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防衛大との共同実習での交流、確執のあった父との再会でハナレの過去も知る『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語』3巻【ネタバレ注意】

~前巻のあらすじ~
指導期間を無事に終え、晴れて正式な防衛医大生となった賢人たち。

賢人はグループワークを通じて患者へ寄り添うという医師としての根幹の大事さを痛感し、医官に対する考え方も変わっていく。

そんななか、1年生たちは星校長の旧友である七海という人物のもとへ預けられることになるのであった。

3巻のあらすじを振り返ってみましょう。

心を許せる友人と出会う

7月、防衛大学校に一週間滞在して、訓練を行うことになった1年生。

防衛大学校は陸・海・空の幹部自衛官を養成する防衛省管轄の大学校である。

自分が理解できないものでもまずは受け入れようと、自分を変えるために決意をもって臨む賢人。

それぞれの学生に1週間共に行動する「横対番」がつくこととなり、賢人には「神」という学生がつくことに。

礼儀正しく、また賢人への気遣いもできる神。

防大生の過酷な訓練と指導に対して自ら志願する賢人は、神ともすぐに意気投合する。

そして互いに自分の志望動機についても打ち明ける。

神はもともと両親が自衛官であり、自身も大切な人が安心して暮らせる世の中にするために自衛官を志したと真っすぐに語った。

将来どこかの部隊で一緒に仕事ができたら、と願う2人。

国防や治安維持など、特殊な環境で任務を行う自衛隊の任務を理解している医師が医官なのである。

どちらも誤った判断をすれば部下や患者の命に関わる仕事であり、正しい判断をするために幅広い知識と高い視野が求められるのだった。

医官としての在り方に悩む賢人

賢人は訓練と座学を通して、医師としての知識を身につけることと士官としての体力をつけることの両立に苦労し、自信をなくしかけていた。

そんな賢人の異変に気がついた神がそれとなく理由を聞くと、賢人は、同期の皆や神のように誰かのためになりたいと強く感じたことがないことを打ち明けた。

賢人の悩みを聞いた神は、「足りないと感じたときに次どうしていけばいいか考えられる賢人なら大丈夫」と励ます。

そのアドバイスを受けた賢人の表情も晴れるのであった。

賢人の心のうちを知ってしまう神

久保出は賢人が防大にきてから自ら率先して掃除したり訓練したりしていることから、賢人が「役付き」を狙っているのではないかと疑問の目を向けていた。

「役付き」とは、学生のまとめ役で防医大内の学級委員のような役割の呼称であり、出世したい久保出も狙っているポジション。

そんな久保出を見かねて自分の進路について、賢人はとっさに「自衛隊に残る気はない」と話す。

しかしその会話を神が耳にしてしまう。

賢人は医官を志望しておらず、将来自衛隊で一緒に仕事をすることはないと考えた神は、無理に自分に付き合わせていたことを謝罪。

賢人は急によそよそしい態度をとるようになった神に対し、久保出に話したのは本音ではないことを説明すべきかどうか迷うのであった。

賢人と神のすれ違い

神の残念そうな顔が頭に残るが、あと数日の付き合いなのに誤解を解く必要はあるのかと悩む賢人。

だが防大生と防衛医大生は将来のパートナーであり、神とも「将来は一緒の部隊で働けたらいいな」と交わした言葉を思い出し、自分から行動を起こすことを決めた。

掃除をする神に対して自ら協力しはじめる賢人。

対する神は、自衛隊を辞めるつもりなのになぜ掃除なんかに加わっているのかと、賢人の掃除の手を振り払おうとする。

その際、振り払った手が賢人の目に当たり、賢人のメガネにヒビが入ってしまう。

すぐに神との関係は修復できないでいるのであった。

貴重な友達

明日で研修も終了。

しかし賢人は手を振り払われてしまった一件から神とはまともに話もできないままでいた。

誤解を解こうにもそんな雰囲気ではなく、こんなことになるなら余計なことはしなければよかったと後悔する賢人。

だがその話を聞いたハナレは、「一週間で喧嘩できるほどの仲の友達ができるのは貴重なことだ」と前向きなアドバイスを送るのであった。

賢人の思いを変えた出会い

研修最終日は、防大から観音崎まで横対番と2人1組によるマラソンレース。

賢人は重い荷物を1人で抱える神に対し、自分も荷物を持つと申し出るが、神は意地を張ったまま賢人を突き放すようにダッシュ。

それでも、炎天下にもかかわらず、荷物を持ったまま道中で人助けもこなす神に対し、次第に見る目を改めていく賢人。

最後の長い階段では賢人が一度くらい荷物を持つこととなり、汗だくになりながら神の並外れた体力を痛感する。

途中で神から水をもらいながら、賢人はポツポツと自分の本音を打ち明け始めた。

当初は医師免許を取ったら自衛隊を辞めるつもりでいたが、今はその気持ちはほとんどないこと、しかし自分に医官という仕事が務まるのか自信がないこと―。

神のように誰かを思いやる行動が自然にできず、自分の損得のことばかり考えていたが、これからの6年で今までの自分を変えたい、と涙をこぼしながら明かす賢人。

そんな賢人に対して神は、賢人たち医官を志す人は人格的にも優れる絶対的な味方だと勝手に思い込んでいたことを反省しながらも、「自分たち士官は、医官を宝のように大切な存在と思っている」と語りかける。

そして2人は見事ゴール。

固く握手を交わし、賢人は神から校章を記念にもらうのであった。

父とハナレの過去

前期が終わり、ハナレと一緒に帰省することになった賢人は、広島の実家で父・カズヒトの元同僚であるニコと出会い、父とハナレの過去を知る。

父とニコはイラン、トルコ周辺の国境地帯で紛争が起きた際の難民キャンプに赴いた際に、難民だったハナレと出会った。

死と隣り合わせで今日を生きるのもやっとという状況のなか、ハナレは食糧でも毛布でもなく、一番に辞書を望んだという。

父はその際に辞書を渡すと、数年後に再会したときにはハナレは英語と日本語を読み書きできるようになっていた。

父はハナレが医師になりたがっていること知り、その夢を応援することに決め、防医大を見つけた。

だが防衛医大の受験資格は19歳までの日本人。

日本では難民認定されるのも難しく、養子になるにも年数がかかりすぎる。

そのため、結婚という形をとったのだ。

父・カズヒトとの再会

先に父が魚を持って帰ってきたが、ハナレは海に行ってくると言ったまま一向に帰ってこず、台風が接近していた。

賢人は見に行ってくると家を飛び出し、父もそのあとを追ってきたため、久しぶりに親子で2人きりとなる

賢人は父に対し、母が亡くなった時になぜ側にいなかったのか、唐突に再婚したことを聞かされたことへの戸惑いや説明責任、そして自分を子どもだとみくびって複雑な話を避けたことなど、これまで抱えてきたことについて怒りと寂しさを爆発させた。

父はまず一緒に居られなかったことを謝り、賢人が誰にも頼らず、医師の道を進むべく自分の力で歩いていることを認め、またあっという間に賢人が一人前の大人になったのだと感心した。

一方で、父はハナレがどこにいるのかおよそ見当がついていたようで、賢人を連れて海辺へ向かう。

すると父の読み通り、夢中になってウニのオスを観察しているハナレを見つけた。

故郷が空爆にあった次の日も本に夢中になっていたのと同じだ。

無駄な知識ばかり増やしてどうするんだと賢人が問いただすと、ハナレは「試験に出なくても、全部私の糧になる」と明るい顔で話した。

そんなハナレと同じように、ニコもまた、賢人が夏休みを終えるまでに学んできた基礎教養が無駄な知識だという思いを見抜いており、医者には絶対的な正解はなく、自分なりの正解を見つけるためには自分が感じたことや感情が大切だとアドバイス。

そして、それと同じくらい世の中を知ることも大切であり、賢人が無駄だと思っていた歴史や哲学などは、人間が積み上げてきた知の結晶というべきもの。

医者になるなら、人間に関わることを疎かにしてはいけない、それが将来医者になる上での土台になると、ニコは先輩の医師として指導。

その言葉を受け、賢人は帰宅後、これまで「試験対策」としてまとめていたパソコンのフォルダを削除し、これまでなら全く興味を持たなかった西洋哲学史の本を手に取ってみるのだった。

死生観を考えさせられる実習とは

夏休みが明け、賢人は変に人に対して構えることをやめ、確実に変わっていた。

10月、居室移動で部屋替えを行い、新たな同室生と生活を共にする。

学園祭では先輩や周りの動きも目に入るようになり、余裕が出てきた賢人。

神と再会を果たすと、知らないうちに神が美馬と付き合っていることを明かされ、驚いた。

その後、写真部の写真展で写真を眺める軽尾と出会い、「解剖セット」をもらう。

軽尾が見ていた写真は、自分の遺体を無報酬で大学に提供する「献体」する人の団体・菊桜会のものであり、献体登録者が生前撮った写真の展示だった。

ふと軽尾も献体に登録するのか疑問をぶつけてみると、軽尾は自分の死生観が定まっていないことから無理だろうとこぼすのだった。

貴重なご遺骨との時間

1年生後期も残りわずかとなり、「形態医学系」の講義が始まった。

緊張感をもって解剖学実習室に足を踏み入れる賢人たち。

献体された人の骨が頭から足の先まで木箱に整理整頓されて入れられており、ペアの人と協力し、200個の骨を一体の全身標本にすることが目標となる。

教官の白木は骨と骨を点ではなく線として捉えることと名前を覚えるだけでなく、頭の中で立体で描けるようになることが大切と説いた。

そうして人体の地図を頭の中に入れることが、今後医学を学ぶときの座標となるのだ。

親との縁を切りたい男鹿

みんな標本を組み立て、それぞれの骨の英単語を覚える中、賢人と男鹿コンビがいち早く標本を組み立て終え、テストも無事に合格した。

他のみんながまだ課題に取り組んでいるなか、空き部屋に移動した男鹿は、賢人に腕相撲をしようと誘ってきた。

男鹿は中学の頃、酔ったおじさん相手に腕相撲をし上腕骨をへし折った経験があるらしく、白木教官の教えどおり骨と骨のつながりや構造について疑問と実感を持ちながら取り組んでいたことを明かす。

雑談しながら距離を縮めるなか、賢人は男鹿が入校式の時に親と離れることを不安がる同期をディスっていたことを思い出し、男鹿は怒ると方言が出ることを指摘。

すると家族の話題になった途端に男鹿は表情が曇り、親と縁を切りたいと考えていることを打ち明けるのだった。

男鹿と父の関係を疑問に思う賢人

土居内がラグビー部で骨折をしたため、お見舞いに訪れた賢人たち。

外では桜が舞うなか、皆で話しながら1年前の入校時より成長していることを実感する。

そこにラグビー部のOBの先輩が訪れると、男鹿の名前に気がついた先輩は、男鹿の父の病院を知っていて、著書も読んでいる旨を嬉々として伝えてきた。

男鹿の父が有名な医師であることを知った賢人は、男鹿はなぜ父と縁を切りたがっているのか、疑問に思うのであった。

【3巻のまとめ】

防衛大との合同実習に赴いた賢人は、そこで神という学生と、自分の医官としての考え方を考えさせられるような出会いを果たした。

またハナレと共に帰省した際には父と再会を果たし、親子の確執が少しずつ解けていく。

授業でペアを組んだ男鹿とも徐々に距離が縮まるなか、男鹿から親と縁を切りたがっていることを打ち明けられた。

男鹿の父は有名な医師であることを知った賢人は、なぜ男鹿が親と縁を切りたがっているのか、疑問に思うのであった。

【3巻の見どころ】

この巻の見どころは、防衛大学校での研修を通じて賢人が医官としての在り方に悩み、成長していく過程です。

防大生の神との交流では、訓練をともにしながらお互いの志を語り合い、やがてすれ違いと和解を経験します。

特に研修最終日のマラソンでは、神のひたむきな姿勢に触れた賢人が自らの将来について本音を打ち明ける場面が胸を打ちます。

また、帰省中には父とハナレの過去を知り、親子の確執に向き合うことに。

解剖実習や男鹿との交流を通じて、医師としての視野を広げていく賢人の姿が印象的です。
管理人

次巻へ続きます。

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