の缶詰を消費。
甘い言葉で藤柴を盲目にし、利用することだけを考えている。
〈藤柴を丸め込む飯塚 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
それぞれの魔猿撃退計画
八木のアイデアで小屋の2階に布団やロープを張り巡らせ、魔猿の襲撃に備える宮田たち。
遠野の発案で鍋を利用した爆弾も用意したが、爆発までの時間が読めないのがネックである。
〈遠野が爆弾を作成 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
しかし戦力が心もとないと悟った飯塚は藤柴と佐藤を呼んで独断行動に出る。
魔猿が2階に上がったところで小屋に火を放ち、出口を塞いで魔猿を殺すという計画だ。
〈小屋に火を放つ計画 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
しかも小屋が燃えて目立てば救助が来ることも期待できる。
飯塚は手洗い場のシンクに身を潜めて火をつける役を佐藤に押し付け、生存者たちは夜を迎えた。
襲撃の夜、遠野が決死の自爆特攻
予告通りに魔猿たちが姿を現し、早乙女らが2階で応戦する。
また襲撃に気付いた安斎も加勢するために小屋の2階へ。
しかし安斎が階段を上がる気配を魔猿と勘違いした佐藤が小屋に火をつけてしまい、状況が一気に不利になっていく。
〈佐藤が火を付ける [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
窓の外には魔猿が待ち受け、階下からは火の手が迫る。
遠野のとっておきの爆弾も思うように爆発せず、絶体絶命のピンチ。
〈猿たちによる包囲 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
安斎が力ずくで突破し何とか外に出るが、早乙女が魔猿のナタで軽傷を負う。
しかし魔猿は早乙女にトドメを刺すのを躊躇し逃走を図った。
すぐさま安斎が追うが、今度は佐藤が人魔猿の質となってしまう。
これまでの人生を含め、「知識はあるのに肝心の場面で役に立たない」というレッテルを張られ続けてきた遠野がここで勇気を振り絞る。
爆弾を抱えて魔猿を威嚇。
遠野は槍でわき腹を刺されながらも魔猿に特攻し、1匹を道連れに自爆するのだった。
〈遠野が自爆特攻 [モンキーピーク 6巻](c)日本文芸社/志名坂高次・粂田晃宏〉
【6巻のまとめ】
猿たちからのメッセージを受けて田中が我先に逃げ出す。
残された9人は安斎が裏切り者である可能性を疑い、山小屋から締めだした。
その夜、予告通りに猿たちが襲撃してくる。
佐藤が小屋に放ってしまった炎と猿たちの徹底包囲により全滅の危機に追い込まれるが、遠野の決死の自爆攻撃で窮地を脱するのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら