職場でも家庭内でも立場がない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎は、ある日犬の散歩中に高校生・獅子神皓と共に宇宙人の事故に巻き込まれ、機械の身体となって蘇った。
記憶と意識はそのままに、身体のなかが勝手に機械に置き換わったことで超次元の能力を手に入れた犬屋敷だが、自分が自分ではなくなったような感覚に襲われ、自分の存在意義について悩みを持つ。
同じく機械の身体となった獅子神はイジメられて不登校になった親友の安堂を気遣いながらも、連続民家襲撃事件を起こすなど他人を殺すことで生を実感するように。
一方の犬屋敷はとあるホームレスの男を暴行から助けたことをきっかけに「一人でも多くの人を救う」という行為に自分の生きる意味を見出し、さらに自分に治癒能力が備わっていることに気づくと、重い病に苦しむ人を救うために病院へ足を運ぶ。
さらに犬屋敷はヤクザに目をつけられ拉致されてしまった一般人のふみのを助けるため、ヤクザのアジトに単身乗り込む。
怒りに燃える犬屋敷は押し寄せてくる手下から激しい銃撃を受けるが、ピンチになると機械が暴走し全員をロックオン。
反撃で次々と撃ちぬいていくのだった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ヤクザを壊滅させる
犬屋敷が再び正気を取り戻したころ、アジトには両目と頸椎を潰され身動きの取れない大勢のヤクザたちが転がっていた。
〈ヤクザが壊滅 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
口では恫喝しながらも、見ることも動くこともできないヤクザたち。
犬屋敷はヤクザたちにこれまでの悪道の報いを受けさせ、ふみのの救出に向かう。
ふみのは何度も覚醒剤を注射され絶望していたが、犬屋敷が治癒して無事に悟のもとへ返した。
涙ながらに再会を喜ぶ2人、この幸せを犬屋敷が確かに取り戻したのだった。
〈2人の幸せを取り戻した [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
安堂が犬屋敷の協力者に
ヤクザが襲撃を受けたことがニュースになる一方、街中では連続で民家が襲われる事件も起きていた。
安堂をイジメていた生徒たちが死んだこともあり、獅子神が犯人であるという情報が噂ながらに広まっていく。
唯一、獅子神が犯人であることを知る安堂は獅子神を止める方法を探る。
〈獅子神を止めたい安堂 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
安堂は治療困難な病人たちが突然回復する奇跡が連続して起きていることを知り、獅子神のような超能力を手に入れた存在がもう1人いる可能性に行き当たった。
安堂はわざと悲鳴を上げ、そして犬屋敷と出会う。
安堂は自分の知る真実を犬屋敷に伝え、ヒーローである犬屋敷を支えて獅子神を止めることを決意、自らアシスタントとなることを申し出るのだった。
〈犬屋敷に協力 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
犬屋敷と安堂の活動
犬屋敷の娘が安堂のクラスメイトという意外な共通点も見つかり、早速犬屋敷の特訓が始まった。
攻撃や移動・通信手段など、実験を兼ねながら獅子神と同じようなことができるようにサポートしていく。
〈犬屋敷をサポート [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
廃材をターゲットに攻撃の仕方を覚え、飛行の高度限界のテストでは犬屋敷は宇宙空間にまで達し、ISSにいる宇宙飛行士とご対面、呆然とさせる。
そして重い病を抱える人の治癒も継続、そんな犬屋敷の存在に気づいた支援団体も現れ、患者のもとへ案内するのだった。
〈広がる治癒の輪 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
獅子神と母の絆
獅子神に想いを寄せる渡辺しおんが獅子神に告白する。
しおんのことを何とも思っていない獅子神は軽く流して去っていくが、そんな獅子神でも自分の身近な存在には深い情を持っている。
獅子神の両親は離婚しており、別の女性と再婚した父親と一緒に住む弟たちを気にかける一方で、自分は独り身となった母と支え合って暮らしている。
〈母を愛する獅子神 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
母が末期のすい臓がんと知り、助けるために治癒を施す獅子神。
さらに母を喜ばせるためにATMをハッキングして次々と大金をせしめ、高級マンションや豪華料理をプレゼントしていく。
突然の生活の変わりようが次第に怖くなっていく母。
連日のように報道される連続民家襲撃事件についても犯人への嫌悪感を口にする母に対し、獅子神は複雑な思いで「犯人が自分だったらどうするか」と問いかける。
すると母は「一緒に死ぬ」と答え、これがその後獅子神の人格の変化にもつながっていくこととなる。
〈胸に響く母の言葉 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
指名手配される獅子神
幸せを手に入れたかのように見えた獅子神。
しかしその生活は長くは続かなかった。
犯人が獅子神であることを特定した警察が自宅に乗り込んできたのである。
〈警察に見つかる [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
状況が飲み込めずパニックを起こす母をよそに、獅子神は警官たちを押しのけて逃走。
獅子神は未成年ながらも顔・名前が報道機関に公表され、公開手配となる。
〈涙ながらに逃走 [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
そして焦りと悲しみを背負い、行くあてもないまま街を彷徨う獅子神をしおんが見つけるのだった。
〈獅子神に想いを寄せるしおん [いぬやしき 4巻](c)講談社/奥浩哉〉
【4巻のまとめ】
単身でヤクザの組織を壊滅させた犬屋敷。
他方、獅子神の暴走を止めたい安堂は犬屋敷に接触し、自ら協力者となることを申し出る。
犬屋敷と安堂は特訓の一方で重病者の治癒の輪を広げていく。
その頃、獅子神は独り身の母を支えるために大金をせしめ、裕福な暮らしを手に入れた。
ところがその幸せも長くは続かず。
連続民家襲撃事件の犯人として警察が自宅に押し入り、獅子神は何とか逃走するも指名手配されてしまう。
そして焦りと悲しみを背負い行くあてを失った獅子神を、獅子神に片思いするクラスメイトの渡辺しおんが見つけるのだった。
次巻へ続きます。
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