カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武(カモ)とその相棒である島田 虎信(トラ)のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
過去に復讐依頼をこなした相手から逆恨みされ、依頼を受けた朝食会の榎がカモとトラを対象に狙うことに。
しかしやり方は違えど社会の屑を憎む理念は同じ。
榎は復讐依頼を受けるのを取りやめ、一時はカモとトラを捕らえるが解放した。
一方、ゴアゴアコミックの編集者として過ごしていた園田、漫画家志望で同性愛者の男から好意を持たれ、いつしかストーカーされるように。
だが園田は未解決である練馬区一家殺人事件の真犯人のサイコパスであり、ストーカー化した男を返り討ちにするのだった。
過去にカモとトラは一家乗っ取り事件の黒幕に制裁を与えたが、その事件はまだ終わっていなかった。
その養子たち5人が凶悪な犯行に手を染めながらカモとトラを狙い、カモメ古書店を襲撃するも、カモとトラはこれを返り討ちにし、主犯格3人を殺害。
残る2人は行き場をなくしたように街へと消え、今度こそ犯行グループを壊滅に追い込むのであった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
榎と鶴巻の過去、全てはここから始まった
17年前、貧しい家庭で暮らす10歳の少年・鶴巻 裕は離れに引きこもった父を不審に思い、ある日無くなった自分のゲームボーイを探して父親のいる離れの中を覗く。
そこにはちょうど父の姿は無かったが、探していたゲームボーイと、ここに住まわされていると思わしき全裸の少女がいた。
驚きのあまり、鶴巻は少女が何か話しかけようとしたところで離れの扉を閉め、そこに父親も戻ってきてしまった。
母に探りを入れてみたものの、父親の家庭内暴力を恐れて母は聞こえていないフリ。
テレビではちょうど日本トップシェアの家電メーカー会長の娘である榎加世子が誘拐され行方不明というニュースが流れている。
そしてその翌日、学校から帰った鶴巻は、自宅の離れに警察が押しかけ、父親が逮捕され行方不明だった少女が救出されるところを目の当たりにした。
少女から声をかけられたときに扉を閉めてしまったことが胸につかえていた鶴巻はホッとするが、それ以来学校では性犯罪者の息子としてイジメられ、母と共に町を離れざるを得なくなる。
しかしネットの影響でどこへ行ってもすぐに噂が広まり、精神的に追い込まれた母はノイローゼで数年後に他界。
事件から9年経った頃には、鶴巻は叔父の家でお世話になりながらも引きこもっていた。
そんなある日、全てがどうでもよくなった鶴巻は包丁を手に外出し、イジメてきたクラスメイトや父親などに復讐することを考える。
するとそこに成長した榎加世子が姿を現し、鶴巻に今度は行動を起こすことができるだけの力を授けることを伝えるのであった。
兵士となった鶴巻を連れ、朝食会に加盟
鶴巻にあったのは、行動を起こせなかった自分を変えたいという強い意志だけ。
榎は鶴巻を自分の祖父が所有するビルの一室に匿い、黒人のトレーナーとマンツーマンで基礎体力と語学力を徹底的に鍛えることを告げる。
アメリカ国籍を持つ女性と結婚させて永住権を得てから米軍に入隊する道筋まで描かれており、その目的は日本の犯罪者には間違っても負けないほどに強くなること。
基礎体力から格闘訓練、尾行など実戦を踏まえたスキルを身につけた鶴巻は2年後には見違えるほど屈強な兵士となって帰国した。
その鶴巻に対し、榎は「研修」として手始めに鶴巻の父親を拉致するよう指示を出す。
難なく父親を拉致した鶴巻は、指示されるがまま貸倉庫に父を監禁・拘束。
榎はかつて自分が受けた仕打ちの復讐として鶴巻の父を痛めつけていく。
それでも客観的に見て死には価しないと判断し、榎は殺したい気持ちを抑えて鶴巻の父の命までは奪わなかった。
加害者が犯した罪と被害者の下す罰のバランスを冷静に見極めながら、榎は被害に遭った人のためだけの「裁きの場」を作り上げることを意図しており、その初めてのターゲットが鶴巻の父。
榎がこの仕事をしようと思ったのは、犯罪被害に遭った人たちのために復讐を支援する「朝食会」という団体に誘われたのがきっかけなのであった。
脇見運転、最後まで自覚が足りなかった男
スマホを見ながらの脇見運転でトラックが歩道に乗り上げて4歳の児童が撥ねられて亡くなる事故が発生。
運転していた31歳の男・滝谷は「あれは事故。俺は悪くない」と罪の意識の浅いまま逮捕され、留置所で暮らすこととなる。
その後起訴され、禁固3年の実刑判決。
刑期を終えて出所した滝谷は家族に迎えられ、1週間ほど経って落ち着いた頃にネットで当時の事件の報道などを目にする。
滝谷はそこで初めて自分が遺族に謝罪もしていなかったことを知らされ、誰も教えてくれなかったことに怒りを感じながらも遺族に直接謝る決意を固めた。
遺族の居場所は警察も弁護士も教えてくれないため自分で探すしかなく、探しているうちに自分が犯した罪の重さをようやく実感するようになっていく。
しかしどんなに探しても居場所は掴めず途方に暮れ、そこでさらに遺族から依頼を受けたカモとトラに拉致されてしまった。
今は心から反省し、謝罪する気もある滝谷。
だが時すでに遅し。
カモとトラは謝罪も反省も求めず、「ただ死んでくれればそれでいい」と抹殺し、いつも通り復讐代行を完遂するのだった。
【4巻のまとめ】
榎と鶴巻の出会いから2人が朝食会に加盟するまでの過去が明らかに。
そしてトラとカモは脇見運転で男児を巻き込んで死なせてしまった男への復讐依頼を完遂。
反省や謝罪の念が後から沸いても時すでに遅し。
カモは問答無用でクズを抹殺するのであった。
次巻へ続きます。
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