ある日突然「王様」を名乗る人物からクラスの生徒たちに命令が届く。
最初は誰かの悪戯だと思っていたが、命令の内容は次第にエスカレートし、服従しなかった生徒には死の罰が与えられた。
それからも王様の命令によって死者が出るが、王様との繋がりが疑われる「カミハテ」というゲーマーの存在が浮上する。
さらに「死者たちの携帯に一文字だけの未送信メールが残っている」という手がかりも突き止めた。
次の命令では、伸明に好意を寄せる奈美が「自分が王様に触る」という命令を出して存在を特定しようとするが失敗。
命令を実行できなかった罰として両目を失明し、奈美は自殺した。
王様へ近づくための手がかりを犠牲者たちの携帯から探す伸明の前に莉愛が現れ、自分がカミハテであることを明かす。
王様ゲームを抜けるためには王様を殺すしかないと言い切る冷徹な莉愛に対し、伸明はクラスメイト達を助けることを諦めない。
しかし次の「不要なことを犯すな」という命令が「涙を流すな」という意味であることに気づくまでに多くの命が失われてしまった。
心が折れかける伸明だが、死ぬ間際の陽介から「王様ゲームが過去にも行われていた」という重要な情報を掴む。
その場所である夜鳴村で智恵美と同じ苗字をもつ「本田奈津子」という女性が残したレポートを見つけるが、伸明のことを王様と思い込み陽介の仇を討とうとする香織に後をつけられ襲われてしまう。
誤解は解けたものの香織は泣いてしまい罰を受け、伸明もまた涙を流してしまった。
王様の命令に背いてしまった伸明は同じく姿を現した莉愛にすべてを託す。
そして伸明が罰を受けるメールが流れるのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
次の命令は死のサイコロ
伸明が罰を受けたと知り、絶望する直也。
しかし王様は待ってくれず、次の命令が出る。
「命令12 クラスの中から1人がサイコロを降る。サイコロを振った者は5分以内に出た目の数だけクラスメイトを指名する。
サイコロを振った者、指名された者両方にお約束の罰が与えられる。もし誰も振らなかったり、指名しなかった場合は全員に罰が与えられる。」
生き残っているのは利幸、俊之、直也、智恵美、敬太、千亜、美奈子、雅美、莉愛の9人。
サイコロを振った者は確実に死ぬとあって、みな生き残る策を考えるのに必死だ。
〈生き残るのに必死 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
伸明が死に、智恵美を守るために直也は自らが犠牲になろうとするが、サイコロを振る直前に莉愛から全員を招集するメールが届いた。
生きていた伸明を交え、運命のサイコロ
誰がサイコロを振るか、特に気性の荒く自己中心的な利幸が険悪な空気を振りまく。
と、そこに莉愛が伸明を連れて現れた。
〈生きていた伸明 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
罰を受けながらも生きていることに驚く智恵美たち。
伸明が涙を流したのは命令の有効期限である午前0時を過ぎた後であり、伸明への罰のメールは莉愛が偽装して流したものだったのである。
この中で誰がサイコロを振っても嫌われ者の利幸が指名される―。
そんな空気を察知した利幸は智恵美を人質に取り、「伸明と直也のどちらかがサイコロを振れ」と強引な行動に出る。
〈智恵美を人質に取った利幸 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
智恵美の脚をナイフで容赦なく刺すその覚悟に気圧され、直也が自らサイコロを振った。
出た目は最悪の「6」。
〈まさかの6が出る [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
ここから先は直也が名前を口にしただけで人が死ぬ。
まず直也が口を滑らせて敬太が死に、利幸は智恵美を脅したまま雅美・千亜・美奈子の指名を強要した。
残るは利幸・俊之・智恵美・伸明・莉愛の5人。
次に伸明を指名するよう利幸は命令するが、鬼畜の所業を見かねた俊之が割って入る。
直也は利幸と俊之を指名し、2人ともゲームから解放された。
また6人を指名したことで、直也にも罰が下る。
〈直也も死亡 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
直也は伸明と智恵美の目の前で四肢をもがれて死んでいった。
王様ゲームの正体を掴み勝負に出る莉愛
残るは伸明・智恵美・莉愛の3人。
莉愛は次の命令が来るまでに王様を倒すと言い、王様ゲームの正体を口にし始めた。
王様ゲームの正体は古い村の因習に基づいた強力な暗示。
32年前に起きた夜鳴村の連続怪死事件を調べていた研究者(本多奈津子)がその暗示のプログラム化を進め平野に役立てようとするが、失敗。
奈津子は子供が産まれたことでプログラムの危険さに気付いて削除しようとするも、プログラムは自ら増殖を続けて奈津子を殺してしまった。
その後もプログラムは「究極の暗示法」を探し続け、完成させるための実験場として奈津子の娘である智恵美のいるクラスを選んだ、というのである。
プログラム自身はおそらく智恵美の携帯をベースとしてクラス全体に王様ウイルスを拡散させていたため、クラスの中にいるが誰も特定できない状態だった。
犠牲者たちの携帯に残った未送信メールを集め、莉愛は1つの文章を作り上げる。
「お前達1人の命を捧げ本多奈津子を生き返ら(せ)るため(の)犠牲となれ」
つまりプログラムの最終目的は究極の暗示法で本多奈津子を生き返らせることである。
莉愛は王様ウイルスを駆逐させるためのアンチウイルスで勝負に出る。
〈莉愛が勝負に出る [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
見事、王様ウイルスを駆逐したかに見えたが、それでも王様から莉愛に「焼身の罰を与える」というメールが届いた。
莉愛は伸明と智恵美に勝利を託し、身を焼かれて死んだ。
〈身を焼かれる莉愛 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
最後の命令
王様の最期の命令が来た。
「命令13 金沢伸明 本多智恵美 5分以内に最も愛する者を殺す。さもないと2人とも首切りの罰を与える。」
究極の命令を前に、伸明は「王様の命令=ただの暗示」ということを逆手にとり、2人で強く「生きる」と思い続ける。
〈強く念じる2人 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
無事に罰の実行期限を過ぎ、喜ぶ伸明。
しかし喜びもつかの間。智恵美は利幸に刺された傷からの失血でそのまま息絶えてしまった。
王様ゲームを生き残った末に―
王様から最後に届いたメール。
「あなたがこの世界の王様です。あなたはこの世界をどうしたいですか?」
〈生き残った伸明 [王様ゲーム 5巻](c)双葉社/金沢伸明・連打一人〉
伸明は智恵美に告白したときのことを思い出しながら、1つの答えに至るのだった―。
【5巻(完)のまとめ】
莉愛の機転のおかげで生きていた伸明。
しかし王様の命令によって直也を含めた7人が死に、残るは伸明・智恵美・莉愛の3人。
その智恵美も脚を刺され大けがを負ってしまう。
王様ゲームの正体が暴走したプログラムによる強力な暗示であることを暴いた莉愛は、プログラムを駆逐しようと決死の攻撃に出る。
しかし莉愛の目論見は失敗し、逆に莉愛に罰が下った。
残る伸明と智恵美に送られた最後の命令は「最も愛する者を殺すこと」。
2人は強く「生きる」と願い王様からの暗示に対抗するが、結果的に智恵美は怪我がもとで死んでしまった。
王様ゲームを生き残った伸明。
「あなたはこの世界をどうしたいですか?」という王様からの問いを受け、1つの答えに至るのだった。
次シリーズへ続きます。
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参考24時間以内に命令に従わなければ死、恐怖のゲームの始まり『王様ゲーム』全5巻【ネタバレ注意】
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