生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。
主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。
そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。
死ねなければ生きるしかないサバイバルが始まり、グループで協力して生活のサイクルができるなか、冬に備えてセイは自分の力で生きるため、1人で山に入り鹿を追うことに。
弓を作り、思考錯誤で挑戦した狩りで鹿を仕留めたセイは、命への感謝の気持ちが内側から湧き上がり、数多の命の上に立ってこの島で生き抜く強い意志を固めた。
さらにこの島に先住している男に出会ったセイは、鹿の肉と引き換えに肉の保存の仕方など生活の知恵と共に1匹の子犬を譲り受け、その子犬「イキル」を猟犬として共に狩りを続ける。
他方、リョウは亡き恋人を想い本土で死ぬために島からの脱出を図った。
リョウという頼もしいリーダーが去り、グループの治安は確実に悪化するなか、セイはこれからのことを考える。
しかしそんな折、リョウが数名と共に命からがら島に流れ着いてしまう。
それはこの島からの脱出が失敗したことを意味しているのであった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
心身ともに衰弱したリョウ
脱出した後しばらくは順調だったものの、2日目の夜に巡視艇と遭遇し、領海侵犯への対応として銃撃され船は沈められたという。
溺れかけていた数人をリョウが何とか引き上げ、丸太に捕まりながらこの島に戻ってきたというのが脱出失敗の真相。
スギたちのグループは分裂、力尽くで肉を奪われる事件が発生してしまうが、頼れるリーダーだったリョウは心身ともに衰弱してしまっていた。
セイが保管していた肉をスギたちに提供したが、欲望を抑えられない男たちは女性グループに迫るなど、崩壊が近づいている。
しかし動けるまでに回復したリョウは心が折れたのか、グループの仲裁には関わろうとしない。
頼るのではなく、助け合わなければならない―。
そう強く感じたセイは、十分な食料を確保して争いを収めるために再び山へ入ることを決意するのだった。
神聖な山を汚されることへの怒り
スギとトモと緊急時の合図を取り決め、山へ入ったセイ。
山に入ることはセイにとって神聖で特別な行為になっていたが、力ずくで肉を奪おうとする3人の男が追ってきた。
恐怖と共に神聖な山を汚されることへの怒りが沸き上がってくる。
山に関して素人な彼らに対し、セイは夜を待って暗闇の中から警告を発した。
恐怖に錯乱した1人がナイフを振り回して味方を切りつけ、逃げ出そうとして崖から滑落。
セイは切り傷を負った男に手当てしながら、残る2人に山から下りるように告げるのだった。
ケンがセイの仲間に
1人は大人しく山から下りていったが、もう1人の傷を手当てしてもらった男、ケンイチ(ケン)は翌朝からセイの後に付いてくるようになった。
足手まといのケンを置き去りにすることもできず、セイはケンを連れて深い山のなかをできるだけ急いで進む。
そして狩りのポイントに到着。
ケンを置いてまずセイが風下に回り込み、イキルと共に鹿を仕留める。
雄大な鹿たちの姿とセイの狩りを目の当たりにしたケンにも感動が込み上げた。
近くにあった沢で鹿を解体し、命に感謝しながらレバーにありつくセイとケン。
セイも自分の脅しが吉村を死に追いやったことから自責の念に駆られていた。
しかしケンはしみじみと自分がしようとしていた行いを反省し、セイと同じように前を向いて生きることを宣言し、セイの仲間となることに。
心を開ける仲間がまた増えたのであった。
集落の治安が悪化
その後も狩りを続け、得た肉を廃校に持ち帰ることにしたセイとケン。
しかし2人が戻ると治安はさらに悪化していた。
ケンは心変わりし謝罪したことでスギたちに迎え入れられたが、あの後崖から滑落した吉村と山から下りた男(青木)のせいで波風が立ったという。
吉村は重傷で命を落としてしまい、青木は「セイが吉村を殺した」と吹聴して回ったうえ、自分たちも無法行為を厭わないようになっていたのである。
ケンの説得も聞かず、前向きに変わらなかった青木。
この島では変わらなければ生きていけない、とセイは心の底で思うのであった。
誤解が解け、大きく前進
セイが狩りに出ている間に、良い変化もあった。
それは近くに捨てられた畑があり、農業経験者のミノルを中心にイモの栽培が始まっていたこと。
肉と同じように作物も無法者によって奪われるリスクはあるが、大きな前進である。
その一方、リョウは相変わらず皆とは距離を取り、1人で生活している様子。
さらに吉村の死を看取った女性が吉村が亡くなる前に「ケガが治ったらセイに謝って仲間になりたい」とこぼしていたことを明かし、青木が流した噂が嘘だったことを皆に伝えた。
グループから孤立した青木は孤独に震えることとなるが、ある人物が青木を恐怖から解放するために自殺するのを手助けするのであった。
セイがリョウを立ち直らせる
翌朝、青木が首を吊っているのが発見される。
それでもスギが中心的存在となって冷静に皆を落ち着かせ、生きるために皆で前を向く。
しかし前を向かず好き放題にしようとする者たちもまだいる。
そのグループがスギたちが獲った魚を奪おうとするが、リョウはその様子を見て見ぬふり。
そんな別人のようになってしまったリョウのもとをセイが訪れた。
セイの真っすぐな言葉でリョウが奮い立ち、翌日からはスギたちの漁に自ら参加するように。
頼れるリーダーが立ち直ったのであった。
【4巻のまとめ】
脱出に失敗したリョウは心身ともに衰弱し、かつてのように皆を引っ張るのではなく1人で生活するようになってしまう。
グループの治安は確実に悪化するなか、セイは自分について回るようになったケンを仲間に加え、さらに真っすぐな言葉でリョウを立ち直らせた。
その翌日からリョウは再び生活を共にするようになり、治安も改善に向かう。
頼れるリーダーが帰ってきたのであった。
次巻へ続きます。
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